組込みソフトウェアの実機レスシミュレータ「VisualSpec(R) for Embedded V1.5」を販売開始

~組込みソフトウェアの最悪実行時間解析機能を追加~

東芝ソリューション株式会社

2013-09-17 11:00

東芝ソリューション株式会社(本社:東京都港区、取締役社長:河井信三 以下、東芝ソリューション)は、組込みソフトウェアを開発しているお客様向けに実機レスシミュレータ「VisualSpec(R) for Embedded V1.5」を販売開始します。

 「VisualSpec(R) for Embedded V1.5」では新たに、組込みソフトウェアの最悪実行時間(以下 WCET※1)解析機能を追加しました。

 WCET解析機能は、組込みソフトウェアのソースコードを解析し、最長となる実行時間とその時の状態(実行パス、分岐条件、入力条件)を把握するためのツールです。

WCET解析機能は、以下のような課題をお持ちのお客様に効果的です。
 (1)WCET時間の計測精度
  実機の装置やハードウェアを使ってソフトウェアの実行時間を計測する方法では、全ての可能性を網羅した計測をすることが難しく、最悪ケースを見逃してしまう。

  ◎静的解析手法を採用しているため、テストデータの作成が不要かつ対話形式で簡単に最悪ケースを見つけ出すことが可能

 (2)実機完成前のソフトウェア性能評価
  リアルタイム性を重視する組込みソフトウェアは、定められた時間内に実行を完了することが求められるが、ソフトウェアを設計している段階で、ソフトウェアの実行時間を把握する手段がない。

  ◎パソコン上で解析できるため、実機のない上流工程での性能問題を事前に把握することが可能


■WCET解析機能の概要
 WCET解析機能には以下のような特長があります。

 ・静的解析によるWCET解析
  計測対象のCソースコードに対して、実機を使用せずに、ソフトウェアの演算時間の最大値の計測やその時の実行パス、入力条件等を解析することができます。
  解析は静的解析手法を採用しており、動的解析のように入力パターン作成を必要とせず、簡単に解析することができます。

 ・関数指定による解析
  解析対象は、関数一覧の中から関数を選択するだけで指定することができます。
  WCETは指定した関数及び指定した関数から呼び出される関数を網羅して解析を実行します。

 ・初期値、条件変数の指定
  関数を指定し解析を実行するだけで、WCETを計測できます。より精度の高いWCETを計測するために、初期値や分岐条件変数の値を簡単に入力し、実行パスを特定し計測することができます。

■「VisualSpec(R) for Embedded」基本機能の概要
 VisualSpec(R) for Embedded の基本機能である、実機レスシミュレーション機能は、ハードウェアが完成する前から、組込みソフトウェアのデバッグや検証が行えるため、開発プロセスのフロントローディング化を実現できます。


実機レスシミュレーション機能は、以下のような特長があります。

 ・高速なシミュレーション
  組込みソフトウェアをホストCPU上のネィティブコードとして実行するSILS※2方式で、高速実行が可能です。

 ・時間精度を模擬
  組込みソフトウェアに対してターゲットマイコンでの演算時間を模擬しているため、時間精度を有したシミュレーションを行えます。「VisualSpec(R) for Embedded V1.5」では、新規対応マイコンモデルとして、ルネサスエレクトロニクス社製R32Cマイコン及びV850E2マイコンを追加しました。
対応マイコンは以下の通りです。

プロセッサ・コア ターゲット・コンパイラ
ARM7,ARM9 RealView(RVCT 3.0),Green Hills Software
ARM Coretex-M3 RealView(MDK-ARM)
Toshiba TX49 Green Hills Software
MIPS64 5Kf Green Hills Software
RENESAS V850ES,V850E1,V850E2R Green Hills Software
RENESAS SH-2E ルネサス製 SuperH ファミリ用shcコンパイラ
RENESAS R32C ルネサス製 NC100コンパイラ


・豊富なデバッグ・解析機能
  ソースコード・デバッガ、プロファイラ、入出力信号・ソフトウェア変数観測機能などを備えています。

 ・カスタム環境の構築
  お客様のソフトウェア検証環境に合わせた、周辺機能、ハードウェアをVisualSpec(R) for Embedded上でモデル化することができます。また、3rdParty製のツールで作成したモデルと接続した検証環境を構築することが可能です。


 東芝ソリューションは、自動車や産業機器の製造業のお客様を中心に「VisualSpec(R) for Embedded V1.5」を提供してまいります。今後3年間でツールとサービスのご提供で5億円の売上を目指します。



■製品仕様について
パッケージ内容: 実機レスシミュレータ「VisualSpec(R) for Embedded V1.5」
対応OS : Windows(R) 7 SP1(32/64ビット版) / Windows(R) XP SP3(32/64ビット版)
日本語版のみ
構成例と価格(税別):
・WCET解析機能単体+追加マイコン一種(1年間タームライセンス)
 本体1,500,000円(1年毎に継続更新が必要。保守込み)
・WCET解析機能単体+追加マイコン一種(買切り(永久)ライセンス)
 本体3,000,000円、保守450,000円(保守は1年毎に更新が必要)
・実機レスシミュレータ(SWデバッグ向け。1年間タームライセンス)
 本体1,200,000円(1年毎に継続更新が必要。保守込み)

ライセンスについて:
・ライセンスはノードロックライセンスになります。
・ライセンス形態
 * 1年間ターム・ライセンス ノードロック型
  1年間(12ヶ月)ご使用いただけるライセンスです。保守が含まれております。
 * 買切り(永久)ライセンス ノードロック型
  永久ライセンスです。ただし、保守が含まれておりませんので、別途1年目から保守 ライセンスをご購入する必要があります。
※実機レスシミュレーション機能とWCET解析機能を利用される場合は、VisualSpec(R) for Embedded V1.5本体ライセンスとWCET解析機能オプションライセンスをご購入頂く必要があります。WCET解析機能のみ利用される場合は、WCET単体ライセンスをご購入頂く必要があります。


製品情報: (リンク »)

用語解説

※1 WCET:worst-case execution time
※2 SILS:Software In the Loop Simulation

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