2014年中堅・中小企業における「ワークフロー」の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2014年の国内中堅・中小市場における「ワークフロー」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2014-09-30 14:00

<僅差のシェアを争う状況が続く中、新たな機能ニーズを満たす先手の取り組みが有効> ■多種多様な製品/サービスがシェアを分ける市場では「次点の製品/サービス分析」が有効 ■SaaSの普及率を把握する場合は「グループウェアの付属機能かどうか?」にも留意が必要 ■中小企業層では「暗黙知化した業務の流れ」をフローとして具体化する機能が求められる
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2014年9月30日

2014年中堅・中小企業における「ワークフロー」の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高

ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2014年の国内中堅・中小市場における「ワークフロー」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2014年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「ワークフロー」カテゴリに関するサンプルおよびダイジェストである。


<僅差のシェアを争う状況が続く中、新たな機能ニーズを満たす先手の取り組みが有効>
■多種多様な製品/サービスがシェアを分ける市場では「次点の製品/サービス分析」が有効
■SaaSの普及率を把握する場合は「グループウェアの付属機能かどうか?」にも留意が必要
■中小企業層では「暗黙知化した業務の流れ」をフローとして具体化する機能が求められる


対象企業: 日本全国/全業種の500億円未満の中堅・中小企業
対象職責: 以下のいずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2014年7月~8月
有効回答件数: 1300社(有効回答件数) ※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 (リンク »)


■多種多様な製品/サービスがシェアを分ける市場では「次点の製品/サービス分析」が有効
以下のグラフはワークフローを導入済みの年商20億円以上~50億円未満および年商50億円以上~100億円未満のユーザ企業に対して、導入済みの製品/サービス(複数回答可)を尋ねた結果である。従来、リリース(兼ダイジェスト/サンプル)では全年商帯を対象とした全体シェアのみを掲載してきた。だが、中堅・中小企業におけるワークフロー製品/サービスのシェアは年商によって大きく異なり、全体のシェアだけでは実態を正しく把握することができない。そのため本年からは一部の年商帯についてのシェア状況をサンプル/ダイジェストとして掲載することにしている。
また、ワークフローにおいては多種多様な製品/サービスが少しずつシェアを分け合っているため、「同じ年商帯であっても製品Aから見た時に製品Bは日頃競合することがあまりない」といったことも起きやすい。本リリースの元となる調査レポート内では年商別/業種別だけでなく、「ある製品/サービスAを導入した企業が他に検討した製品/サービスを回答する」という設問(「次点の製品/サービス」)もあり、どの製品/サービスとどの製品/サービスが比較検討されているか?などの詳しいデータを掲載している。


■SaaSの普及率を把握する場合は「グループウェアの付属機能かどうか?」にも留意が必要
本リリースの元となる調査レポートでは13種類に及ぶ業務システムのそれぞれについて、システム運用形態についても集計/分析を行っている。以下のグラフは導入済みの最も主要なワークフロー製品/サービスについて、そのシステム形態を尋ねた結果である。各選択肢の意味合いは以下の通りである。
パッケージ(社内設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを自社で購入し、社内に設置して利用する。
パッケージ(データセンタ設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージを自社で購入し、データセンタに預けて運用する。
パッケージ(IaaS/ホスティング利用):
ハードウェア/OSのいずれも自社では購入せず、IaaS/ホスティングを基盤としてミドルウェアやパッケージを購入/導入して利用する。
独自開発システム(社内設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェアを自社で購入し、自社向けに独自開発されたシステムを社内に設置して利用する。
独自開発システム(データセンタ設置):
ハードウェア/OS/ミドルウェアを自社で購入し、自社向けに独自開発されたシステムをデータセンタに預けて運用する。
独自開発システム(IaaS/ホスティング利用):
ハードウェア/OSのいずれも自社では購入せず、IaaS/ホスティングを基盤として自社向けに独自開発されたシステムを利用する。
独自開発システム(PaaS利用):
ハードウェア/OS/ミドルウェアのいずれも自社では購入せず、PaaSを基盤として自社向けに独自開発されたシステムを利用する。
ASP/SaaS利用:
ハードウェア/OS/ミドルウェア/パッケージのいずれも自社では購入せず、ASP/SaaS形態のサービスを利用する。
以下のグラフを見ると、「パッケージ」によるシステム形態が7割近くを占めていることがわかる。また、「ASP/SaaS利用」は7.6%と業務アプリケーション全般の中では比較的高い値となっている。だが前頁における年商20億円以上~50億円未満のグラフ例が示すように、中小企業層(年商5億円以上~50億円未満)では「グループウェアに付属のワークフロー機能を利用」という割合も高い。そのため、グループウェアにおいてASP/SaaSの利用割合が高いことが影響していることも考慮に入れておく必要がある。このようにワークフローのシステム運用形態を考える上では、「ワークフロー単体の導入か?それともグループウェアやERPに含まれる機能の1つとして利用しているか?」という点も押さえておくことが重要である。


