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■背景
キヤノンITSは、自社が保有する西東京データセンターの安定稼働のため日々設備の予防保全や点検に取り組んでいます。しかし、設備の故障をゼロにすることは困難であり、故障による冗長性の低下や、復旧のための突発的な対応や要員確保が必要となるなど運営上の課題が存在します。故障予兆の検知が可能になれば計画的な対処ができ、より安定したデータセンター運営の実現につながります。
■実施内容
今回の実証実験では、キヤノンITSが西東京データセンターで使用している正常な発電機の振動データを学習させたAIモデルを作成しました。発電機を供給するダイハツディーゼルから提供された劣化度の大きい発電機の振動データを、作成したAIモデルに評価させました。
■第1段階の成果と今後の方針
検証を重ねた結果、劣化度の大きい発電機のデータを入力した際に正常な発電機のデータとは異なると判定する技術を確立しました。現在は次の段階として、評価データと劣化度の大きい発電機のデータとの差異を可視化する技術の開発に着手しています。
今後は、この可視化技術にダイハツディーゼルのノウハウを取り入れ、発電機の劣化要因の特定や劣化度合いの判断が可能となる技術開発を進め、プロトタイプによる故障予兆検知の試験運用を2025年内に開始する目標としています。最終的に、キヤノンITSは非常用発電機以外の設備への応用を図り、データセンターのさらなる信頼性向上をめざします。また、ダイハツディーゼルは、発電機の信頼性向上および保守サービスの他社との差別化につなげていきます。
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