2008年に放送されたNHKクローズアップ現代「新情報革命"クラウド"の衝撃」から3年。この番組で解説を務めたITジャーナリストの佐々木氏に、これから迎えるであろうクラウドの衝撃の意味を改めてお話いただきました。
■クラウドの定義■
ようやく日本のITの世界も、クラウドの本格的な普及期に入ってきた。だがクラウドの本当のインパクトは、まだ多くの企業に理解されているとは残念ながら言い難い。
まずクラウドの定義をしておこう。コンサルティング大手のマッキンゼーが「Clearing The Air on Cloud Computing」というプレゼンテーションで行っている定義が最も明快だ。次のように書かれている。
クラウドはハードウェアをベースにしてコンピューティングとネットワーク、大容量ディスクを提供するサービスであり、以下のような特徴を持つ。
①ハードウェアの管理が高度に抽象化される。
②インフラのコストが変動的な事業運営費として扱われる。
③インフラの能力が拡大縮小自由自在。
従来、企業が使うITのインフラはサーバやアプリケーションといった製品で、ベンダーからパッケージを購入したり、あるいは開発を外注していた。だからこれらのインフラはあくまでも物理的に存在する資産だった。ところがクラウドの時代になると、このI Tインフラはすべて外部のクラウド事業者が用意するようになる。このためユーザー企業の側は、サーバのハードディスクを入れ替えたり、ラックの掃除をしたりと物理的にメンテナンスする必要はなくなり、管理はすべてウェブ・ブラウザ上から仮想的に行うことになる。これが①の抽象化。
当然、インフラは資産ではなくなり、外部のクラウドの事業者のサービスを利用するだけになるわけだから、インフラのコストは事業運営費になるわけだ。これが②。
アメリカのITジャーナリスト、ニコラス・カーは著作『クラウド化する世界』(翔泳社)で、これを2 0世紀初頭に起きた電力革命になぞらえて説明している。
それまで電力は、各工場が自前で発電機を用意し、工場敷地内に電力線を引いて自家発電してまかなっていた。しかしエジソンの設立したGE社は巨大な発電所を作り、ここから全米各地へと電力網を使って配電する仕組みを作りあげ、徹底的に電力コストを下げることに成功した。この結果、各地の工場にあった私設発電所は徐々に姿を消し、外部の電力を使うという今の仕組みが標準的になっていったのだという。
コンピュータもこの電力と同じ道をたどるとカーは言っている。これが③の自由自在なインフラ能力。要するに今のようにそれぞれの会社で「私設サーバ」を設置しているような時代は近い将来終わりを告げて、巨大なクラウド網を作りあげたクラウド企業からコンピュータ・パワーを「配電」してもらう時代がやってくるというわけだ。これによってコンピュータのシステムのコストは劇的に安くなる。水道や電気のようにコンピュータを使う「ユーティリティ・コンピューティング」といわれている世界が始まるわけだ。
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