CallidusCloudの2017年度の売上は2億5,310万米ドルとなり、そのうちサブスクリプション売上は1億9,820万米ドルで、年間で31%の成長率となっています。2018年度第1四半期の業績報告では、CallidusCloudを含めた2018年度の見通しを修正してお知らせする予定です。
CallidusCloudによってSAPのフロントオフィススイートを強化
CallidusCloudを買収したことで、SAPの新しいフロントオフィススイートの構想が完成します。この構想では従来のCRMをさらに拡張し、以下の要素で構成されたインテリジェント・カスタマーエクスペリエンス・スイートを提供することを目指しています。
• CallidusCloudソリューション:Lead-to-Cash(リードから請求まで)のプロセス、報酬、キャリアの成功を目指す営業スタッフを支援するツールを提供
• Gigyaソリューション:マーケティング、セールス、サービスにデジタルアプローチを採り入れ、顧客データを適切に収集・管理することで、オンライン上で接点のある顧客との信頼関係を築けるよう支援
• SAP Hybris Marketingソリューション:充実したデータに基づいたアプローチを行い、マーケターが購入プロセス全体において、購買者へ働きかけられるよう支援
• SAP Hybris Serviceソリューション:顧客への最適なサービス提供方法を予測することで、顧客の維持を支援
• SAP Hybrisオムニチャネルコマース機能およびレベニュー機能:あらゆるチャネル、あらゆるデバイスで購買者に働きかけ、即時に取引を自社の収益と成長につなげられるよう支援
今回の発表について、SAPのエグゼクティブボードメンバーでクラウドビジネスグループのプレジデントであるロバート・エンスリン(Robert Enslin)は、以下のように述べています。「SAPはフロントオフィスとバックオフィスをつなぎ、それをデジタルの中核となるシステムと連携させることでCRMを再定義しています。当社はSAP Hybrisソリューションによって、市場で最もパワフルといえるカスタマーエクスペリエンス・スイートを実現しています。当社のCRMをCallidusCloudによって強化することで、エンドツーエンドのインテリジェント・カスタマーエクスペリエンス・スイートを提供するという戦略を実現することができます。お客様がフロントオフィスをSAP Cloud PlatformベースのSAP S/4HANA®に統合すれば、インテリジェントなデジタルビジネスの経営を望むCEOがまさに求めている方法となるでしょう」
Callidus Software Inc.のCEOであるレスリー・ストレッチ(Leslie Stretch)は、以下のように述べています。「デジタルビジネスで勝利することとは、でき得る限り最高のカスタマーエクスペリエンスを届けることです。それに成功するのは、営業チームにデータとインテリジェンスをもたらすことのできる企業のみとなるでしょう。そうした企業は、受注に関するマーケティングに関わるインサイトを考察したり、製造や在庫情報にリアルタイムでアクセスしたりできるようになるため、お客様は個々の構成や納品日のみを考慮すれば良いだけとなります。CallidusCloudの顧客として製品を利用してきたSAPでは、実際に販売の生産性を50%向上させました。そして、今回のパートナーシップによって、既に構築された膨大な機能がSAPのポートフォリオに統合されています。両社が1つになったことで、営業部門のデジタル変革を支援する、統合ソリューションをすぐに提供できる準備が整いました」
市場の意見
• The 56 Groupの創業者/マネージングプリンシパル、ポール・グリーンバーグ(Paul Greenberg)氏:「2017年後半のGigyaと今回のCallidusCloudという2件の買収は、この数年の中で最も素晴らしい買収かもしれません。また、この買収は、SAPが顧客中心という軸からぶれないようにしていることを示しています。つまり、SAPは同社が保有するバックオフィスを捨て去るわけではないものの、その遺産から離れ、ソーシャル上の共感を意識した顧客中心の企業として、それを実現できるエコシステムを活用して新たな地位を確立しようとしているのです」
