AWS利用者から学ぶセキュリティのベストプラクティス - (page 2)

ZDNET Japan Ad Special

2017-09-06 13:00

[PR]ZDNet JapanおよびTechRepublic Japan主催、AWS Partner Network協賛で、クラウドの中心的存在である「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」をテーマにした5週連続セミナーが開催された。

特別講演: 「責任共有モデル」という考え方を頭に入れる

 パネルディスカッション形式の特別講演は、ZDNet Japan編集部の國谷武史氏をモデレーターとして、パネリストは、2014年からAWSへの全面移行を進めている丸紅の加藤淳一氏とアマゾン ウェブ サービス ジャパンの市崎洋平氏で行われた。テーマはクラウド化を実施した際のセキュリティ。


丸紅 情報企画部
部長代理
加藤淳一氏

 加藤氏は、「丸紅は、プライベートクラウドがリプレース時期に当たった2013年から検討を始め、2014年度にプロジェクトをスタートし、AWSへの移行を実現した。現時点では230サーバ、60システムを運用している。今後も、(オンプレミスから)AWSに載せられるものはすべて載せる予定」と利用状況を明らかにした。

 セキュリティについては、「クラウド利用に際してはチェックリストを作成し、各事業部から“このクラウドサービスを利用したい”と申請があった場合にそれを渡し、チェック項目に該当しているかどうか確認してもらっている」と加藤氏。

 市崎氏は、「セキュリティについてお客様からご質問やご相談をいただいた場合には、グローバルレベルの第三者機関認定の状況を紹介し、例えばデータセンターの運用管理状況についてはSOCレポートを紹介するなどしている。丸紅さんのように、チェックリストを作成されているのは大変良い使い方だと思う」と述べた。


アマゾン ウェブ サービス ジャパン
エコシステムソリューション部
パートナーソリューション アーキテクト
市崎洋平氏

 さらに市崎氏は、「AWSを使うお客様には、“責任共有モデル”という考え方をまずはご理解いただきたい。これは、クラウド自体のセキュリティの責任はAWSが持ち、クラウドの“内”のセキュリティについてはお客様自身に責任を持っていただくことである。この『お客様の責任』とは特別なことではなく、オンプレミスで実施されているセキュリティに関する対応をクラウドでも同様に実施いただくということ。例えばもしAWSが自動的にOSにパッチを当てるような仕組みであった場合、アプリケーション動作などに不具合が起こる可能性もある。そこで、OSを含めてOSより上位層の部分はお客様ご自身の手で適切に管理を行うことが可能な仕組みになっている。このようにパッチ運用以外も、OSの不要なサービスは落とす、不必要なポートは閉じるといったこと等はお客様にて適切に実施いただく」と説明した。


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クラウド利用は経営面から見たプラス効果も


朝日インタラクティブ
ZDNet Japan編集部
國谷武史

 セキュリティ被害報道が多くなっていることから、「セキュリティ対策の必要性が以前より理解されつつあり、必要な予算は取りやすくなった」と加藤氏。さらに、「当社ではAWSのセキュリティ機能は現時点で活用していないが、AWSのデータセンター自体が堅牢であり、また、別途セキュリティの包括的な施策を実施中であり、AWS上のサーバを含めた全般的なセキュリティ向上を図っている。」とも加藤氏は話した。

 一方AWS側では、「具体的にどんな攻撃を受けているのかという情報については、攻撃者へのヒントにつながる可能性もあるので公表はしていない。もちろん、AWSグローバルのセキュリティ専門チームが日々、対策を行っている。エンタープライズサポートをご契約いただいたお客様に対しては、個々の状況に応じた対応をする場合もある」と市崎氏が説明した。

 クラウド利用は、コスト削減などがメリットとされることが多いが、実はそれ以外にもプラス効果があるという。

 「コストメリットに加えて、ITインフラの共通サービスを展開することにより、集中的なセキュリティ監視が可能となり、グループ全体のセキュリティ向上に貢献していきたい」(加藤氏)

 経営面から見たメリットが出ていることも紹介した。

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