女性タレントやアナウンサーがテレビでスッピンを公開したり、メイクで変身する過程を撮影した動画が話題になったりと、2012年は例年以上にメイクで変わる女性の姿がクローズアップされた年でした。その中で、コスメ市場には様々なトレンドも生まれています。
スキンケアでは、炭酸美容の一大ブームに加え、カタツムリクリームや毒ヘビエキスなど韓国の商品が話題になり、メイクアップでは「薄盛り」といったナチュラルメイクのほか、真っ赤なルージュや、「たれ目メイク」、「まっすぐ眉」など多くの手法が生み出されました。まさにメイクの多様化が進んだ年でもあったといえます。
そのような選択肢が増えている中、現代女性の美容事情を浮き彫りにすべく、オリコンDD株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:河合 大輔)では、20~30代女性を対象に、美容の意識・実態調査を行いました。
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【調査結果まとめ】
1: 68.6%が自分の肌に不満を抱えているものの、この1年で新しい方法・アイテムを試した人はわずか21.2%。
2: 現状のメイクに対して 66.9% が不満を抱えているが、メイクを変えたり、新しいメイク方法・アイテムを試す人は少ない。
3: 男性がNGだと思うメイクは、「濃いメイク」。次いで、「アイメイク」と「つけまつげ」。
【ヘアメイクアーティスト “おぐねー” こと 小椋ケンイチ氏が調査結果への分析コメント】
「肌がきれいだけどメイクで台無しにしている女の子は“ブス美人”。逆にメイクはうまいけど肌の手入れができていない女の子は“美人ブス”。」
【“おぐねー”により分類された女性の4カテゴリーと割合は一体・・・】
(1) “美人美人”27.8% (2) “ブス美人”12.4% (3)“美人ブス”12.7% (4)“ブスブス”47.2%
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1. 68.6%が自分の肌に不満を抱えているものの、新しいことを試した人はわずか21.2%
はじめに「自分の肌」に対する満足度を聞いてみたところ、「非常に満足している」のはわずか1.5%しかおらず、68.6%もの人が不満を抱えていることがわかった。【グラフ1】そこで、肌やスキンケアについて悩みがあるかをたずねたところ、61.7%もの人が悩みを抱えており、【グラフ2】その内容としては、肌荒れやしみ、しわ、くすみなど、肌の状態についての悩みが多く見られるほか、「ちゃんと自分に合ったスキンケアができているのかわからない」(愛知県/20代)や「なかなか自分に合ったものを見つけられない」(神奈川県/ 30代)など、自分に合ったスキンケアがわからないという悩みが見られた。また、肌の悩みはないと回答した人の約半数は、現在の自分の肌に「不満」と回答していることから、不満を解消するための意識が低いことが考えられる。
多くの女性が不満や悩みを抱えていることがわかったが、そもそもどのような肌を理想としているのだろうか。「キレイな肌」とはどのような肌かを聞いてみたところ「キメが整っている」が58.1%で最も多く、「透明感がある」53.4%、「毛穴が 目立たない」36.2%、「くすみやクマがない」28.2%と続いた。では、キレイな肌を目指すべく、この1年で新たに試したスキンケア方法やアイテムがあるかを聞くと、「ある」と回答したのは21.2%という結果であった。
スキンケア手法やアイテムが多数生み出されているものの、上記の結果を見ると、不満や悩み解消のために新たに取り入れているものは少ないようだ。
2. 現状のメイクに対して66.9%が不満を抱えているが、メイクを変えたり、新しいメイク方法・アイテムを試す人は少ない。
メイクアップではどうだろうか。現在の自分のメイクに対する満足度は、「満足していない」と回答した人が66.9%と、スキンケア同様に低い満足度を示した。また、メイクに関する悩みについては、「ある」と回答した人が46.1%とほぼ半数に達しており、スキンケアほどではないものの、多くの女性がメイクに悩みを抱えていることがわかる。内容としては、「アイメイクがうまくいかない」(北海道/20代)や「まゆ毛がうまく描けない」(東京都/30代)など具体的なメイク法についての悩みが多い一方で、「どうメイクしていいかわからない」(青森県/20代)、「メイクの仕方がよくわからない」(静岡県/30代)など、メイク全体についてわからないといったものも非常に多かった。
肌・スキンケアでの傾向と同様に、悩みがないと回答した多くは、自分のメイクに不満を持っている結果が見られ、メイクに関しても不満がある一方で対策の意識が低い傾向が見られた。
それでは、うまいと思うメイクとはどのようなメイクだろうか。「メイク感がない」が41.2%と最も多い。注目すべきは、「透明感がある」31.5%、「毛穴が目立たない肌」27.4%、「キメが整っている」21.7%が上位にあげられていることだ。前頁の「キレイな肌とは」の回答でもこれらの項目は上位にあげられており、理想とする「キレイな肌」をメイクで作れることがうまいメイクであると考えているようだ。
次に、日々新しいメイク方法やコスメが出てくる中、どの程度新しいことに取り組んでいるかを調べてみた。結果、この1年で新しく試したメイク方法やコスメがあると答えた人は、10.2%にとどまった。メイクに使う費用も1年前と変わらないという人が73.0%を占める。理由としては、「1年前とメイク用品を変えていないので費用も変化していない」(北海道/20代)など、メイクの仕方が同じだから使う費用も変わらないという意見が多かった。
