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DX開発現場から海外企業まで総クラウドネイティブ—-第4回CNBFミートアップレポート

ZDNet Japan Ad Special

2021-04-06 11:00

[PR] CNBF(Cloud Native Bright Future)実行委員会は3月4日、主催するコミュニティイベントの4回目「CNBF Meetup #4 Online -DX開発現場から海外事情までリアルを語る!」を開催した。

 CNBFは、クラウドネイティブに取り組みたい企業とクラウドネイティブの先進企業が交流することで、企業情報システムが新たな段階に踏み出すことを支援するコミュニティ。4回目となるオンラインセッションは夜7時から2時間にわたり開催された。

 CNBF運営委員の長谷川誠氏(サイバーエージェント)が進行を務め、発足メンバーである高良真穂氏(日本IBM)が「企業向けK8sサービスの新たな潮流」をテーマにオープニングセッションを担当した。その後、川沼大輝氏(日本IBM)が「巨大なDXの潮流の中で、開発現場からできることはあるか」、鈴木逸平氏(クリエーションライン)が「クラウドネイティブの最新情報とビジネスでどのような価値を産み出しているのか」を掲げ、DXの開発現場から海外事情までリアルを語るというタイトルが示す通り、企業の情報システムの未来形を展望する内容となった。

管理負担が減少したKubernetesはDXの中心的基盤になる

 最初のセッションで高良氏は、CNBFの取り組みについて「日本企業の情報システムにクラウド技術を広め活性化する」との主旨を確認。クラウドネイティブを実践する先進企業関係者と改革したい関係者が交流する場にし、経験や成果を共有してもらいたいとする。

 高良氏は、GoogleとIBMが新しいタイプのマネージドサービスをリリースしたことに触れた。Googleの「GKE Autopilot」やIBMの「IBM Cloud Satellite」、ドイツの「kubermetic」などのサービスの特徴は、エッジ、オンプレミス、パブリッククラウドなどさまざまな場所に分散するKubernetesクラスタを、「自動運転」のイメージで運用管理するサービスだ。ユーザーにとっては、運用管理が楽になるという何よりも大きい効果がある。

 こうしたサービスが出てきた背景に、クラウドのハイブリッド利用をビジネスリーダーが求めているという事情があるという。オンプレミスで蓄積したIT資産を有効活用して、すばやくDXを展開したいという要望がある。これを実現する技術として、Kubernetesの導入が進んだ。

 実際にDevOpsによるアプリケーション開発と運用は劇的に改善し、新規アプリ基盤の構築がスピードアップしたことにユーザーが手応えを感じている。一方で、Kubernetesは、システムのハイブリッド化を進めたことで複雑化し、運用管理が煩雑になってしまった。これを解消する狙いがあるという。

 Kubernetesの今後のユースケースとして、高良氏は「工場敷地、スタジアム、大きな病院、空港などにおけるIoT基盤として、ローカル5GなどへのKubernetes導入が期待されている」と指摘した。CNBFが提供するオープンソースソフトウェア(OSS)を使ってアプリケーションを「安く、早く」構築し、それがDXやスマート化、自動運転の普及につながっていくという将来を描いていると話した。

 さらに、ロボット制御、センサーからの情報収集、画像診断や遠隔医療などを使った医療のDXについても触れた。こうしたシステムを支える基盤としてのKubernetesクラスタを、少ない負担で管理できるようにするという大きな目標がある。

関連動画:【CNBF_Meetup】「企業向けK8sサービスの新たな潮流」CNBF_Meetup #4

開発現場からのDXで問いたい「それ、プラグマティックですか? 」

 次のセッションを担当したのは、日本IBMアソシエート・アーキテクトの川沼氏。開発現場からDXの姿や課題を示すという立ち位置だ。

 川沼氏はDXらしさを示すフレーズとして「とりあえずやってみる、できたらうれしい、できなかったら忘れる、またやってみる、この繰り返しです 」という宮崎駿氏の言葉を紹介した。ここで、開発現場のDXを「デジタルを活用したプラグマティズムだ」と定義する。

 プラグマティズムとは、日本語で実際主義と訳す。物事の真理を理論や信念からではなく行動の結果によって判断しようという考え方だ。空気を読んで同調する「日本的思考」と対局だとする。「クラウドネイティブ、アジャイル、DevOpsなどはすべてプラグマティズムに集約できる」と強調した。

 まず、プラグマティックでないものを挙げてみよう。それは「何も考えずに現行を踏襲することだ」と川沼氏。現行踏襲は見かけ上メリットが大きいように見えるが、得てして現行設計を直視していないことが多い。プラグマティズムの観点からは、現行の設計と実装は絶対ではないと考える。既に運用の知見が溜まっており、現行が完全でないことが見えているかもしれない。少なからず課題が出てきているはずだ。

 例えば現行では、リリースしたモジュールが不整合を起こしていないかを1カ月に1回チェックしているとしよう。システム更新時に、この仕様を踏襲していいのか。そうではなく、不整合が発生する余地がないように、CI/CDの仕組みの中で解決するという方法を採るべきというのが、プラグマティズムにおける考え方である。

 このほか、ドキュメントが時とともに陳腐化することへの対応策について「ドキュメントが腐ることを受け入れるのもプラグマティズム」とする。常に最新の状態にできるかは人にもよるからだ。そこで、「検索力でカバーするという判断もある」と指摘した。

