講演「企業内セキュリティの定義が変わる--モバイルセキュリティに求められることとは！」
ノートPCやスマートフォン、タブレット型端末を始めとする多種多様なモバイル機器が普及するなか、それらを安全に使うため、いま多くの企業が、セキュリティ環境をどうするか具体的な検討フェーズに入っていることだろう。
NECキャピタルソリューションの荒谷茂伸氏（ICTアセット事業部 シニアディレクター）は、「多種多様なモバイル機器の急速な普及は、従来のセキュリティの概念を変えている」と話す。そのうえで、PCやスマートデバイスを快適に使うための考え方や具体的な方策を、同社のソリューションを取り上げながら提言した。
同社は1978年、リース事業を主軸に創業。社名を「NECリース」から現社名に変更した2008年以降は、「ソリューションカンパニー」へ生まれ変わるべく、リースに留まらない付加価値の創造をめざしている。ICTアセット事業はその一つで、企業の保有する様々なICT資産を、調達から、運用、管理、保守、廃棄に至るまで統合的にサービス提供しており、セキュリティ関連事業を展開するのも同部署である。
NECキャピタルソリューション
荒谷茂伸氏
（ICTアセット事業部 シニアディレクター）
荒谷氏は、「社外にPCを持ち出したり、ビジネスデータが入ったスマートデバイスを携帯するのが当然のように行なわれる現在、企業は盗難や紛失の発生といった事態を、必ず想定する必要がある」と話す。
「万一こうした事態が起きた場合は、いかにしてデータを守るかが重要。モバイル機器使用環境のもとでのセキュリティ対策としては、暗号化の効用が高い。機器内のデータが第3者に閲覧、抽出される事を避けるには、内蔵されているハードディスクやSSDの暗号化、認証情報の暗号化などが有効な策になる」と強調した。
これに対応する同社の具体的なサービスとしては、クラウド型の「SecureDoc マネージドサービス」がある。モバイルPCのセキュリティポリシー設定や盗難、紛失の事態が起きた際の遠隔制御オペレーション業務を同社が請け負うというもので、ハードディスクの暗号化、リモートからのPC無効化、USBメモリ、SDカードなどの外部メディアの読み取り/書き込み制御といったサービスが用意されている。
講演資料より抜粋
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このサービスは、インテルアンチセフト（Anti-Theft：盗難防止の意）・テクノロジー（インテル AT）を活用していることも特徴の一つだ。インテル ATを搭載したPCは、ハードウェアレベルで無効化することが可能で、盗難された場合でもPC自体を利用することが不可能になるため、盗難後の情報漏えいとともに、PC再利用も防げるほか、盗難されたPCが戻ってきた場合に復旧するのが容易だという。さらに直近のトピックとしては、スマートデバイスに対応したMDMメニューもリリース。モバイルPCとスマートデバイスをワンストップでサービス利用できるため、利用価値がさらに高まった。
モバイル機器の盗難や紛失による情報漏洩事故の防止は、企業のIT担当者の大きな悩みの種となっており、情報システム担当者の業務負担を増大させている。このサービスを提供することで企業のセキュリティ対策を強化し、モバイル機器の業務利用をすすめ、生産性向上を支援する狙いだ。
荒谷氏は「社内での業務だけが仕事ではなくなった現在、USBメモリの使用禁止のような企業内部だけのセキュリティ体制では、もはや不十分。新たなビジネス環境に対応し、いかに情報を守るか、具体的な対策を講じることが企業にとって必須の状況」と訴え、講演を終えた。
なお、本講演のなかで重要なセキュリティ対策とあげられた暗号化の効果について、TCOの視点で調査されたレポートが下記よりダウンロードできる。モバイル機器の利用を検討している企業や、モバイルセキュリティに課題を感じている企業の担当者は、ぜひ参考にして頂きたい。
