全国において、地域交通の維持やドライバー不足等に関する社会課題が深刻化しています。こうした社会課題の解決策として、自動運転等のモビリティ技術を活用した持続可能な公共交通・物流の実現が急務な状況であり、国においては、2025年度までに50か所以上、2027年度までに100か所以上の政府目標を掲げ、取り組みが進められています。
また、南城市では、人口約4万6千人(2024年3月末時点)に対して、主要観光地入域者数は約42万人(2024年3月末時点)と観光業が盛んな地域であり、久高島や世界文化遺産に登録されている斎場御嶽といった国内有数の観光資源を有しています。
一方で、南城市では、地域住民および観光客の移動手段は自動車が中心のため、円滑な交通システムの確立が急務となっています。そのため、「南城市地域公共交通網形成計画」を定め、2017 年度(平成29 年度)から2026 年度(令和8 年度)の10 年間を計画期間として、各種取り組みを推進していますが、地域社会の更なる活性化に向けては、「地域住民向けの持続的な交通手段の維持」および「観光客向けの二次交通手段の拡充」が主要な課題となっています。
こうした課題に対して、4者は新しいモビリティの活用と同時に、AIカメラ・センサー等を活用したリアルタイムに交通情報を取得・活用する「リアルタイム交通マネジメントシステム(everfleet)」を導入することで、南城市に点在する観光地間をつなぎ、回遊性の向上を図るとともに、地域住民および観光客のみなさまの移動ニーズを満たす次世代の公共交通機関網の実現をめざします。
2.調査事業の概要
本事業では、自動運転レベル4による通年運行の早期実現に向けて、自動運転の安全性を確認・検証するため、以下3点を調査事業として実施いたします。
①実証走行ルート(公道)上での自動運転モビリティの走行実証、実証走行ルート上の危険箇所の確認および対策として、リスクアナリシスの実施
②周囲の物体との位置関係を正確に判断するため、高精度センサーでのデータの取得および高精度3Dマップの作成
③道路交通法や地域住民のみなさまのご要望を踏まえたルート情報の作成
(1)実証期間
2024年10月12日(土)から2024年10月18日(金)まで
(2)実施場所
沖縄県南城市(知念体育館前駐車場~がんじゅう駅~斎場御嶽駐車場間を走行、図1)
(3)使用車両および自動運転技術(図2)
新型EVバス車両NAVYA EVO
- レベル2自動運転システム対応
- 乗車定員12人(実証実験時の乗車人数 10人)
- 速度19km/h
- EV(最大走行9時間、走行距離100㎞)
3.各者の役割
(1)南城市
事業全体の運営、関係者との調整、地域住民や観光客へのヒアリング調査 等
(2)NTT西日本
調査事業統括・プロジェクトマネジメント 等
(3)NTTビジネスソリューションズ※1
自動運転導入エンジニアリング、自動運転の走行ルート調査 等
(4)マクニカ
自動運転導入エンジニアリング(車両)およびサポート、
走行ルートにおけるリスクアセスメント 等
※1 NTTビジネスソリューションズの「自動運転EVバスソリューション」のサービス詳細は以下URLをご参照ください。
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4.今後の展開
本事業の調査を踏まえ、4者は、2028年度に自動運転サービス(レベル4)を社会実装できるよう、今後も実証調査を積み重ね、自動運転サービスの提供に必要な諸課題(運行体制の構築等)の解決に取り組みます。
こうした取り組みを通じて、南城市に点在する観光地間をつなぐ次世代の公共交通機関網を整備し、南城市の回遊性を高めるとともに、地域住民および観光客のみなさまが安心して利用できる高品質で安全性の高い自動運転サービスの実現をめざします。
(参考)本件に関連する過去の報道発表
●内閣府「先端的サービスの開発・構築や先進的サービス実装のためのデータ連携等に関する調査事業(2次募集)」の実証開始および開会セレモニーの実施について(2024年2月22日)
≪各者の報道発表資料≫
NTT西日本: (リンク »)
マクニカ: (リンク »)
●国土交通省 「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」の採択に関するお知らせ(2024年7月10日)
(リンク »)
●マクニカ、自動運転の社会実装に向けて芙蓉リースグループと業務提携~自動運転の実証実験を支援するサービスプログラムを共同で構築~(2021年6月16日)
本事業で使用する自動運転EVバスは、マクニカと芙蓉総合リース株式会社および芙蓉オートリース株式会社が共同で構築した「自動運転実証実験支援サービスプログラム」により提供します。詳細は以下URLをご参照ください。
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