■中小企業層では「暗黙知化した業務の流れ」をフローとして具体化する機能が求められる
本リリースの元となる調査レポートでは13種類の業務アプリケーションのそれぞれについて、「ユーザ企業が満足している機能は何であり、今後求めている機能は何であるか?」や「ユーザ企業が抱えている課題は何であり、その解決策としてどのような機能が求められるか?」を詳しく尋ねている。その際の設問内容は当然ながら13種類の業務アプリケーションですべて異なる。
以下のグラフはワークフローを導入済みの年商20億円以上~50億円未満のユーザ企業に対して、製品/サービスが持つべき機能や特徴(今後のニーズ)を尋ねた結果である。
「導入時の初期費用が安価である」が36.6%で最も多く挙げられているが、別途尋ねた「最も重要な課題」(本リリース内ではグラフは省略)では、「導入後の保守/サポート費用が高価である」が突出して多く挙げられている。そのため、ユーザ企業は初期費用を重視する傾向にあるが、導入後の満足度も考慮すると保守/サポート費用の負担がどれくらいになるか?を導入段階できちんと明示しておくことが重要と考えられる。
機能に関連した項目としては「PCの操作状況から全体の業務フローを把握できる」(24.4%)の回答割合が比較的高い。中小企業層では業務の流れが暗黙知となっており、業務フローの定義/作成がワークフロー活用の障壁となることもある。各社員のPC操作状況から業務フローの大まかな流れを自動生成できれば、こうした障壁を大きく下げられる可能性がある。こうした機能は高機能なBPM(ビジネスプロセスマネジメント)の製品/サービスでは備えているものもあるが、中堅・中小企業向けのワークフローではほとんど見られない。もし価格上昇や複雑な操作を伴わずにこうした機能を実現することができれば、中小企業層向けのワークフロー製品/サービスにおいては大きな差別化要因になると考えられる。
本リリースの元となる調査レポートでは他の年商帯における課題やニーズ、シェア上位の製品/サービスに関してユーザ企業が満足している機能や特徴についても詳しく集計/分析を行っている。


■調査実施時に選択肢として挙げた製品/サービス一覧
本調査においては、ワークフローを「業務における申請/承認の管理/設定や実行を担うアプリケーション」と定義している。この定義に基づいて、アンケート回答者はワークフローを含む13種類のアプリケーションカテゴリから導入済みのものを選び、選ばれたカテゴリの中から導入済みの製品/サービス名称を選択する。
ワークフローの製品/サービスはERPを構成するラインアップの1つやグループウェアの1機能として提供されているものと、単体のアプリケーションとして提供されているものがある。個々の製品/サービスがどちらに該当するかの認識は開発元/販売元とユーザ企業の間で必ずしも一致しない。そのため仮に製品/サービスは同じであっても、それを「ERPやグループウェアの一部」と見なしているか、「個別のアプリケーション」と見なしているのかによって本調査における回答状況は変わってくる。本調査においてはこういった違いそのものも「中堅・中小企業におけるワークフローの活用実態」を反映する重要な傾向と捉え、回答企業の認識をそのまま結果に反映している。
ワークフローの製品/サービスとしてのシェアや評価はワークフローに関する「分析サマリ」の中で全て網羅されているが、「自社の製品/サービスは単体のワークフローとしてだけでなく、ERPまたはグループウェアの一部も構成しているという場合はERPやグループウェアに関する「分析サマリ」も併せて参照することでさらに有用な情報を得られる可能性がある。(双方の「分析サマリ」が調査レポートの中に同梱されている)
また、以下の選択肢は過去の調査結果に基づいて、自由回答の中から多く挙げられたものは選択肢として新たに取り上げ、逆に一定期間以上シェア数値がないものは割愛するといった形で年毎に調整を行っている。

FlowLites,EXPLANNER/FL NEC
CNAP Workflow Pro コムチュア
Intra-mart NTTデータイントラマート
InfoAGORAワークフロー NTTデータ三洋システム
X-Point/Agile Works エイトレッド
パソコン決裁DocGear シヤチハタ
Web Plant キヤノンソフトウェア
Business Workflow 新日本コンピュータマネジメント
eValue NS/Advance-Flow OSK(大塚商会)
楽々Workflow II 住友電工情報システム
ZeroGravity JSOL
ExchangeUSEワークフロー エフ・エフ・シー
Cosminexus 電子フォームワークフローセット 日立製作所
Hi-PerBTウェブ申請 日立ソリューションズ西日本
快速フロー 日立システムズ
StampLess リコー
OpenCubeシリーズ OpenCube DATA LLP
GreenOffice Workflow 京セラコミュニケーションシステム
Interstage Form Coordinator Workflow 富士通
SmartWorkflow CSK Win テクノロジ
MajorFlow パナソニックネットソリューションズ
総二郎 パナソニックネットソリューションズ
Create!XfWebフロー インフォテック・アーキテクツ
MELDandy 三菱電機情報ネットワーク
GlobalFlow パナソニックソリューションテクノロジー
Xuras Workflow ビーコンIT
コラボフロー コラボスタイル
認太郎 武藤工業
Dailywork ナチュラシステムズ
ワークフローEX ナルボ
Approval Flow(サイボウズ製グループウェアは除く) サイボウズ
ERPに付属のワークフロー機能を利用
グループウェアに付属のワークフロー機能を利用
その他のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(完全なスクラッチ開発)


本リリースの元となっている「2014年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
(リンク »)
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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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