マイクロソフト認定トレーナーが教える、Windows Server 2012 マイグレーションの手引き

[2]移行によって得られるメリット
Windows Server 2012で“最強のIT基盤”の構築を

 ここまで、Windows Server 2012へ移行すべき理由をいくつか見てきた。ここからは、Windows Server 2012が備える企業IT基盤としての優れた特徴を生かした移行ができるように、具体的な移行のメリットについて新機能とともに確認していこう。

OSとしての基本性能の向上

 Windows Server 2012では64ビット版のOSのみが提供され、32ビット版は提供されない。その理由の1つは、32ビット版では利用可能な物理メモリが「4GB」に制限されるのに対し、64ビット版は4GBを超える大容量の物理メモリが利用できるからだ。これだけでも、Windows Server 2012では高いスペックでサーバを稼働できることが理解いただけるだろう。

 加えて、Windows Server 2008 R2までインストール時に決定しなければならなかった「Server Core」のインストールもWindows Server 2012ではインストール後にGUI(Graphical User Interface)とServer Coreを切り替えることができるようになっている。GUIで初期設定を行い、設定が完了して運用段階に入ってからServer Coreに切り替えるといった柔軟なIT基盤構築、運用が可能なため、ハードウェア・リソースをOSに対してではなく、OS上で動作するアプリケーションの処理に振り向けることができる。これによりシステムのレスポンスも向上するので、ストレスのないシステム利用による生産性の大幅な向上を実現できる。

運用管理機能の強化

 Windows Server 2008で初めてサーバOSに標準搭載されたCUI(Character User Interface)の管理ツール「Windows PowerShell」は、Windows Server 2012ではバージョン「3.0」となり、サーバをより効率よく運用管理するために必要な多くの機能が用意されている。

 利用可能なPowerShellコマンドレットが2,300以上も用意されており、加えて「Windows PowerShell Web Access」によるWebサーバ経由でのPowerShellスクリプトの実行サポートや、「Windows PowerShell Workflow」によるPowerShellスクリプトのワークフロー処理のサポートが可能となる。

 Windows PowerShell Web Accessによって場所を問わず運用管理ができるようになったり、Windows PowerShell Workflowによってスクリプトを永続的に実行できるようになったりするメリットが得られることは、常に運用管理の効率化/省力化を考えているIT管理者にとっては非常に魅力的な機能になるだろう。

安全性、セキュリティの向上

 サーバOSの場合、セキュリティ侵害が発生するとクライアントPCよりも甚大な影響が発生する。業務に影響が及ぶだけでなく、場合によっては重要な顧客データの漏洩などにより、社会的な信用失墜を招くおそれもあるのだ。そのため、サーバOSのセキュリティには十分に注意を払う必要がある。

 とりわけサーバOSの場合にはネットワーク経由での攻撃が多いため、ファイアウォールは重要な機能になる。旧OSのWindows Server 2003では、ファイアウォールは最低限の基本的な機能を備えているだけであり、しかも既定では「無効」となっていた。

 Windows Server 2012では「セキュリティが強化されたWindowsファイアウォール」となって大幅に機能も拡張され、受信・送信パケットを問わず、すべての通信を制御できるようになっている。また、通信が必要なサーバ・アプリケーションが実装されると、自動的に必要な通信を許可するように構成される点も大きな特徴だ。ネットワークにそれほど精通していないサーバ管理者でも、最適なセキュリティを確保できるように配慮されている点も導入を勧められるポイントになる。

 また、物理的なセキュリティ面でも、長らく使われてきた古い「BIOS」(Basic Input/Output System)に代わって、「UEFI」(Unified Extensible Firmware Interface)がサポートされたことで、より安全かつ堅牢になった。UEFIでは、「セキュアブート」というOSを安全に起動するための機能が用意されており、これによって不適切なファームウェアやOSを起動することができないようになっている。

最新ソフトウェア/ハードウェアへの対応

 Windows Server 2012は64ビット版のみが提供されるが、64ビット版のOSと言えば、これまで対応するハードウェアやソフトウェアの少なさが課題の1つでもあった。

 だが、初めて64ビット版サーバOSが登場してからかなりの年月が経過したことや、Windows Server 2008 R2以降のサーバOSは64ビット版しか提供されていないこともあり、Windows Server 2012では、これまでのサーバOSよりも対応するハードウェアやソフトウェアが拡大している。Windows Server 2012が正式リリースされたのと同時に、200以上のソフトウェアがすでに対応済み(対応予定)を表明していた。また、Windows Server 2012をプリインストールしたサーバマシンも、ほぼすべてのサーバベンダーから提供されており、今後はさらに対応ソフト/ハードウェアは拡大していくことになる。もはや、64ビット版だからという理由で制限を受けることはない。逆にパフォーマンスや可用性、拡張性など、「64ビットだからこそ」のメリットを活用することで、将来にわたって安心して利用できるIT基盤を構築できる。

安全・確実にWindows Server 2012へ移行するために

提供:日本マイクロソフト株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2013年5月30日
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