ノークリサーチは4月16日、中堅・中小企業における「データ処理の自動化」および「RPA(Robotic Process Automation)」に関連するITソリューションにおける投資動向の調査結果を発表した。
ノークリサーチは、RPAに該当するITソリューションを「PC操作内容の記録による自動化」「業務フローの定義と連携による自動化」「AIによる高度な内容判断を伴う自動化」「チャットの内容を理解した情報検索」「音声分析による議事録の自動作成」の5つに分類する。このうち、「PC操作内容の記録による自動化」と「業務フローの定義と連携による自動化」は、決められたルールに従って実行される従来型の業務プロセス(Rule-based Task)を自動化するという意味で「Traditional RPA」(ルールに基づく自動化)と呼ばれるという。
一方、「AIによる高度な内容判断を伴う自動化」は、メール文面の中身に応じて対応を決めるといったように、ヒトによる判断が必要な業務(Judgemental Task)を自動化するという意味で、「Cognitive RPA」(認識/推論を伴う自動化)と呼ばれる。
調査では、RPAのうち「PC操作内容の記録による自動化」の導入を予定している企業は、従業員数100人未満では2割未満にとどまったが、従業員数が100〜300人の企業では26.0%、500〜1000人の企業層では36.7%と高い値を示す結果となった。また、「チャットの内容を理解した情報検索」に関して、望ましいと考えるシステム形態について尋ねたところ、「導入予定(クラウド形態)」の43.1%が「導入予定(オンプレミス形態)の25.3%を大きく上回った。チャットを用いた情報検索ではインターネット上のさまざまな情報も参照する必要があるため、クラウド形態による導入が適合しやすいものと考えられるという。
一方で「チャットの内容を理解した情報検索」におけるスマートデバイス利用の有無を尋ねた結果では、「導入予定(スマートデバイス利用有)」の37.8%方が「導入予定(スマートデバイス利用無)」の30.7%よりも高い回答割合を示したが、その差は10ポイント未満にとどまっている。
「データ処理の自動化」に関して、導入予定割合と初年度合計費用の関係を調べたところ、「AIによる高度な内容判断を伴う自動化」が両方において高い値を示した。今後は、既に導入が進みつつある「Traditional RPA」に続いて、「Cognitive RPA」が有望なITソリューションになっていくとノークリサーチは予想している。