2022年 中堅・中小企業におけるIT商材/ソリューション別の年間IT支出額と市場規模
調査設計/分析/執筆:岩上由高
ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は有効回答件数1300社のユーザ企業を対象とした調査を元に中堅・中小企業におけるIT商材/ソリューション別の年間IT支出額と市場規模を算出した。本リリースは「2022年版中堅・中小企業のIT支出と業務システム購入先の実態レポート」のサンプル/ダイジェストを掲載したものである。
<「市場規模=企業数×導入割合×支出額」であるため、導入割合や支出額の動向も把握することが大事>
■中堅・中小企業の年間IT市場規模は2兆700億円、サービス化への変化はこれからが本番
■IaaS/ホスティング市場は中堅企業の比率が高いが、NW機器では中小/小規模企業が高い
■基幹系システムは投資意向が高いが、更新/刷新が主体のため支出額は相対的に低くなる
対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 (リンク »)
■中堅・中小企業の年間IT市場規模は2兆700億円、サービス化への変化はこれからが本番
本リリースの元となる調査レポート「2022年版中堅・中小企業のIT支出と業務システム購入先の実態レポート」では有効回答件数1300社のユーザ企業を対象とした調査結果を元に、5カテゴリ/25項目に渡るIT商材/ソリューション毎に1社当たりの年間支出額を算出し、さらに実企業数を踏まえたIT市場規模を年商別/業種別/地域別に集計している。 以下のグラフは調査レポートの中から、カテゴリ毎のIT市場規模を中堅・中小企業全体で集計した結果を抜粋したものだ。(カテゴリの定義および各カテゴリに含まれるIT商材/ソリューションの詳細は次頁を参照)
中堅・中小企業全体のIT市場規模は2兆700億円となっており、カテゴリ毎の内訳はDX関連ソリューション(DXに限らない各種のITソリューションを含む)が8060.9億円で最も多く、業務アプリケーション(4546.2億円)およびハードウェア(4401.6億円)、さらにクラウドサービス(1965.0億円)とその他のサービス(1551.0億円)が続いている。(どのカテゴリにも属さない「その他」は221.5億円)(市場規模の算出方法は右記の調査レポート案内の6頁を参照 (リンク ») ) 上記の結果から、「所有から利用へ」の変化が進みつつある中においても、市場規模の観点では依然として、ソリューション >製品(業務アプリケーションやハードウェア) > サービスの順となっており、中堅・中小企業のIT活用におけるサービス化に向けた変化はこれからがむしろ本番といえる。次頁以降では年商別と業種別に集計したIT市場規模や年間IT支出額の留意点に関する分析結果の一部をサンプル/ダイジェストとして紹介している。
■IaaS/ホスティング市場は中堅企業の比率が高いが、NW機器では中小/小規模企業が高い
本リリースの元となる調査レポートにおいて年間IT支出額や市場規模の算出対象となっているIT商材やソリューションは以下の通りである。<<>>で記載された5つのカテゴリに分類された計25項目(「その他」は除く)から構成されており、ソリューション、ソフトウェア、ハードウェア、サービスといった中堅・中小企業におけるIT支出の対象となる一連の項目が網羅されている。
<<DX関連ソリューション>>
コミュニケーション改善: 例)Web会議サービスを利用した営業/セミナー、アバターを利用した仮想オフィスなど
ペーパレス化: 例)契約/取引に関する書類の電子化、スマホアプリを利用した広告やチラシの電子化など
既存システムの改善/刷新: 例)RPAによるシステム統合/連携、業種特化型SaaSの活用など
デジタル接客の取り組み: 例)ライブコマースの活用、Webサイトやアプリを通じた顧客の嗜好/ニーズの把握など
センサ+AIによるデータ分析: 例)IoTセンサによる製造ラインの効率改善、店舗/施設での顧客の動線分析など
ドローンの活用: 例)立ち入り困難な高所や設備のカメラ撮影による点検、離島/過疎地での空輸など
