通信基地局向け低誘電材料「Smart Cellular Board(R)」を開発

古河電気工業株式会社

From: Digital PR Platform

2024-05-20 11:03


● 比誘電率と誘電正接の低減と軽量化を実現した低誘電材料を開発
● 当社独自の成形技術、組成開発でエンジニアリングプラスチックなどの耐熱性が高い樹脂への気泡生成が可能
● 今後も当社独自技術を生かした製品開発により、Beyond 5G/6G社会の実現に貢献

 古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:森平英也)は、微細発泡により比誘電率(Dk)と誘電正接(Df)の低減と軽量化を実現した低誘電材料「Smart Cellular Board(R)(SCB(R))」を開発しました。

■背景
 「高速・大容量」「高信頼性・低遅延」「多数同時接続」といった特徴を持つ5G通信の実現には、通信周波数として、Sub6に加え、周波数が高く帯域幅が広い準ミリ波帯が割り当てられています。今後の導入が予定されているBeyond 5G/6Gにおいては、さらに高周波で広帯域な周波数帯が採用される見込みであることから、基地局の筐体であるレドーム(レーダーのアンテナを格納し、風雨や太陽光から保護するためのカバー)やアンテナ基板、移相器基板において、より効率的に電波や信号を伝えることができる低誘電な材料が求められています。




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図1 通信基地局アンテナ模式図

■内容
 当社独自技術により、板状の低誘電材料であるSmart Cellular Board(R)(図2)を開発しました。エンジニアリングプラスチックやスーパー・エンジニアリングプラスチックなどの耐熱性が高い樹脂に気泡を生成することで、もともと低誘電な様々な樹脂をさらに低誘電化することができます。また、発泡により材料の密度が低下するため、基地局部材の軽量化にも貢献します。
 従来、通信基地局のレドームには、ソリッド(非発泡)な樹脂材料が用いられてきましたが、Smart Cellular Board(R)は微細気泡の充填により比誘電率(Dk)と誘電正接(Df)を低減させることで電波透過性のさらなる向上を実現し、密度の低下によるレドームの軽量化にも貢献します(図3・4)。また、優れた成形性・加工性により様々な形状で提供することが可能です(図5)。
 Beyond 5G/6Gにおける高周波帯では、通信基地局のアンテナ部やRF部にアンテナ周波数と同じ高周波信号が流れるため、従来の低周波な信号に比べて誘電損失の影響が大きくなる傾向があります。また、誘電損失に伴い発熱が大きくなる通信基地局では、熱マネジメントのために大型のヒートシンクを抱える構造となります。こうした課題に対して、Smart Cellular Board(R)は良好な誘電特性によって基板の誘電損失を最低限に抑えることができ、その結果、基板からの発熱も抑え、ヒートシンクの重量軽減にも貢献します。
 当社は今後も独自技術を生かした製品開発により、Beyond 5G/6G社会の実現に貢献します。


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図2 Smart Cellular Board(R)と断面SEM像


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図3 比重


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図4 誘電特性


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SCB(R)の積層板


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上図積層板の成型品


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SCB(R)の両面銅張板のエッチング加工品





図5 加工例


(注)誘電損失=k × f × √Dk × Df(k:定数、f:周波数、Dk:比誘電率、Df:誘電正接)

『Smart Cellular Board』と『SCB』は日本における古河電気工業株式会社の商標です。

製品ページ
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■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。

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