【EMCジャパン Tech Communityサイト】◆ゼロからはじめるストレージ入門◆Part8:ストレージを使ったバックアップの技術

EMCジャパン株式会社

2011-01-26

読者の「バックアップ」に対する印象はどのようなものだろうか?何かあった際の「備え」であり、「保険」のような意味合いでとらえている方が多いであろう。パソコンの中の個人データであれば、データを失っても影響範囲はある程度限られるが、企業が扱うデータの消失は、売上や利益、信用など企業活動の存続にかかわる部分に影響が及ぶ場合がある。これより3回にわたる「バックアップ・リカバリ・レプリケーション」では、企業におけるデータ保護・保全という観点で、バックアップに関連する技術や製品について解説する。


■何のためにバックアップするのか?■


バックアップ技術の紹介の前に、まずバックアップそのものの目的について整理しよう。バックアップはデータ消失に対する「備え」ではあるが、どういった事象や障害に対する「備え」なのだろうか?一般に、以下のような分類で考えられる。


1. 物理的な事象・障害に対する備え
 ・ ストレージハードウェアの故障、障害
 ・ ストレージの盗難や紛失
 ・ 災害やテロ行為などによる物理的な破壊など


2. 論理的な事象・障害に対する備え
 ・ ユーザーのオペレーションミス
 ・ ソフトウェアのバグやコンピュータウイルスなどによるデータ化けや消失
 ・ ハッキング行為などによる意図的なデータ破壊など


たとえば、これまでの紹介してきたRAIDによるデータ保護の仕組みも、1.の物理的な障害(ドライブの故障)に対する備えではある。しかし、ユーザーやアプリケーションが誤ったデータを書いてしまうと、その瞬間にデータは更新されてしまうため、論理的な障害に対する「備え」にはなり得ない。また、Part7のNASの解説で触れたスナップショット機能は、データ更新差分のみ保持して実現しているため、本番領域の物理的な障害に対する「備え」として機能しない(スナップショットについては、Part9で再度説明を行なう)。

一般にバックアップとは、規模や事象・障害の対応範囲こそ差はあれ、上記「物理」と「論理」の両方に対応できる仕組みを指している。

一方、「備え」であるバックアップを活用する場面は「データのリカバリ」である。いざという時にデータが戻せないバックアップの仕組みは、そもそも存在価値がない。しかし、リカバリを軽視したバックアップシステムを構築・運用しているケースも、いまだに散見する。以降の解説では、「物理」「論理」障害に備えられるか?リカバリできるか?といった点を意識しながら、各種バックアップ技術を紹介する。


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