• 451 Researchのカスタマーエクスペリエンスおよびコマース担当調査ディレクター、シェリル・キングストーン(Sheryl Kingstone)氏:「この市場では、レガシーの導入環境を入れ替える時期を迎えています。そうした環境は、事前に決められたルールに頼っていますが、そのルールはメンテナンスが難しく、コストもかかります。今回、CallidusCloudがSAPにもたらした将来的なソフトウェア資産は、Quote-to-Cash(見積から請求まで)のプロセスを高速化して動的な価格設定を容易にするだけでなく、営業スタッフを適切に導きながらモチベーションを引き出すツールです。このツールは、収益性、在庫回転率などのビジネス目標を最大限に実現するために活用でき、販売に特化したインテリジェンスを提供します」
• Callidus Software Inc.を買収したことで、SAPは営業実績管理(SPM)市場のリーディングカンパニーとなりました。さらに、CPQ市場のリーディングカンパニーでもあります。詳しくは下記の文書をご覧ください。
※ 「The Gartner 2018 Magic Quadrant for Sales Performance Management」 (2018年1月15日)
※ 「Forrester Wave: Configure-Price-Quote Solutions, Q1 2017」
製品のリリース情報について
CallidusCloud製品について、SAPは引き続きレスリー・ストレッチの指揮の下、SAP Hybrisクラウドポートフォリオに統合する計画です。統合されるポートフォリオは、営業支援システム、営業実績管理、セールスイネーブルメント、販売実行(CPQおよびサブスクリプション請求)を含む総合的なものとなります。既存のマネージメントチームが継続してCallidusCloudの指揮を執り、サードパーティ導入とCallidusCloudソリューションとの統合を支援します。CallidusCloudソリューションはスタンドアロン版およびSAPソリューションと組み合わせたパッケージ版として販売する予定です。
インテリジェント・カスタマーエクスペリエンス・スイートに関するSAPの計画や、既存および将来のお客様に向けたロードマップについては、2018年6月に開催されるお客様向け年次イベント、SAPPHIRE NOW®カンファレンスで発表いたします。
SAP Hybrisについての詳細は、ニュースセンターをご覧ください。SAPについての詳細は、SAPプレスルームをご覧いただくか、Twitterでは@sapnewsでSAPをフォローしていただけます。
(本リリースは、4月5日に弊社本社から発表された発表文の抄訳です)
用語解説
SAP Hybrisについて
SAP Hybrisの提供するオムニチャネルのカスタマーエンゲージメント&コマース・ソリューションは、企業が顧客のコンテクストをリアルタイムで理解し、関連性が高く、かつインパクトのあるカスタマーエクスペリエンスを提供できるよう支援するとともに、すべてのタッチポイント、チャネルそしてデバイスを通じて商品、サービスおよびデジタルコンテンツの販売促進を支援します。世界有数の企業に対して、最先端の顧客データ管理、コンテクストに即したマーケティングツ ール、統合化コマース処理を提供し、利益をもたらす優良顧客の獲得、維持、拡大を支援しています。SAP Hybrisのカスタマーエンゲージメント&コマース・ソリューションスイートは、チャネルをまたがった顧客情報の統合化ビューの提供、カスタマーエンゲージメントの実現、そして複雑な業務課題を解決するための基盤、フレームワーク、ビジネスツールを提供します。詳細はwww.hybris.com/ja/をご覧ください。
*SAP Hybrisは2016年1月に新しく発表したブランド名です。カスタマーエンゲージメント&コマースに特化したSAPの代表的なソリューションであり、hybris AGより取得した製品、従業員および事業を示します。hybris AGは、SAPとの統合完了まで合法的な法人として継続します。
SAPについて
エンタープライズアプリケーションソフトウェアのマーケットリーダーであるSAP(NYSE: SAP)は、規模や業種を問わず、あらゆる企業の業務改善を支援しています。SAPは、市場での優位性を保持しようとする企業が、バックオフィスや役員会議室、倉庫や店頭、さらにはデスクトップ環境やモバイル環境で、協業の効率を高め、より的確なビジネス判断を行うためのさまざまなソリューションを提供します。継続的な収益性の高い事業を実現することに貢献するSAPのアプリケーションやサービスは、世界各国の378,000社以上の企業と公的機関のお客様に利用されています。詳しくは、www.sap.comをご覧ください。
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