エンタープライズ デジタルツインのプラットフォームに最適な Google Cloud
エンタープライズ デジタルツインのプラットフォームとして、アクセンチュアは Google Cloud を推進している。その理由の 1 つは、エンタープライズ デジタルツインの実現で大きな課題となる「データの収集／蓄積」に最適なサービスが用意されているからだとデータグループ シニア・マネジャーでありAGBGソリューションアーキテクトの青柳雅之氏は説明する。
「Google Cloud には『BigQuery』という優れた DWH が用意されています。BigQuery は高いキャパシティを備えており、この中にさまざまなシステムから集めた膨大なデータを蓄積し、他のサービスで活用することができます」（青柳氏）
アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部
データグループ シニア・マネジャー兼AGBGソリューションアーキテクトの青柳雅之氏
また今日、企業のデータはさまざまなクラウドサービス上に分散している。それらのデータを BigQuery に集めることもできるが、データを動かしたくないというケースもある。その場合でも、Google Cloud に用意された「BigQuery Omni」を使うことで、Amazon Web Services（AWS）や Microsoft Azure 上のデータに対して BigQuery のインタフェースで分析を行うことができる。
「Google Cloud では、データ活用に関する先進的なサービスが次々に開発されており、それらを利用してエンタープライズ デジタルツインをはじめとするアクセンチュアのソリューションも進化していきます。そうした発展性があることも、Google Cloud の大きな魅力だと考えています」（青柳氏）
Google Cloud によるデジタルツインは
金融機関の基幹システムもカバー
アクセンチュアは Google Cloud によるフルクラウド基幹システムソリューション「アクセンチュア クラウドネイティブ コアソリューション（通称：MAINRI［メイリー］）」を提供している。MAINRI は日本初のデジタルバンク「みんなの銀行」が基幹システムに採用したことでも知られるが、「スケーラビリティと金融機関のシステムに求められる信頼性の両方を実現するためにどのクラウドを使うべきか、大手各社のサービスを比較検討した結果、『Google Cloud しかない』という結論に達しました」とデータグループ シニア・プリンシパルの黒田亮氏は説明する。
アクセンチュア テクノロジーコンサルティング本部
データグループ シニア・プリンシパルの黒田亮氏
MAINRI は基幹系のソリューションだが、基幹系を含む様々なデータソースからデータをニアリアルタイムで BigQuery に取り込む仕組みを備えており、デジタルツインを実現するためのプラットフォームとしても活用することができる。次に示すのは、MAINRI によるデータ プラットフォームの一例である。
「この例では、顧客にモバイルアプリを介してサービスを提供するケースを想定しています。モバイルアプリは Google Cloud 上のマイクロサービスと連携して動作しており、マイクロサービスやアプリの操作ログなどを BigQuery を中心とするデータプラットフォームにリアルタイムにデータを収集します。本格的なデジタルツインの実現にはさらに多くのデータを取り込む必要がありますが、MAINRI を活用することでデジタルツインを早期に実現することが可能になると考えています。」（黒田氏）
それらのデータを Google Cloud の AI サービス「Vertex AI」などを使って分析し、それぞれの顧客に最適なリコメンドをリアルタイムに行うといったことが、Google Cloud のサービスだけで実現できるという。
また、エンタープライズ デジタルツインの実現における Google Cloud のもう 1 つの強みとして、黒田氏はモバイルやマーケティング関連の優れたサービスが用意され、それらがデータプラットフォームに統合されていることを挙げる。
「例えば、モバイルに関しては『Firebase』というモバイル向けプラットフォームがあります。Firebase は、モバイルデバイスから多様なログデータを自動収集するなど便利な機能を提供しており、収集したログは自動的に BigQuery に流し込むことができます。また、マーケティング関連については『Google Analytics』や『Google広告』などグーグルが圧倒的に強いサービスがあり、これらのデータも BigQuery に自動的に流し込めるようになっています」（黒田氏）
こうして BigQuery を中心とするデータプラットフォームに集めたデータを AI や BI ツール、ビジュアライゼーションツールで可視化／分析し、顧客の嗜好や行動を把握。それに基づいてマーケティング施策を立ててモバイルアプリに配信し、顧客の行動がどう変化したかをデータプラットフォームにフィードバックするといったループを回すのに最適なサービスが用意され、それらが緊密に統合されている点も Google Cloud の大きな強みである。
“技術の目利き” が
Google Cloud によるデータ活用を支援
このようにエンタープライズ デジタルツインのプラットフォームとしても最適な Google Cloud の活用を支援しているのが「Accenture Google Business Group（AGBG）」だ。
「AGBG は、グーグルとの提携に基づいてアクセンチュアのテクノロジーコンサルティング部門内に結成された Google Cloud のスペシャリスト組織です。アクセンチュアでは、テクノロジーコンサルティング部門のほかに、金融や製造、公共をはじめとする各業界に特化したスキルを有するビジネスコンサルティング部門が活動しており、両部門が持つ技術力と業務知識を組み合わせることで他社にない強みを発揮しています。AGBG は、両部門の相乗効果を、データや AI に強い Google Cloud でさらに高める役割を果たしています」
アクセンチュアは現在、グローバルで 2,650名以上の Google Cloud 認定資格取得者を擁しており、国内でも数百名の同資格取得者が活動している。また、前出の MAINRI のほかに、製薬会社が行う創薬から営業活動、顧客対応まで全ての業務をカバーしたソリューションを Google Cloud 上に構築し、「INTIENT（インティエント）」として提供を開始している。“アクセンチュア｜Google Cloud” のタッグにより、Google Cloud の優れたデータ／AIテクノロジーの活用がさまざまな業界で加速しつつあるという状況だ。
「アクセンチュアは、さまざまなテクノロジーのビジネスへの適用に対する “目利き力” をお客様から高く評価されてきました。私たちは、自分たちがお客様のシステム構築で使うことを前提にベンダー各社のソリューションを吟味し、要件に最適なものをご提供しています。Google Cloud のデータ／AIテクノロジーについても、その目利き力を最大限に生かし、今後もお客様に最適な活用法をご提案していきます」（三原氏）
