Linux Foundation、2016年LiFT奨学金給付対象者発表

The Linux Foundation

From: JCN Newswire

2016-08-18 10:00


SAN FRANCISCO, CA, Aug 18, 2016 - ( JCN Newswire ) - 大規模コラボレーションのための先進プロフェッショナルオープンソースを管理する非営利団体のLinux Foundationは、2016年LiFT (Linux Foundation Training)奨学金の給付対象者を発表しました。LiFTは、世界各国の既存および未来のIT専門家に先進的なオープンソーストレーニングを提供します。

Linux Foundationによる奨学金の給付は、今回で6年目になります。現在までに48件$130,000以上の奨学金が、特別な教育を受ける金銭的余裕の無い現職のIT専門家および志望者に給付されました。奨学金給付対象者は、任意のLinux Foundation研修コースと認定試験を選ぶことができます。

今年Linux Foundationには、14人分の奨学金に対して1,000件以上の応募がありました。もっとも人気のカテゴリは今年もSysAdmin Super Starで、次点はLinux Newbies and Academic Acesでした。応募は6大陸の13~66才の方々から寄せられ、地域や年齢を問わず質の高いオープンソース教育の需要が高いことが明らかになりました。

「私たちは熱意、創造性、イノベーションにあふれる多くの人々から、オープンソースや社会に貢献したいという声をいただきました。」と、Linux Foundation事務局長のJim Zemlinは述べました。「先進的なトレーニングへの奨学金給付は、このような人々に直接役立ち、既存のオープンソースプロジェクトへの貢献や新プロジェクトの立ち上げにつながるだけでなく、彼らからコミュニティへの知識拡散も起こります。この奨学金が触媒となり、オープンソースの成長と繁栄へと続くことを願っています。」

2016年の各カテゴリの奨学金給付対象者は次のとおりです。

Academic Aces
Ahmed Alkabary (カナダ、23才)
Ahmedはレジャイナ大学でコンピュータ科学と数学の学位を取得し、先日卒業しました。彼は2年生の時からLinuxを使い始め、すぐに夢中になり、学外でさらなる学習を始め、スキルを高めました。AhmedはLinuxに熱心に取り組むうち、ついにUdemyの無料コースを開発して他の人たちを教えるまでになりました。このコースは現在までに50,000人が受講しています。今はもう大学を卒業しましたので、AhmedはLinuxシステム管理者として就職したいと考えています。

Tetevi Placide Ekon (ブルキナファソ、24才)
Teteviは、ブルキナファソの2iE Institute for Water and Environmental Engineeringで、土木工学を学ぶ大学院生です。彼は水および環境工学の学士号取得後、大学院に進み、コンピュータ科学、特にオープンソースに熱心に取り組むようになりました。TeteviはすでにLinuxやApache Big Dataシステムなどの無料コースを修了しており、今回の奨学金でさらに上級トレーニングに進む予定です。

Developer Do Gooder
Luis Camacho Caballero (ペルー、42才)
Luisは1998年からLinuxを使用しており、多くの人々によって構築や保守がなされ、協業を通じて知識を深められることに感謝しています。彼は危機に瀕している南米の言語を保護するプロジェクトを開始し、Linuxベースのシステムを使った自動音声認識を通じて、これらの言語をコンピュータシステムに移植しています。彼は最初に取り組んだ祖父母の言語、ケチュア語を2017年末に完了し、さらにアマゾン地域の言語へと手を広げる予定です。

Kurt Kremitzki (米国、28才)
Kurtは、テキサスA&M大学で生物工学および農業工学の課程の最終学年にいます。今年の春、Kurtはユカタン半島のマヤの村を訪れて灌漑システムの設計を手伝い、プロジェクトをさらに前進させました。携帯電話で接続し、オープンソースソフトウェアを搭載したRaspberry Piのシステムを使えば、天気予報とセンサ読取に基づいた自動灌漑システムが作れることに気づいたのです。彼は現在地元メキシコの大学と協業して、このシステムを開発しています。これは彼の夢は技術を使用して、世界の食料需要増大に対応する新しい方法を見つけることですが、今回の開発はその第一歩です。

Linux Kernel Guru
Alexander Popov (ロシア、28才)
AlexanderはLinuxカーネル開発者で、現在までに14のパッチが、メインラインカーネルに受け入れられています。彼は勤め先のPositive Technologiesで、ベアメタルハイパーバイザの開発を手伝いました。これは間もなくオープンソースとなる見込みです。Alexanderはこの奨学金を使ってトレーニングを受ければ、今後はもっと効果的にオープンソースに貢献できると考えています。

Ksenija Stanojevic (セルビア、29才)
Ksenijaがカーネルコミュニティと交流を始めたのは、Outreachyインターンシップの活動後です。彼女はすぐにパッチを提出するようになり、特に多機能デバイスのサポートを向上するために、既存入出力ドライバの分割などに取り組んでいます。彼女はデバイスドライバについてさらに学び、ゆくゆくは自分でドライバを書けるようになりたいと考えています。

