オフィスや家庭の電力を節約する電力制御システム「グリーンタップ」を開発

NECシステムテクノロジー株式会社

2009-11-06 00:00

NECシステムテクノロジー株式会社(本社:大阪市、執行役社長:鴨井功、以下NECシステムテクノロジー)はこのたび、電力制御・監視技術、センサ技術・ネットワーク技術を用いて、オフィスや家庭の無駄な電力を発見し、自動的に節約することができる電力制御システム「グリーンタップ」を開発しました。 本研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から受託した「エネルギー使用合理化技術戦略的開発事業」プロジェクトの一環として実現したものです。
「グリーンタップ」は、オフィスや家庭において、エコ機能を内蔵していたり、情報家電のようにネットワーク機能を持つような電気製品だけでなく、既存の電気製品も対象とした電力監視・制御プラットフォームであり、利用者の代わりに無駄な電力(メタボ電力※1)を細やかに発見し、利用者の生活快適性を考慮・維持したままでの電力制御が可能です。

グリーンタップは、インテリジェントタップと環境センサノードにより構成されます。
・インテリジェントタップ
CPU、電力計、リレー、電源ソケット、ZigBee無線※2、無線LANにて構成。CPUの指示によるリレー制御により、待機時消費電力をカット。また、電源ソケットごとの電力計測情報と、環境センサノードから得た環境情報を組み合わせ、電気製品のオン/オフスイッチ制御、リモコン制御など省電力制御ルールを実行。
・環境センサノード
照度、温度、湿度、風速、加速度、人感(2m範囲の人の有無)の6つのセンサを搭載し、ボタン型電池で半年以上駆動※3。センサノードが得た環境情報を、最大10mの距離でZigBee無線により送信可能。

インテリジェントタップで実現する電力制御機能の特徴は以下のとおりです。

①省電力制御ルール群とルール実行エンジンから構成
省電力制御ルールは、条件部と操作実行部で構成。条件部には、電気製品の使用状況や電気製品周囲の環境情報を使って特定の条件を記載。一方、操作実行部には、前記条件が満たされた場合にすべき操作列を記載。ルール実行エンジンは、定期的に省電力制御ルールの条件部を検査し、条件を満足するルールを見つけると、その操作実行部を実行する。省電力制御ルールを詳細に記載すればするほど、通常の人間生活では発見しにくいメタボ電力をあぶり出し、それらの無駄を削減することが可能になる。例えば、外出の多い時間帯は、PCモニターの状態をオフにしておき、ユーザが席にきた場合はオンにしたり、離席後長めの時間が経過した時には待機モードやオフにする、などの記載が可能。
これらの省電力制御ルールは、同時に開発した省電力シミュレータにて効果を試算することで、より効果的な省電力制御ルールを編集したり、追加することが可能になる。

②PMV(Predicted Mean Vote, 快適度)の指標を導入
電気製品の節約の程度と、人間の快適さの度合いは必ずしも両立しない。この点の解決に役立つのが、PMV(快適性を表す指数。1970年デンマーク工科大学のFanger教授によって発表された理論)値の算出であり、温度環境に関する6要素(空気温度、平均輻射温度、気温、温度、着衣量 、代謝量)の組み合わせに対する快適度を求めることが可能となる。複数のセンサからの環境情報を、既存の快適度のガイドラインに照らし合わせることで利用者の生活快適性を判断し、生活快適性を損なわない中で最大の省電力効果を得られるように機器を制御する。例えば湿度と風速センサ情報の組み合わせにより、扇風機を回してリモコンによりエアコンの温度設定を弱め、不快指数を上げずに快適に省電力を実現することなどが可能となる。

グリーンタップは、平均世帯の消費電力(4,209kwh)の15%以上の削減効果(Co2換算405kg/年、ブナの木約37本分の植樹相当)※4を目指します。

地球温暖化防止のために、温室効果ガスの削減努力が様々な業態で行われている中で、2008年の省エネルギー法改正では、これまでの大規模な工場などのエネルギー管理義務に加え、中小オフィス・事業所や一部のコンビニエンスストアなどでもエネルギー管理が義務付けられるなどの動きが出ています。このため、国内のエネルギー消費の約3割を占めると言われるオフィスや家庭などの省電力化が必要となっています。このようなごく小規模な環境は、工場などの一斉消灯などのように、大きく生活パターンを統制・変革することによる節電は困難であり、こまめな節電・省エネ制御が効果的となります。グリーンタップは、このようなニーズに応え、居住環境状況と家電の使用状況から無駄な電力消費を検出し、個々の電気製品をこまめに省電力制御するために実現したものです。

NECとNECシステムテクノロジーは今後、同システムの実証実験を行い実用化に向けた改良を進めるとともに、ビジネスモデルの確立のためにサービス事業者など各方面への提案活動を行っていきます。

NECは、省エネ化に向けたオフィスのコンセプト”オフィスまるごとエコ”を提案しています。「グリーンタップ」は、この一環として開発しました。NECとNECシステムテクノロジーは、11月5、6日の2日間、東京国際フォーラムにて開催されるイベント「C&Cユーザフォーラム&iEXPO2009」の“オフィスまるごとエコのコーナー”で「グリーンタップ」を展示いたします。
以上


<オフィスまるごとエコについて>
(リンク »)

<C&Cユーザフォーラム&iEXPO2009について>
(リンク »)


<本件に関するお客様からの問い合わせ先>
NECシステムテクノロジー システムテクノロジーラボラトリ 甲斐(カイ)
電話:0743-72-3591
eメール:kai-mxa@necst.nec.co.jp


<本件に関する報道関係からの問い合わせ先>
NEC コーポレートコミュニケーション部 飾森(シキモリ)
電話:03-3798-6511
    090-5433-7171
eメール:a-shikimori@ay.jp.nec.com

このプレスリリースの付帯情報

インテリジェントタップ

用語解説

※1 不在なのにTVがついている、十分明るいのに照明がついている、などの無駄な電力を指す造語。商標出願中(商願2009-074548)。
※2 ZigBee は、ZigBee Alliance Inc. の登録商標です
※3、4 当社独自試算による

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