また、「あまりメイクをしないので」(愛知県/20代)、「(メイク道具を)使わないから」(東京都/20代)など意見が多く、そもそもメイクをしない人が非常に多いことが明らかになった。
多くの女性が自分の肌の状態やスキンケア、あるいはメイクに不満を抱えているにも関わらず、十分な対応ができていないことが浮き彫りになった。また、新しい方法やアイテムを試すことに関しては、消極的な姿がうかがえる。
3. 男性が美人だと思うポイントは「素肌感」
では、男性は女性をどのように見ているのだろうか。今回の調査にあたり、20代、30代、40代の男性各100人を対象に女性を美人だと思うポイントについて聞いてみた。最も多かった答えは、「透明感がある肌」で48.0%、続いて「作りこみすぎていない」39.7%となった。NGだと思うメイクについては、「作りこみ」が36.5%のほか、「アイメイク」18.3%、「つけまつげ」10.6%となり、「つけまつげが、つけている感満載だと怖い」(大阪府/40代)、「ファンデーションやアイラインなどを濃く塗りすぎているメイク」(東京都/20代)、「ほお紅が赤すぎてピエロみたいだった」(東京都/30代)など、やりすぎ感にNGを出す男性が多かった。男性にとっては、ナチュラルな素肌感がポイントとなっているようだ。
そこで、今回の調査結果について「おぐねー」の愛称で親しまれるヘアメイクアーティスト、小椋ケンイチ氏にご意見をうかがった。
4.小椋ケンイチ氏コメント
「肌がきれいだけどメイクで台無しにしている女の子はブス美人。逆にメイクはうまいけど肌の手入れができていない女の子は美人ブス。」
まあなんと世の中「口だけ美人」が多いことか。これだけたくさんの情報が溢れていて、調べようと思ったらいつでも簡単に調べられる。それでもわからない、できない人は、心もブスなっちゃってるわ。スッピンになって鏡に向かえば、いつでもリアルな自分に向き合えるし、お肌の状態も一目瞭然。
まずは全てを受け入れて、そこから対処法を考える。肌がきれいじゃなければお話にならないんだから。メイクでゴマかそうとしている女の子もいるけど、それじゃダメ。表面だけ美人に取り繕った「美人ブス」になっちゃう。もちろん、メイクテクニックも大切。せっかく美肌になっても、メイクで台無しにしちゃったら、今度は「ブス美人」になっちゃうわ。ましてや、メイクをしないなんてありえない。
美肌を手に入れて「ブスブス」から脱出、そうすれば自然にメイクのテクニックも欲しくなるはずよ。そうすればお肌もきれいでメイクもうまい「美人美人」になれるわ。「美人美人」はお勉強すれば手に入る時代なんだから。長く「女」続けないとネ。
【4つのカテゴリーでの分析】
小椋氏からの4つのカテゴリーに分けられるという意見を参考に、今回の調査結果を使用し、「美人美人」「美人ブス」「ブス美人」「ブスブス」の4カテゴリーに分類し、その割合を見てみた。(※注1)
その結果、肌もメイクも美人の「美人美人」は、わずか27.8%しかいない一方で、どちらもできていない「ブスブス」が47.2%と半数近くを占める結果となった。また、肌のお手入れは足りないけどメイクがうまい「美人ブス」が12.7%、逆に肌はきれいだけどメイクで台無しにしている「ブス美人」も12.4%を占めている。
さらに日頃のケアについて見てみると【表1】、スキンケアに使う時間は、いずれも「美人美人」が長く、朝は平均8.9分、夜は平均13.0分だった。これを最も短い「ブスブス」と比較すると朝で3分近く、夜は6分近くの開きが見られる。また、スキンケアに使う費用は、「美人美人」が1カ月平均4386円、次いで「ブス美人」の3617円と続く。「ブスブス」は、1918円と「美人美人」の半分にも満たないことが明らかになった。一方、メイクについても、「美人美人」が最も時間をかけているが、「美人ブス」もほぼ変わらないぐらいの時間をかけている姿が明らかになった。
しかし、メイクに使う1か月の費用は、「美人美人」が最も多く平均3065円をかけているのに対し、「美人ブス」は平均2280円とあまりかけていないという結果であった。【表1】そして、もっとも特徴的だったのは情報収集の姿勢で、「美人美人」になるにつれ、情報収集に積極的な調査結果が表れ【グラフ3】、自らファッション誌や美容雑誌、美容系情報サイトで能動的に情報を集め、研究している姿が浮かびあがってきた。
美しくありたいと思うのは誰しも同じであるが、「美人美人」の実態を見ると、様々なモノや手法であふれる多様化の時代には、自分の“キレイ”に必要な情報をしっかり集めることができるかどうかが大きなポイントになるようだ。
※注1:4つのカテゴリー分類については、肌美人軸にスキンケア設問8問、メイク美人軸にメイク設問8問を使用し作成。回答者の分布の構成比となります。
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調査概要
◆調査名: 「美容に関する意識・実態調査」
◆調査期間: 2012年11月27日(火)~12月4日(火) ◆調査地域:全国
◆調査対象: 20〜30代 女性 2000サンプル ※別途調査 20代~40代 男性 300サンプル
◆調査方法: インターネット調査 ◆調査機関: オリコン・モニターリサーチ
◆調査企画: オリコンDD株式会社
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