EMMツールで包括的なモバイル管理の実現を
ヴイエムウェア
田辺 茂也氏
モバイルデバイスが業務の現場に導入されはじめたのはつい最近のことだが、その普及は急速に進み、今や企業ITに求められる重要な分野になりつつある。そうしたなか、これまでのモバイルデバイス管理は、紛失盗難時に遠隔で消去するリモートワイプに代表される事故対応が中心であったが、現在では、普段からモバイルを利活用するための仕組みとしての、エンタープライズモバイル管理(EMM)へと視野を拡げることが、モバイル導入成功のカギとなっている。
こうした流れを受けて、ヴイエムウェアのAirWatch セールスエンジニア、田辺 茂也氏は、「AirWatch by VMwareとHorizonで始める、モバイルITの徹底活用法」というテーマでセッションを実施。デバイス管理から仮想デスクトップまでの包括的なソリューションについて、デモを交えて解説した。
「AirWatch」は、一元化されたWebベースの直感的な管理コンソールで、すべてのデバイスを表示しつつ、シンプルかつ効率的に管理が行えるソリューションだ。日本語にも対応しているうえ、管理者と紐付けて言語を適用するといった機能も備えている。その大きな特徴は、25台から10万台までの端末を管理可能なスケーラビリティと、Android、Apple iOS、BlackBerry、Mac OS、各種Windows環境など、多様なデバイスを管理できるマルチテナント対応にある。
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「最新プラットフォームのリリース日には対応するというアップデートの迅速さも特徴の1つ。例えば、iOS 8の発表当日のうちに、新機能やバージョンによるグループ化に対応している」と田辺氏は説明した。
モバイルデバイス管理(MDM)からEMMへと進展を果たしている企業・組織には、様々なユースケースが存在する。それは医療分野では個人情報へのセキュアなアクセスであり、リテール業界では汎用端末による店舗端末としての利用、教育分野は端末の共有利用による教材・アプリの配付・一括購入、そして航空業界ではマニュアルのペーパーレス化といった具合だ。
ここで田辺氏は、多くの企業がモバイルデバイスを活用する際のよくあるケースとして、営業中の資料作成の依頼など、いくつかの場面を例示した。「重要な情報をいつでもどこでも安全なかたちで持ち歩きたいという場合には、まずどのようにすれば安全に持ち運べるのかを考えるようにしたい」
例えば、プレゼン資料の作成は社内PCで行い、外出先の環境でそれを訂正し、資料を使った商談はタブレットで、といったように、適材適所でツールを使い分けるとともに、どのツールからでも同じドキュメントにアクセスできることが重要なのである。
「どこからでも社内システムに安全にアクセスできるようにすることで、業務の効率化を図ることができる」と、語った田辺氏は、モバイルデバイスから社内のリソースにアクセスするなど、AirWatchを利用した各種ユースケースを会場に向けて実演して見せた。
「このように、EMMツールで適切かつ包括的にモバイル環境を管理することで、いつでもどこでもユーザーが使えるような状態にもっていくのが大切だ」と田辺氏は訴える。
セッションの後半では、AirWatchについてより突っ込んだ解説が行われた。AirWatchは、デバイス管理をベースにしつつ、その上でアプリケーション管理やコンテンツ管理、さらにはセキュアメールやセキュアブラウザまでを包含するソリューションとなる。アプリケーションのみ管理したい場合には、コンテナ管理機能も提供している。利用できるアプリケーションなど、機能制限をプライバシー設定に基づいて行えるため、BYODにも適している。さらに、企業のロケーションやビジネス組織、ユーザー・デバイスといった階層化した組織構造も定義可能であり、グローバル企業などで活用されている。
「定義済みの役割と、きめ細やかなカスタマイズを組み合わせることで、様々なニーズに柔軟に対応することができる点を知っておいて欲しい」と田辺氏。
AirWatchは主にSaaSでの提供となっているので、すぐに導入して運用することが可能だ。
「アップデートも頻繁に行っているので、まずSaaSで使いはじめるのを推奨したい。目下、「Horizon」との連携も進めている」と語った田辺氏は、フリートライアルプログラムについて紹介。「ぜひ実際のデバイスとAirWatchで体感をしていただきたい」と呼びかけた。