データ連携基盤をマイクロサービス化して維持コストを大幅に削減
一方、ある製造業の企業は、モダナイゼーションによってアプリケーションの維持コストを大きく削減することに成功した。
この企業は、サプライチェーンを構成するさまざまなシステムの間でバッチ処理によるデータのやり取りを行うためのデータ連携基盤を仮想サーバ上で運用していたが、連携対象の追加や連携インタフェースの修正が生じる度に多くの開発/改修コストがかかることと、連携処理のピーク時に合わせてインフラを持たなければならず、そこでも多くのコストがかかることが大きな悩みだった。
そこで、同社はアクセンチュアの支援により、このデータ連携基盤を刷新した。
「まず、データ変換を行う部分を処理内容ごとにモジュールに分解し、それぞれをマイクロサービスとして実装しました。これにより、例えば A システムから B システムにデータを送る際は 1、2、3 のモジュールを使い、C システムから D システムに送る際は 1、4、5 のモジュールを使うといった具合に、データ変換処理を再利用しながら連携対象に応じて柔軟に組み合わせて使えるようになりました」(福垣内氏)
また、この連携基盤を FaaS で運用することにより、インフラコストも大きく削減した。
「FaaS なので、課金が発生するのはデータ変換と送受信の処理を行っているときだけです。しかも、高負荷な連携処理を大量に行う場合はクラウド側で自動的にスケールアップしてくれるので、ピーク時に合わせてインフラを持つといった無駄もなくなります。これにより、インフラコストも大きく抑えられました」(福垣内氏)
クラウド上のマイクロサービスに移行したことで、この企業はデータ連携基盤の維持コストを従来の 3 分の 1 以下に削減したという。
モダナイゼーションのプラットフォームに最適な Google Cloud
このようなモダナイゼーションに最適なパブリッククラウドが Google Cloud だ。その理由の 1 つは、優れたコンテナ管理基盤が用意されていることだと福垣内氏は話す。
「アプリケーションをコンテナ化することでポータビリティが高まり、クラウドでもオンプレミスでも、どこにでも移行できるという利点が生まれます。Google Cloud は、Google Kubernetes Engine (GKE)や Cloud Run などの優れたコンテナ管理サービスを提供しており、コンテナ化したアプリケーションの運用基盤に最適だと言えます」(福垣内氏)
今後、多くの企業が複数ベンダーのクラウドサービスをアプリケーションの要件などに応じて使い分けるマルチクラウドが主流になると予想されるが、その際には複数クラウドをまたいだコンテナ管理でハイブリッド/マルチクラウド管理サービス「Anthos」が重要な役割を果たすことになるだろう。
また、企業向けの API 管理サービス「Apigee」を提供している点も、モダナイゼーション プラットフォームとして Google Cloud が支持されている大きな理由の 1 つだ。現在、主要なクラウドベンダーが API 管理サービスを提供しているが、企業が全社的に利用する大規模な API プラットフォームの基盤として Apigee に並ぶものはないと福垣内氏は説明する。
「近頃は『バックエンドとフロントエンドの API を別々に管理するのではなく、統合的に管理するための全社共通の API プラットフォームを作りたい』というご相談をよくいただきますが、そこまで大規模な利用に堪える API 管理サービスは Apigee のほかにありません。Apigee ならば大量のトランザクションも安定して処理できますし、流量制御も行えて、企業向けのさまざまな認証基盤とも連携できます」(福垣内氏)
日本発のデジタルバンクとして注目を集めるふくおかフィナンシャルグループの「みんなの銀行」も、Apigee で連携するマイクロサービス群により基幹システムを実現している。
アクセンチュアとグーグルが緊密な連携でモダナイゼーションを支援
アクセンチュアは現在、DX に取り組むさまざまな企業に対して、Google Cloud のメリットを最大限に引き出したモダナイゼーションの実践を支援している。その中で大きな役割を果たしている組織が「Accenture Google Business Group(AGBG)」だ。AGBG はグーグルとの協業により、アクセンチュアのテクノロジーコンサルティング部門内に結成された Google Cloud のスペシャリスト組織である。
「アクセンチュアでは、各業界に精通したビジネスコンサルティング部門がお客様の DX をご支援しており、『クラウドを活用して、こんなモダナイゼーションを実現できないか?』というご相談に対して、AGBG がグーグルとも協力しながら最適なサービスと活用法を検討し、具体的なソリューションの構築をサポートしています」(福垣内氏)
ビジネスを知り尽くしたアクセンチュアと、クラウドを知り尽くしたグーグルのタッグが実現するモダナイゼーション。これも“ アクセンチュア|Google Cloud ”の魅力の 1 つである。