[Topic 2]充実の機能を簡単な設定で利用可能 中堅中小企業でもすぐにメリットを享受
最初のトピックではWindows Server 2012そのものの特徴を紹介した。2つ目のトピックでは具体的な役割や機能を取り上げ、基本性能の向上やそれに伴う安定性や安全性の向上ポイントを確認する。
サーバマネージャーは「サーバ管理のポータル」
Windows Server管理の基本となるGUIツール「サーバマネージャー」はひと言でいえば、「サーバ管理のポータル」だ。Windows Server 2012をこれから利用するにあたり、必要な役割や機能の追加はもちろんのこと、追加された機能の管理もサーバマネージャーからまとめて行うことができる。サーバマネージャーから各種管理が行えるので、メニューを探して、迷うこともない。
自動化・省力化ならWindows PowerShellにお任せ
サーバマネージャーがGUIから管理するツールであるの対し、「Windows PowerShell」はコマンドからの管理を実現するツールである。これまでのWindows Serverに比べ、利用可能なコマンドレットが大幅に増加。その総数は1,300以上に達している。そのため、バックアップの自動実行やActive Directoryのユーザー作成などはもちろん、さまざまな定型的サーバ管理作業を行う場面で自動化、省力化を実現できる。
ユーザー管理/クライアント管理も自動化
サーバマネージャーから追加できる役割の1つに、Active Directoryがある。Active Directoryはユーザーを一元管理するための仕組みで、バラバラに管理されていたユーザーやパスワード、さらには人事情報までも一元化することで省力化を実現する。一方、詳細なクライアント管理は、Active Directoryと同時に導入される「グループポリシー」から行える。グループポリシーには3,000以上の管理項目が用意され、コンピューターに対する初期設定の変更や機能制限などを行うことができる。
サーバの基本、ファイルサーバの性能向上
中堅中小規模の企業において、もっともよく利用される機能の1つに「ファイルサーバ」がある。Windows Serverのファイルサーバでは、SMB(Server Message Block)と呼ばれるプロトコルが使われるが、Windows Server 2012では「SMB 3.0」が新しく実装され、これまでのWindows Serverと比較して、非常に高速な通信が可能となった。また、同時にSMBの通信における暗号化、データベースなどのアプリケーションサーバで扱うデータのファイル共有の保存などをサポートしている。なお、SMB 3.0の持つ機能を利用するためにはサーバとクライアントの両方でSMB 3.0が利用できる必要があるので、同じくSMB 3.0をサポートするWindows 8をクライアントOSとして一緒に使いたい。