未割り当てで残っているIPv4アドレスは10%以下と、Number Resource Organizationが語る―次世代インターネット・プロトコルIPv6の展開が、インターネットの継続的発展には不可欠

JCN株式会社

2010-01-20 15:32

Amsterdam, Jan 20, 2010 - (JCN Newswire) - インターネット番号リソースのすべてを管轄する5つの地域インターネットレジストリ(RIR)の、正式代表機関のNumber Resource Organization (NRO)は、未割り当てで残っている利用可能なIPv4アドレスは10%以下しか残っていないことを、本日発表しました。
Amsterdam, Jan 20, 2010 - (JCN Newswire) - インターネット番号リソースのすべてを管轄する5つの地域インターネットレジストリ(RIR)の、正式代表機関のNumber Resource Organization (NRO)は、未割り当てで残っている利用可能なIPv4アドレスは10%以下しか残っていないことを、本日発表しました。既存IPアドレスがここまで少ないという状況は、最終的には世界中の企業・団体すべての将来のネットワーク運用に影響を与えるIPv4アドレス枯渇問題が、重大な事態に達していることを示しています。

「今回のことは、全世界のインターネットの成長と発展における重要なマイルストーンです。」と、NRO会長のAxel Pawlikは述べました。「IPv4アドレス範囲全体の10%以下がまだRIRへの割り当て可能ですが、IPv6のグローバルな採用に向けて、インターネットコミュニティがよく考えられた断固たる対応策を取ることが重要です。IPv4アドレスが限られているために、我々皆が熱望しているグローバル・インターネット・アクセスの達成に十分なリソースがありません。近い将来、何十億もの人々や機器の接続をサポートするネットワークを実現するインフラ開発には、IPv6の展開がカギです。

インターネット・プロトコルは、ネットワーク上で装置が通信する方式を定義する技術上のルールです。現在、IPv4とIPv6という2つのバージョンがあります。IPv6には、IPv4よりはるかに多くのアドレスプールを提供する最新の番号体系があります。残されたIPv4アドレスが非常に少ないため、NROではインターネット関係者に、IPv6展開に必要な投資を計画し、即時対応するように呼びかけています。

NROは各RIRとともに、数年にわたり、草の根運動、講演、会議、メディア活動など、IPv6展開の促進活動を積極的に行って来ました。今のところ、これらの活動の結果、IPv6採用の実施要請が増えています。

10%以下となるというマイルストーンに達したので、NROでは、政府、ベンダ、企業、電気通信事業者、エンドユーザなどのインターネット関係者に、IPv6採用の役割を果たすように呼びかけ続けていきます。特に次のような対応を、働きかけていく予定です。

- 企業セクタは、IPv6ユーザのアクセス可能なウェブホスティングや機器など、IPv6対応サービスおよびプラットフォームを提供する必要があります。
- ソフトウェアおよびハードウェアのベンダは、IPv6サポートを製品に実装し、必要になったときに生産できる水準で利用できるようにしておく必要があります。

- 政府は、IPv6で利用可能なコンテンツとサービスを作ることで範を示し、それぞれの国でのIPv6開発活動を促進する必要があります。現時点では、政府の調達ポリシーの要件にIPv6を入れることが重要です。

- 企業・団体やエンドユーザなどの市民社会は、今後IPv6サービスのニーズが高まり、競争力を持つほど多く利用可能になるように、ISPやベンダなどから受けるすべてのサービスをIPv6対応にしてほしいと、要求すべきです。

次世代インターネットプロトコルを促進するNROのキャンペーンは、インターネットコミュニティによい影響を与え続けています。インターネットコミュニティの方々がIPv6のメリットを認識するようになってきたため、IPv6の割り当ては2009年に30%弱にまで増えました。

「意思決定者の多くは、IPアドレスを必要とする機器がどれだけ多いかを認識していませんが、携帯電話、ノートPC、サーバ、ルータ…まだまだ色々なものがあります。」と、NRO書記のRaul Echeberriaは述べました。「利用可能なIPv4アドレスの数は急速に少なくなっています。もし全世界のインターネットコミュニティがこのことを認識しなければ、非常に近い将来、重大な結果と直面するでしょう。そのため、NROはIPv6採用の重要性について、ネットワーク事業者からトップエグゼクティブや政府代表まで、すべての人の教育に努めています。」とEcheberriaは述べました。
IPv4アドレス割り振りは、ICANN (Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)により運営されている契約であるIANA (Internet Assigned Numbers Authority)により行われています。IANAはIPv4アドレスをRIRに配布し、RIRはそれぞれの地域のユーザにそれを発行しています。「今こそインターネットコミュニティが動く時期です。」とICANNの会長で最高経営責任者のRod Beckstromは述べました。「全世界のインターネットが際限なく成長し膨れ上がっているため、IPv6プロトコル採用の迅速な拡大を促進する必要があります。」

Number Resource Organization (NRO)について:

Number Resource Organization (NRO)は、5つの地域インターネットレジストリ(RIR)を取りまとめる機構です。AfriNIC・APNIC・ARIN・LACNIC・RIPE NCCRIRなどのRIRは、インターネット番号リソース(IPv6およびIPv4アドレスとAS(自律システム)番号)が、それぞれの地域で公正かつ公平に配布されるように図っています。NROは、未割り振りのインターネット番号リソースプールを保護し、合意に基づくオープンなポリシーの開発を促進し、RIRとのコミュニケーションのための単一の窓口を提供しています。NROについて詳しくは、 www.nro.net/media をご覧ください。

地域インターネットレジストリ(RIR)について

NROを構成している5つの地域インターネットレジストリ(RIR)は、独立した非営利の構成団体で、技術面でのコーディネーションを通じて、インターネットインフラをサポートしています。IANA (Internet Assigned Numbers Authority)は、インターネット番号リソースという総称で呼ばれるIPアドレスやASNを、一括してRIRに割り振ります。RIRは、管轄のサービス地域のユーザにそれを配布します。RIRから直接リソースを受け取る組織には、インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)、電気通信会社、大企業、政府、教育機関、ユーザなどの業界関係者があります。

オープンで明確な参加形式のRIRモデルは、急激な変化を続けるインターネット環境への対応で、成功してきました。各RIRでは、技術関係者、企業セクタ、一般市民、政府規制当局などからのアイデアをオープンに交換するため、年に1回か2回のオープンミーティングを開催し、コミュニティによるオンラインディスカッションのファシリテーションを行います。

5つのRIR:

- AfriNIC (リンク ») アフリカ
- APNIC (リンク ») アジア太平洋地域
- ARIN (リンク ») カナダ、カリブ海および北大西洋の多くの島々、米国
- LACNIC (リンク ») ラテンアメリカとカリブ海
- RIPE NCC (リンク ») ヨーロッパ、中東、中央アジアの一部

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