ニューノーマル時代のクラウド活用を支える
“アクセンチュア | Google Cloud”
今や企業に不可欠なコンピューティング環境となったパブリック クラウド。特にデジタル変革(DX)に取り組む企業にとって、最新の技術を活用したサービスを短期間で導入し、初期コストを抑えながらスモール スタートで利用を開始しつつ、ビジネスの成長に合わせて柔軟にスケールさせることのできるクラウドは最適なビジネス基盤だと言える。実際、多くの企業がクラウドに対して次のような期待感を表明している。
- 情報系システムのみならず、基幹システムでもクラウドを活用し、自社のIT環境をモダナイズしたい
- コンテナやマイクロサービス、アジャイル開発などのクラウドネイティブな技術/手法を取り入れ、ビジネスのスピードに合わせた迅速なアプリケーション開発/提供を実現したい
- ビジネスの海外展開を加速するために、基幹業務をグローバルに支える ERP などの SAP システムをクラウド上で動かしたい
- AI を自社のビジネスに組み込み、業務効率化や顧客サービス向上、新たなビジネス価値の創出に取り組みたい
- クラウドの先進的なマーケティングサービスで自社の顧客データなどを活用し、サービス向上や新たな価値創出に結び付けたい
- クラウドの利点を生かした先進ツールを活用して社内のコラボレーションを活性化し、安全かつスマートな働き方を実現したい
だが現実には、このような期待を抱きつつも「社内に技術スキルがなくクラウドを使いこなす自信がない」「AI などの先進サービスを活用してみたいが、どこからどう始めたらよいかわからない」「基幹システムをクラウドに移行したいが、ノウハウがなく手を付けられない」といった事情から、クラウドの本格的な活用に乗り出せない企業が少なくないようだ。
そんな企業に最適なクラウドソリューションを提供しているのがアクセンチュアである。同社のAccenture Google Cloud Business Groupでは現在、グーグルの企業向けクラウドプラットフォーム「Google Cloud Platform(GCP)」の卓越したサービス群と独自の知見/ノウハウを組み合わせた各種ソリューションを、さまざまな業界の企業に提供している。本企画では全6回にわたり、同社がGCPを用いて提供している主なソリューションを紹介していく。
Google Cloud の先進サービスによる
AI 活用を支援する「AI POWEREDサービス」
“アクセンチュア | Google Cloud” によるソリューションの 1 つ目として取り上げるのは、GCP の各種 AI サービスを活用した「AI POWEREDサービス」だ。
基本的に AI POWERED サービスは、特定の環境やクラウドサービスに依存せずに実行可能な設計になっており、Google Cloud を含むさまざまなクラウドサービス上で動作する。
Google Cloud 上で利用する場合は、Google Cloud の強みである言語処理の AI の利用はもちろん、近年利用が広まっている BigQuery 等のデータ基盤と柔軟に連携することが可能だ。
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アクセンチュア
ビジネスコンサルティング本部
AIグループの飯澤拓氏
新型コロナ禍が続く現在、さまざまな業界でニューノーマル社会に適応するための DX の取り組みが進められている。AI POWERED サービスの提供に携わるビジネスコンサルティング本部 AI グループの飯澤拓氏は、「DX に取り組む際には、ぜひ AI の活用も視野に入れて準備を進めてほしい」と話す。
「DX をビジネスのデジタル化だけで終わらせてはいけません。デジタル化によって得られるさまざまなデータを、AI が学習しやすいかたちで蓄積/管理するための設計を最初から行っておくことで、後々 AI を活用してビジネスを大きく変革することが可能となります。AI で使うデータを溜めるには多くの期間を要します。初めから AI の活用を見越して DX に取り組むことが肝要なのです」(飯澤氏)
実際に DX の一環として AI の活用を始める動きが広がっている。例えば、新型コロナ禍の中でデジタルな非対面型ビジネスが拡大するのに伴い、顧客対応チャネルとしてコールセンターやチャット、メールの重要性が高まっている。これらのチャネルの新設/強化に伴って AI の活用を始める企業が増えていると AI グループの佐々木三泰氏は説明する。
「コールセンターに寄せられる顧客からの電話に AI が応対したり、チャットやメールでの問い合わせに AI が対応したりといった活用がさまざまな業界で進んでいるほか、顧客にとって最適な提案を AI の側から仕掛けていく“攻めの CRM”に活用する動きも出てきています」(佐々木氏)
サプライチェーンのさまざまな領域でも活用が進んでいる。「小売店などの店舗で仕入れ量を決定するために AI で需要を予測する」「ロジスティクスの効率化を目指して各物流拠点にどれだけの物量を配置するかを AI で予測する」といった活用のほか、「EC サイトと店舗で在庫を共有しながら効率的に管理したり、より上流の生産や調達の領域で最適量の生産やマスカスタマイゼーションの実現に AI を活用したり、複数の取引先から価格やリードタイムなど多様な条件を踏まえて最適な調達先を見つける目的で AI を活用したりといった動きが進んでいます」と佐々木氏は話す。
CRM、SCM から経営管理まで、
企業活動のあらゆる領域における AI 活用を支援
このように AI の適用領域や使い方は企業の業態や重点施策に応じてさまざまであり、各社はそれぞれ試行錯誤を繰り返しながら自社に最適な活用法を模索している状況である。その活動全般を支援するのが、Google Cloud の各種AIサービスにも連携可能なAI POWEREDサービスだと飯澤氏は話す。
「AI POWERED サービスでは、クラウドを利用したインフラからミドルウェア、業務アプリケーションまでをセットにして、お客様の業務にすぐに適用可能なかたちにしてご提供しています。しかも、一般的なパッケージソフトとは異なり、お客様の要件や既存システムに合わせて柔軟にカスタマイズすることも可能です」(飯澤氏)
例えば、現在利用している CRM や Google Cloud の「BigQuery」などのデータ・ウェアハウス(DWH)に蓄積したデータを活用したいという場合、それらと柔軟に連携させられるという。
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アクセンチュア
ビジネスコンサルティング本部
AIグループの佐々木三泰氏
クラウドをベースにしているため、小さな規模で導入して確実に成果を上げながら適用範囲を拡大していくスモールスタートな AI 活用を実践しやすいことも大きな特徴である。
また、佐々木氏はコールセンターや店舗などの CRM/顧客接点から製造現場/サプライチェーン、さらには経営管理まで、企業活動のあらゆる領域における AI 活用を広範にサポートしていることも AI POWERED サービスの大きな特徴だと力を込める。
「経営層向けのマネジメントコックピットも提供しており、ビジネスの状況を俯瞰的に見える化するだけでなく、シミュレーション機能によって『どこをどのように変えると事業がどう変わるか』『売上向上、コスト削減など複数のシナリオのうち、どれを選択するのが最適か』といったことを AI が考えて提案し、それを踏まえて人が経営判断を下すといった活用もご支援しています。CRM や SCM などの特定領域だけでなく、経営層の意思決定までカバーした適用職位の広さも、アクセンチュアならではだと言えます」(佐々木氏)