ウェアラブルの活用: 例)スマートグラスを用いた遠隔サポート、リストバンドを用いた健康状態の把握など
3Dプリンタの活用: 例)製品、建物、食品の一体成形による製造、グッズやレプリカの制作など
ロボットの活用: 例)自走型ロボットによる清掃/配膳の自動化、協働型ロボットによる業務改善など
法制度に関連した取り組み: 例)改正電子帳簿法、改正個人情報保護法、改正育児介護休業法への対応など
※ << DX関連ソリューション>>は選択肢の内容からも分かるように、実際にはDXに限らない幅広いITソリューションを対象としている。
<<業務アプリケーション(パッケージ/クラウドの双方を含む)>>
基幹系システム: ERP、会計管理、販売管理、人事給与管理、生産管理など
情報系システム: グループウェア、ワークフロー、ビジネスチャット,Web会議など
顧客管理系システム: CRM(SFAおよびマーケティングオートメーションなども含む)
分析/出力系システム: 業務システムのデータを集計/分析/出力するBIや帳票など
運用管理系システム: セキュリティ、資産管理、システム監視、バックアップなど
※ <<業務アプリケーション>>にはパッケージ/クラウド双方が含まれる。例えば、SaaS形態の会計サービスを利用している場合には<<業務アプリケーション>>の「基幹系システム」と<<クラウドサービス>>の「SaaS」の両方が該当するが、年間IT支出額や市場規模では重複が除かれるように算出を行っている
<<ハードウェア>>
サーバ/ストレージ機器: IaaS/ホスティング(機器を所有していない場合)は除く
PC/スマートフォン/タブレット: DaaSなどのように端末を所有していない場合は除く
ネットワーク機器: スイッチ、ルータ、無線LAN基地局、ファイアーウォールなど
複合機: コピー、FAX、プリンタ、スキャナを兼ねた機器
<<クラウドサービス>>
IaaS/ホスティング: ハードウェア基盤(サーバ/ストレージなど)をサービスとして提供するもの
PaaS: ミドルウェア(データベースなど)や開発環境をサービスとして提供するもの
SaaS: 業務アプリケーションをサービスとして提供するもの
<<その他のサービス>>
データセンタサービス: ハウジング環境(所有するIT機器を稼動させる設備)の提供
IT関連アウトソーシング: 業務システムの管理/運用を請け負うサービス
業務アウトソーシング: 実業務を請け負うサービス(コールセンタ業務など)
<<その他>>
その他: 上記のいずれにも該当しないIT商材やソリューション
以下のグラフは上記に列挙した25項目のIT商材/ソリューションの中から、「デジタル接客の取り組み」、「情報系システム」、「ネットワーク機器」、「IaaS/ホスティング」の市場規模を年商別および業種別に集計した結果を抜粋したものだ。年商別の市場規模(左側)を見ると、「情報系システム」では中堅企業層(年商50~500億円)と中小/小規模企業層(年商50億円未満)の比率が概ね1:1となっているが、「デジタル接客の取り組み」ならびに「IaaS/ホスティング」では中堅企業層の比率が高く、逆に「ネットワーク機器」では中小/小規模企業層の比率が高くなっている。このようにIT商材/ソリューションによって、市場規模に占める割合の高い年商規模が変わってくる点に注意する必要がある。一方、業種別の市場規模(右側)ではいずれの項目も一般サービス業の占める割合が高い。これは一般サービス業の企業数が最も多いことが主な要因だが、IT商材/ソリューションによっては市場規模に占めるこれらの比率も変わってくる。ここでは4つのIT商材/ソリューションの市場規模を年商別/業種別に集計した結果を抜粋したが、調査レポートには25項目に渡るIT商材/ソリューションの市場規模を年商別/業種別/地域別に集計した結果が収録されている。次頁では年間IT支出額に関する分析結果を紹介している。
■基幹系システムは投資意向が高いが、更新/刷新が主体のため支出額は相対的に低くなる
