マクニカ、NEXTAGEと植物工場のDXと販売における資本業務提携を締結

~専門知識不要でわさびの促成栽培可能なコンテナ型植物工場の共同開発~

株式会社マクニカ

2023-02-22 10:00

半導体、ネットワーク、サイバーセキュリティ、AI/IoTにおけるトータルサービス・ソリューションプロバイダーの株式会社マクニカ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:原 一将、以下マクニカ)は、『ALL JAPAN MADEの植物栽培技術を世界へ』を合言葉に、わさびの自動栽培ソリューションの開発に取り組んでいるアグリテックベンチャーの株式会社NEXTAGE(本社:東京都目黒区、代表取締役:中村 拓也、以下NEXTAGE)と、植物工場のDXと販売における資本業務提携を締結したことを発表いたします。この提携により、コンテナ型植物工場の共同開発を通じて持続的・安定的な食料供給の実現に貢献いたします。
昨今、少子高齢化による生産人口の縮小や農業の採算性が不安といった要因で、農業就労人口が減少しています。さらに、台風や日照などの気候変動は収穫量に大きな影響を与え、安定した生産が困難になっています。
 こうした中、わさびについては、伝統的な栽培技術に加え、適切な水温と綺麗な水といった環境が重要なため、静岡県、長野県、岩手県などの一部地域でのみ栽培されています。そのため新規参入が難しく、近年も生産量が大きく減少しており、2005年のわさび生産量4,615t に対し、2020年は2,017t*1となっています。また気候変動の影響も強く受けており、2022年9月には台風15号によって静岡市内のわさび田は大きな被害を受けました。一方、日本食ブームの影響など海外におけるわさびの需要は増加し、現地企業での栽培も行われており、日本国内に比べかなり高い価格で取り引きされる地域もあります。

 NEXTAGEは、日本の食文化において貴重かつ海外においても需要が増えているわさびの供給を補うため、屋内閉鎖型環境による安定生産が可能な植物工場の開発を進めてきました。従来のレタスなどの葉菜類の植物工場では、大量生産、大量販売をしないと収益性の担保が困難でしたが、促成栽培により栽培期間を短縮することでコンパクトながら収益の確保できるコンテナ型植物工場を実現しています。

 マクニカは、AIとセンシングによるテクノロジーの組み合わせでレシピ(栽培計画)の探索や管理が可能な植物工場向けサービス「Farmalize by macnica.ai*2(以下Farmalize)」を提供しています。Farmalizeは、各テクノロジーを適切に組み合わせることで温湿度、日射量、CO2量、水温といった「環境データ」を取得し、Webアプリで可視化します。また、カメラを使って取得した画像データとAIモデルによって、植物の葉の密度、葉の色、茎のサイズといった「生育データ」を検出し、環境データと突合することで最適なレシピ(栽培計画)を分析・更新・保存することができます。

 今回マクニカは、NEXTAGEの植物工場にFarmalizeで提供するシステムを導入することで、AIとセンシングを活用したわさびのレシピ(栽培計画)探索と栽培管理を支援します。適切な栽培管理を生産者にリアルタイムに共有することで、植物工場参入に必要な専門知識を不要にします。また、生育データをもとに、作物の味や促成栽培の分析を可能にします。さらに、10社以上の農業DXを支援して得られたセンシングの知見を活かし、高精度センサー、自動収穫ロボット、植物育成用LED等にAI/DXを組み合わせることで、設備を含めたトータルコストを最適化します。

【マクニカが目指すわさび量産サイクル】

【わさびのコンテナ型植物工場の様子】

 今後マクニカは、Farmalizeを始めとした当社技術を付加したわさび用コンテナ型植物工場を2023年秋頃目途に完成させ、国内総代理店として販売を開始する予定です。同工場を共同開発することで、コンテナ型植物工場の収益性改善と新規参入者を促進し、持続的・安定的な食料供給の実現に貢献してまいります。将来的には、海外市場展開も見据えた作物の販路拡大のためのグローバルサプライチェーンの構築の支援も行い、世界中に高品質なわさびを安定供給することを目指します。

左から、株式会社マクニカ テクスター カンパニー ソリューションビジネス推進室 荒木 真一、新事業本部長 森 重憲、テクスター カンパニー プレジデント 千賀 航二、株式会社NEXTAGE 代表取締役 中村 拓也 氏、事業開発室長 兼 ビジネス推進支援サービス部 部長 佐久間 麻守 氏

*1 農林水産省 特用林産物生産統計調査 確報 令和2年特用林産基礎資料
   (リンク »)
*2 Farmalize by macnica.ai(ファーマライズ バイ マクニカドットエーアイ)
植物工場の農作物レシピ(栽培計画)探索と、栽培管理を支援するサービスです
詳細はこちら: (リンク »)

【本件に関するお問合せ先はこちら】
株式会社マクニカ フード・アグリテック事業担当
Tel:045-470-9841
e-Mail:mac-agritech@macnica.co.jp


※本文中に記載の社名及び製品名は、株式会社マクニカおよび各社の商標または登録商標です。
※ニュースリリースに掲載されている情報(製品価格、仕様等を含む)は、発表日現在の情報です。 その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご承知ください。

株式会社NEXTAGEについて

株式会社NEXTAGEは『ALL JAPAN MADEの植物栽培技術を世界へ』を合言葉に、わさびの自動栽培ソリューションの開発に取り組んでいるアグリテックベンチャー企業です。
代表の中村拓也が毎年旅行で訪れていた地域のわさび田の荒廃を目の当たりにし、強い懸念を持つようになったことをきっかけに、日本の食だけでなく、文化や技術を伝え、様々な企業の方々と繋がり、日本が誇る「わさび文化」の継承と発展、100年後の未来の子供たちに「本物のわさび」を残していきたいという想いで、屋内環境での人工光による栽培(=植物工場栽培)をスタートし、試験栽培と商品化に取り組んでおります。これまで蓄積してきたわさびの植物栽培工場における栽培技術と知見を活かし、皆さまと共に、ALL JAPAN MADEの植物栽培ソリューションを世界へと展開して参ります。詳細はWebサイト( (リンク ») )をご覧ください。

株式会社マクニカについて

マクニカは、1972 年の設立以来、最先端の半導体、電子デバイス、ネットワーク、サイバーセキュリティ商品に技術的付加価値を加えて提供してきました。従来からの強みであるグローバルにおける最先端テクノロジーのソーシング力と技術企画力をベースに、AI/IoT、自動運転、ロボットなどの分野で新たなビジネスを展開しています。「Co.Tomorrowing」をスローガンに、最先端のテクノロジーとマクニカが持つインテリジェンスをつなぎ、ユニークなサービス・ソリューションを提供する存在として、社会的価値を生み出し未来社会の発展へ貢献していきます。当社は、横浜に本社を構え、世界24か国/地域80拠点をベースにグローバルなビジネスを展開しています。詳細はWebサイト( (リンク ») )をご覧ください。

<本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先>
株式会社マクニカ   (リンク »)
コーポレートマーケティング統括部 広報室 宮原、磯崎 e-Mail:macpr@macnica.co.jp
〒222-8561 横浜市港北区新横浜1-6-3 マクニカ第1ビル

このプレスリリースの付帯情報

【マクニカが目指すわさび量産サイクル】

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