ノークリサーチは、5月7日、中堅・中小企業におけるクラウド種別(IaaS/PaaS/SaaS)と選択理由と課題の変化動向に関する調査結果を発表した。中堅・中小企業のクラウド選択は、今後は「SaaS形態のみ」が減少し、「オンプレミスとIaaS/PaaS/SaaSの組み合わせ」が増加するという。
同調査は、年商500億円未満の中堅・中小企業700社に対して実施された。調査期間は2018年1月〜2月。有効回答件数は700件。
ITソリューション活用に伴うクラウド導入(「導入済み」および「導入予定」)をたずね、それらのクラウド種別を回答をしてもらった結果、「導入済み」と「導入予定」を比べると、「オンプレミスとIaaS/PaaS/SaaS形態の組み合わせが」増える一方で、「SaaS形態のみ」が減っているのが分かった。
導入済み/導入予定のシステム形態(クラウド/オンプレミス)
この結果に対し、同社ではベンダーや販社/SIerにとっては、オンプレミスとクラウドを適材適所で使い分ける提案が今後は重要になっていくと予想されるとしている。また同調査では、クラウドを選択する理由が「コスト削減」から「プログラミングレス」や「高度なセキュリティ」へ変化していることも分かった。
システム形態としてクラウドを選んだ理由(複数回答可)(一部項目のみ抜粋)
システム形態としてクラウドを選んだ理由(「導入予定」と「導入済み」の回答割合差分)(一部項目のみ抜粋)
「クラウドを選択した理由」の中で、「H/WやM/Wの調達/設置が不要」といったコスト面でのメリットを挙げる割合は依然として高いが、「プログラミングせずにアプリケーションが作成できる」という項目も目立つ結果となった。
この回答結果を「導入済み」と「導入予定」に分け、「導入予定」の回答割合から「導入済み」の回答割合を差し引いた差分を算出すると、今後は「プログラミングせずにアプリケーションが作成できる」や「高度なセキュリティを実現できる」といった選択理由がコスト面でのメリットを上回る可能性が高いという結果となった。
また、調査対象企業を「小規模企業層(年商5億円未満)」「中小企業層(年商5〜50億円)」「中堅企業層(年商50〜500億円)」の3つの区分に大別し、「導入済み」および「導入予定」のIaaS/PaaS事業者をたずねた結果、「PaaSへの注力度」が国内IaaS/PaaS事業者における今後の導入の伸びと関連している兆候が見えるとした。