さらに本リリースの元となる調査レポートでは前頁に掲載した市場規模の基礎データとなる年間IT支出額についても、25項目に渡るIT商材/ソリューション毎かつ年商別に算出している。以下のグラフは<<業務アプリケーション>>カテゴリに属する5項目の年間IT支出額を調査レポートから抜粋したものだ。(年間IT支出額の算出方法は下記の調査レポート案内の5頁および9頁を参照 (リンク ») )
一方で、 以下のグラフは<<業務アプリケーション>>カテゴリに属する5項目の導入割合(投資意向)を尋ねた結果を中堅・中小企業全体で集計したものだ。 「基幹系システム」は導入割合(投資意向)では<<業務アプリケーション>>カテゴリの中で最も高い値を示しているが、年間IT支出額ではいずれの年商帯においても他の項目と比べて概ね値が低くなっている。「基幹系システム」の導入率が高いため、新規導入よりも更新/刷新が多くなりやすいことが主な要因と考えられる。そのため、IT企業が新規の顧客開拓に取り組む際には導入率は高いが更新/刷新が多い「基幹系システム」の代替として、導入率は低いが新規導入が見込めるその他の業務システムを選択した方が良い場合もある点に注意が必要だ。このように市場規模は「企業数」「導入割合」「支出額」の積算で決まるため、これら3つのパラメータの傾向も把握しておく必要がある。調査レポートではそうした観点での詳しい分析と提言を述べている。
本リリースの元となる調査レポート
『2022年版 中堅・中小企業のIT支出と業務システム購入先の実態レポート』
1300社の中堅・中小企業に”どの販社/SIer”から、”何のIT商材やソリューション”を”幾らの金額”で導入/購入しているか?を尋ねた結果を集計/分析し、IT支出と業務システム購入先の実態を明らかにした必携書
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の章構成】
本調査レポートは多数の集計データ(Microsoft Excel形式)と分析/提言の内容をまとめた「分析サマリ」(PDF形式)によって構成されている。本調査レポートで分析/提言の対象となっている内容やテーマは以下の分析サマリの章構成を見ることで
確認できる。
第1章: 販社/SIerの導入社数シェア
中堅・中小企業がIT商材やソリューションを購入/導入する際の委託先/購入先となる販社/SIerの社数シェアを企業属性別(年商、業種)およびプライム率(最も主要な委託先/購入先となっている割合)との関連性などの観点で分析している。社数シェアを尋ねる設問の選択肢(具体的な企業名+「その他」)は計69項目に及ぶ。
第2章: IT商材やソリューションの導入比率
中堅・中小企業が購入/導入するIT商材やソリューションを「DX関連ソリューション」「業務アプリケーション」「ハードウェア」「クラウドサービス」などの5カテゴリ、計25項目に渡って尋ね、どのようなIT商材やソリューションが多く導入されているのか?を年商別や業種別に分析している。
第3章: IT商材別/ソリューション別の年間平均支出額
第2章で導入比率を分析した5カテゴリ、25項目のIT商材やソリューションについて、1年間の平均支出額を年商別に算出した結果を分析している。
第4章: 中堅・中小企業における年間IT支出の市場規模
第2章と第3章の結果を元に、中堅・中小企業における年間IT支出の市場規模を5カテゴリ、25項目のIT商材/ソリューション毎に算出し、さらにそれらを年商別、業種別、地域別に集計している。
第5章: ユーザ企業から見た販社/SIerの評価
最も主要な販社/SIer(直近3年間で導入したIT商材やソリューションの合計額が最も高い委託先/購入先)について、利点/評価点および課題/不満点を尋ねた結果を集計し、ユーザ企業の評価を高めて社数シェアを拡大するために販社/SIerが取り組むべき事柄について提言している。
【レポート案内(設問項目、試読版など)】 (リンク »)
【発刊日】 2022年11月14日
【価格】 180,000円(税別)
本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
引用・転載のポリシー: (リンク »)
当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。