 Kubernetesの開発で言えば、何も考えずにすべてのコンテナをテストする、といった選択を避けなければならない。DXでは、実際にどれだけ必要であるかをプラグマティックに意識し、無駄を省くことで「とりあえずやってみる、できたら嬉しい、できなかったら忘れる、またやってみる、この繰り返しです」という開発スタイルに持っていきたい。

 最後に川沼氏は「それ、プラグマティックですか?」と投げかけて、講演を終了した。

関連動画:【CNBF_Meetup】「巨大なDXの潮流の中で、開発現場からできることはあるか」CNBF_Meetup #4

海外で加速するクラウドネイティブの本番稼働

 3つ目のセッションで、鈴木氏はクラウドネイティブの最新情報をテーマに、海外の主要企業によるKubernetes導入などさまざまな事例から、クラウドネイティブ化の効果について詳しく解説した。

 冒頭、企業の情報システムについて、かつてと変化している事柄を対比した。オンプレからクラウドへの変化をはじめ、図の通り指摘している。ここで鈴木氏は「システムでやろうとしていること自体は大きく変わらないが、それを実現する企業資産がモダナイズしている」と指摘する。

 モダナイズされた企業資産とは以下、ITインフラ資産、データ資産、業務資産、文化資産に大きく分ける考え方を提唱している。

 ITインフラ資産はクラウド移行(マルチ/ハイブリッドクラウド)、IaaS、コンテナ技術+Kubernetes導入、特定企業のロックインからの脱却があげられる。データ資産ではRDBからNoSQLやDBaaS、高度なデータ分析や可視化ソリューション。業務資産では、オープンソース、マイクロサービスアーキテクチャ。文化遺産ではアジャイル開発技法やDevOpsの導入などを鈴木氏は挙げている。

 こうした動きを裏付けるべく、Kubernetes系の標準化団体であるCNCFにおける調査結果を引用して説明した。オープンソース志向技術者の回答者が多いことは留意しておきたい。

 これによると、クラウドの選択において2020年の最新結果では、パブリッククラウドが最も人気が高く、プライベートクラウドの伸びも顕著だった。また、本番環境で大規模なコンテナ環境を運用する企業について、コンテナ数で249以下の利用企業は2018年以降減少する一方、250個以上を使用するという回答は増えていることが分かった。特に、5000個以上に限ると、2018年の15%から、20%、23%と年を追うごとに増えている。このデータから「コンテナ全体で採用規模が大きくなっていることを示している」と鈴木氏は解説した。

本番環境でのコンテナ規模:CNCF SURVEY 2020
本番環境でのコンテナ規模:CNCF SURVEY 2020

 鈴木氏のセッションで最も時間を割いたのが、世界各国の企業によるKubernetesを中心とするクラウドネイティブの採用事例だ。英国のグローバル教育企業であるPearsonはデジタル教育に投資し、7500万人の生徒を2025年に2億人に増やす準備をしている。そのためデータセンター資産をAWSに移行、DockerとKubernetesベースでマイクロサービス化を進めた。生産性を示す成果として、10分間で2800万という多数のリクエストに対応できるようになった。従来のデータセンターではできなかった規模という。

 さらに、CI/CDによって、アプリケーションのリリース頻度を従来の年2回から、1日に数回と大幅に増やすことができた。これにより「クライアントからのちょっとした修正要求にすぐに応えられるようになった。以前9カ月かかっていた仮想マシンのプロビジョニングは数分間に短縮した。オンライン教育では特に重要になるシステムの稼働率は100%を達成した。

 早くからKubernetesを採用した米メディア企業のBloombergでは、ハードウエアの利用率が90~95%を記録。仮想マシンでは30~40%ほどだったことを考慮すると、大きな成果だとしている。

 また、ドイツのAdidasはadidas.comを6カ月ですべてKubernetesに移行。マイクロサービス化により、e-コマースシステムのロードタイムが半分になるなど着実な成果が出た。

 米保険会社大手のNorthwestern Mutualは、Kubernetes導入により、従来は要求セキュリティの高さから手作業で2週間かかっていた開発環境のデプロイ作業が、数分で自動的に提供できるようになった。

 鈴木氏は、欧米を中心にITに対する取り組みは進み、「インフラレイヤーではパブリックラウドを採用する事がビジネス戦略としては必須の要件になりつつある」と指摘する。さらに、クラウドネイティブという言葉は、インフラとしてクラウドを選択することではなく、その上の業務のクラウド移行と共に大きくアーキテクチャを変えることを意味すると説明する。

 さらに、Kubernetesの採用によって、マイクロサービス化されたアプリのアーキテクチャにより開発方法のみならず、顧客企業との付き合い方も大きく変わってきていると説明した。

関連動画:【CNBF_Meetup】「クラウドネイティブの最新情報とビジネスでどのような価値を産み出しているのか」CNBF_Meetup #4

クラウドネイティブをキーワードに座談会が熱く盛り上がる

 3つのセッションの後、いつものように登壇者を交えて座談会が開催された。「ハイブリッドクラウドとマルチクラウドの違いとは?」といった質問に、登壇者が自身の考えを述べるなど、クラウドネイティブというキーワードを軸に、今回も議論が熱く盛り上がった。

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