Linux Newbies
Yasin Sekabira (ウガンダ、27才)
Yasinは、マケレレ大学コンピュータ科学課程の卒業生で、在学中にLinuxディストリビューションの仕事をする機会がありました。ただし基礎は、edXなどのオンラインリソースの無料Linux入門コースによって独習しました。彼は、コンピュータ科学教育を受けられない地元の子供たちに、技術を教える事業を自力で始めようと、手続きをしています。

Lorien Smyer (米国、52才)
Lorienは元簿記係で、コンピュータ科学で新しいキャリアを始めたいと考えています。彼女は6か月間の短期集中ウェブ開発研修を修了し、続けてedXのLinux入門を受講して100%の成績を達成しました。彼女はこの奨学金を利用してさらにトレーニングを受け、好きなコーディングを思い切りできる仕事を見つけるチャンスをふやしたいと考えています。

SysAdmin Super Star
Jacob Neyer (米国、20才。在ヨーロッパ米国空軍所属)
Jacobは米国空軍のサイバースペース運用技術者として、Linuxサーバーの管理をしています。彼は、新規アプリケーション実装を検討する際に、上司にオープンソースを候補として勧めました。LiFT奨学金を使って先進的トレーニングを受講し、さらに高度な提案ができるようになりたいと考えています。

Sumilang Plucena (フィリピン、33才)
Sumilangはフィリピン最大の病院のシステムアナリストで、職場のすべてのサーバーでLinuxを実行しています。彼はオープンソースを独習し、診療記録の追跡のため、OpenMRSなどのアプリケーションの展開を手伝いました。彼は今回の奨学金でさらにトレーニングを受ければ、病院のITシステムの効率を向上でき、最終的には患者の受ける医療の質が向上されるだろうと考えています。

Teens-in-Training
Sarah Burney (米国、13才)
Sarahはメリーランド州のミドルスクールの8年生ですが、すでにジョンズ・ホプキンス大学でデータサイエンスコースと、いくつかのコーディング課程を修了しました。彼女は、データサイエンスアプリケーションのサポートにLinuxを使用することに興味があります。Sarahは、今回の奨学金が彼女の学習に対する投資であり、Linuxとオープンソースへの貢献を通じて、徐々に返すことができると考えています。

Florian Vamosi (ハンガリー、15才)
Florianはグラマースクールの生徒で、10才の時からLinuxを使っています。彼は学校の仲間とともに、地元カポシュヴァールの町のイノベーションコンテストに参加し、Raspberry Pisを使い、天気の様子をモニタし、自動的に特定の作物のニーズに合わせて補正するモジュール式農業自動化システムで優勝しました。彼は天文学研究で星の分類を行うため、色認識システムのイノベーションと取り組みを続けています。

Women in Linux
Shivani Bhardwaj (インド、22才)
Shivaniは先日コンピュータ科学課程を卒業しましたが、すでにLinuxカーネルのステージングドライバに75件のパッチが受諾されています。彼女はOutreachyインターンシップを修了しており、オープンソースの道に進む上でガイダンスとメンターシップが大切なことを理解しました。この奨学金で得た知識を使って、開発関係に就職し、メンターを必要とする女性たちに知識を伝えたいと考えています。

Farlonn Mutasa (南アフリカ、21才)
Farlonnは叔父からLinuxの存在を教えられ、すぐに夢中になりました。彼女は独学でCompTIA Linux+認定試験に合格し、南アフリカのインターンシップの参加資格を得ました。Farlonnはインターンとして学ぶため、生まれ故郷のジンバブエに住む家族の元を離れましたが、インターン期間終了後、南アフリカのIT業界では就職が難しいことに気づきました。Farlonnはこの奨学金を使ってトレーニングを受ければ、オープンソース分野で安定したキャリアを進むだけのスキルを得られると考えています。

Linux Foundationはさまざまなコミュニティ施策や企業の、先進的な無料オープンソースソフトウェアをサポートし、技術やオープンソースコミュニティの多様化を推進しています。トレーニングやイベント奨学金の提供や、Women Who CodeやGoodwillなどの団体と協業を通じて、Linux Foundationは、技術およびオープンソースコミュニティの多様化という目標の達成を支援しています。

追加資料

2016年LiFT奨学金給付対象者の写真は (リンク ») からダウンロードできます。

Linux Foundationについて

Linux Foundationは、世界一流の開発者や企業が、オープン技術開発や商業的普及の短期化のためのエコシステムの構築に選ぶ団体です。市場最多の共同技術投資を創出して、世界のオープンソースコミュニティとともに、困難な技術的問題の解決を行っています。2000年に設立されたLinux Foundationは現在、オープンソースプロジェクトの規模を拡大するため、ツール、研修、イベントなどを提供としています。これらは、ひとつの企業だけでは成し遂げられないほどの経済的な影響を与えています。詳しい情報は www.linuxfoundation.org にあります。

Linux Foundationには、登録商標と商標があります。Linux Foundationの商標リストは、商標使用ガイドラインのページをご覧ください。 (リンク ») LinuxはLinus Torvalds の登録商標です。

メディアお問い合わせ先:
Dan Brown
The Linux Foundation
dbrown@linuxfoundation.org
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