はじめに
今回は、2025年に公開された論文「Databases in the Era of Memory-Centric Computing」を紹介します。この論文では、複数のサーバーでメモリープールを共有する新しいコンピューティング・アーキテクチャーについて議論しており、大量のメモリーを必要とする分散データベースへの応用などが解説されています。
CPUとメモリーの分離が必要な背景
現在の分散コンピューティングシステムは、図1のように、CPU、メモリー、ローカルディスクがセットになったサーバーが基本単位になります。これをネットワークで相互接続することで、大量のデータを並列に処理する分散処理システムができあがります。ムーアの法則に従ってCPUの性能が向上するとともに、CPUコア数も増加することで、サーバー1台あたりのCPU処理能力が継続的に伸びるとともに、価格性能比も向上してきました。
ところが、近年は、サーバー内部のCPUとメモリーのバランスに問題が生じている点が冒頭の論文で指摘されています。その1つの理由が、CPUとメモリー間のデータ転送速度の限界です。図2は、AMD製CPUの5世代にわたる、1CPUコアあたりのCPU・メモリー間データ転送速度の上限(理論値)です。CPUの性能が向上しても、メモリーとのデータ転送速度は向上していないことがわかります。
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