どうする? 把握できない“シャドーIT”のリスク--情シス担当者が語る 「現場の悩み」 - (page 2)

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2014-07-02 12:00

[PR]情シス担当が今最も悩んでいる「シャドーIT」をテーマに、2社の担当者から匿名の形で現場の声を聞いた。

IT文化の定着が問題解決を遠ざける??

情A:もうひとつ「クラウド」を考える上で悩みがあります。弊社では、そうした「野良クラウド」の利用を止めるため、会社で法人向けのクラウドサービスを導入しました。しかし、社員側は個人でも利用しており慣れている「野良クラウド」サービスを利用してしまうんです。

結果的にせっかく導入した法人向けクラウドサービスはあまり使用されることがなくなってしまう。上層部にとっては、「使われないものに投資をする必要がない」となってしまうんです。

情B:その悩みは深いですね。

「使いかた」は現場である営業部が考えなければならない。しかし、営業部は「使いにくいから使いたくない」と言う。われわれ情シス担当が頭を捻っても、使う側が使ってくれなければ、投資額も減って行きセキュリティの穴を埋めることもできなくなります。

--主にファイルを含めて情報の共有はどのように行っているのでしょうか?

情A:弊社では、やはりまだまだメールが主流です。誰でも使えますし、何より無料である点が強いですね。しかし、スパムなど外部からの攻撃、送信データの制限、誤送信など人為的なミスによる情報漏洩が発生するリスクなど、情報共有としては不十分なんじゃないかと考えています。

情B:うちの会社では、オンラインストレージソフトウェアを使ってファイル共有は行っています。データはオンラインストレージで、連絡時候などはメールで行っています。

メールでは重いデータの送受信に時間がかかります。こうしたことを防ぐ意味でもオンラインストレージは便利なんです。

情A:理想的な状態ですね。

メールは時代遅れな面も出てきていますよね。既に十数年使われて続けてきているため、メールが“文化”として定着してきているのですが、すべてが良い文化ばかりではない。ccで送られたメールって読みますか?

--確かにccで送られてきても読みませんね。
メール文化が定着している会社の中には、「何か問題があったときの証拠になる」とメールの利用を続けているとも聞きます。そもそもメールで十分に情報共有がなされていないために、“問題”が起きるケースもあるのではないでしょうか。

情B:いま、働きかたの多様性が叫ばれていますよね。その中で、社員同士が社“外”からデータの送受信を行うケースも増えていくと考えられます。

メールだけに頼っていては、やはり社員は「会社にいたほうが働きやすい」と感じてしまい、在宅勤務の制度が上手く機能しなくなる可能性があると考えました。

情A:メールだとアカウントの管理も大変ですよね。退職した人がいたとき、情シス側でアカウントを削除しておかなければ、メーリングリストに登録されたままの人にはメールが届いてしまいますよね。また、サーバアカウントに紐づけていた場合は、さらに管理が大変になっていきます。

端末ごとに紐づけたアカウントの管理ができれば、情シス側も管理しやすくなるのですが…。

--「野良クラウド」が使われる背景には、そういったメールに対する信用性の薄さもあるのかもしれませんね。無料だし慣れているけど、実は社員側も「使いづらい」と感じているから、自ら効率化を狙って「野良クラウド」を利用するんでしょう。

情B:それは確かにあるように思います。

しかし、社員側の想いがまた情シス部門の仕事を増やす結果になっているのが実情でもあるように感じています。

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