中堅・中小企業における業務アプリケーションのクラウド/スマートデバイス活用動向

ノークリサーチは中堅・中小企業における業務アプリケーションのクラウド/スマートデバイス活動動向に関する分析結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2015-03-02 14:00

<業務アプリケーションの全体像を見渡すと、取り組むべき方向性が見えてくる> ■基幹系/情報系/顧客管理系/運用管理系といった全分野を俯瞰した現状の把握も大切 ■クラウド/スマートデバイス活用の観点から、業務アプリケーションは3通りに分類できる ■SaaS活用の訴求では業務アプリケーション本体だけでなく、その周辺に目を向けてみる ■スマートデバイス活用の訴求では売上向上に直結する活用シーンを業種別に提示する
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2015年3月2日

中堅・中小企業における業務アプリケーションのクラウド/スマートデバイス活用動向

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業における業務アプリケーションのクラウド/スマートデバイス活動動向に関する分析結果を発表した。本リリースは以下の既刊調査レポートの一部を編纂したものである。(調査におけるサンプル条件などについては各レポート案内URLを参照)
「2014年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」 (リンク »)
「2014年版 中堅・中小ユーザ企業におけるクラウド活用の実態と展望レポート」 (リンク »)
「2014年版 中堅・中小ユーザ企業におけるスマートデバイス活用の実態と展望レポート」 (リンク »)


<業務アプリケーションの全体像を見渡すと、取り組むべき方向性が見えてくる>
■基幹系/情報系/顧客管理系/運用管理系といった全分野を俯瞰した現状の把握も大切
■クラウド/スマートデバイス活用の観点から、業務アプリケーションは3通りに分類できる
■SaaS活用の訴求では業務アプリケーション本体だけでなく、その周辺に目を向けてみる
■スマートデバイス活用の訴求では売上向上に直結する活用シーンを業種別に提示する



■基幹系/情報系/顧客管理系/運用管理系といった全分野を俯瞰した現状の把握も大切
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業を対象に、基幹系/情報系/顧客管理系/運用管理系の13種類におよぶ業務アプリケーション分野について、それぞれの「クラウド利用率(SaaS利用率)」を横軸、「スマートデバイス利用率」を縦軸としてプロットしたものである。
「クラウド」と「スマートデバイス」は中堅・中小企業における業務アプリケーション活用を考える上で、今後も重要なトピックの一つといえる。だが、中堅・中小のユーザ企業は現状維持志向も強い。そのため、既存の業務アプリケーションをクラウドへ移行したり、スマートデバイスに対応したオプション画面を提供するといった取り組みだけでは十分に訴求することが難しい。
以下では業務アプリケーション全体を俯瞰した時の「クラウド」および「スマートデバイス」の訴求ポイントについて見ていくことにする。


■クラウド/スマートデバイス活用の観点から、業務アプリケーションは3通りに分類できる
以下の図版は冒頭に挙げたグラフに業務アプリケーションのカテゴリ分けの表記を加えたものだ。
【SaaS利用率】
各業務アプリケーションを導入しているユーザ企業に対し、「(パッケージの)自社内設置」「(パッケージの)サーバールームやデータセンタへの設置」「SaaS形態(ASPも含む)」のいずれであるか?(単一回答)を尋ねた結果の「SaaS形態」の数値。
【スマートデバイス利用率】
各業務アプリケーションを導入しているユーザ企業に対し、端末形態(デスクトップPC、ノートPC、スマートフォン、タブレットなど)を複数回答形式で尋ね、そのうちのスマートフォンとタブレットの値の平均値をとったもの。「運用管理系」では管理の対象となる端末、それ以外の分野では業務アプリケーションを利用する際の端末を意味する。
13種類の業務アプリケーションは大きく分けて以下の3つのカテゴリに分けることができる。
[カテゴリ1] 「SaaS利用率」と「スマートデバイス利用率」が共に高いもの
[カテゴリ2] 「SaaS利用率」は低いが、「スマートデバイス利用率」は比較的高いもの
[カテゴリ3] 「SaaS利用率」と「スマートデバイス利用率」が共に低いもの
[カテゴリ1]には「グループウェア」「ワークフロー」「CRM」といったように以前からASP形態での導入が見られ、フィーチャーフォンからも利用できていた分野が含まれている。昨今ではオンラインストレージサービスの登場により、文書管理の分野もこのカテゴリに含まれるようになってきている点に留意する必要がある。
[カテゴリ2]は「SaaS利用率」は低い値となっているが、中堅上位企業においては「ERPのIaaSへの移行」などのクラウド活用が見られる点にも注意が必要だ。また、「バックアップ」についてはスマートデバイスにデータを残す手法と画面のみを表示させる手法のどちらが多くなるか?によってカテゴリ2とカテゴリ3のどちらに入るかが変わってくるものと予想される。
[カテゴリ3]については「クラウド」と「スマートデバイス」のいずれも訴求が難しいように思えるが、次頁以降で述べるように工夫次第では新たなアプローチを展開できる可能性がある。
上記データの元となる「2014年版 中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」(レポート案内は5頁に記載)では13種類の業務アプリケーションの「SaaS利用率」や「スマートデバイス利用率」についての詳しい集計と分析を行っている。


■SaaS活用の訴求では業務アプリケーション本体だけでなく、その周辺に目を向けてみる
[カテゴリ2]や[カテゴリ3]は「個別のカスタマイズやシステム連携が障壁となる」(主に基幹系)や「管理/運用における作業や担当を変えたくない」または「社外のサービスに委託することでのコストメリットが明確でない」(主に運用管理系)などといった理由によってSaaSへの移行が難しくなるケースも少なくない。だが、SaaS活用の訴求方法は「業務アプリケーション本体をSaaSに移行する」だけではない。以下のグラフはSaaSを導入済み/導入予定の中堅・中小企業(年商100億円未満、IT関連サービス業は除く)に対し、「どのような分野のSaaSを導入済み/導入予定か」を尋ねた結果である。ここで高い値を示しているのが、「業務補完型サービス」である。
「業務補完型サービス」 とは、『業務アプリケーション本体は従来通りユーザ企業の社内で構築/運用し、それを補う形でSaaSを組み合わせる』といった形態のSaaSを指す。代表例としては以下のようなものが挙げられる。
「データ入力画面サービス」
小規模拠点向けに会計データなどの入力画面を提供するサービス。 例) オービックビジネスコンサルタントの「奉行クラウドオプション」など
「ファイル転送サービス」
請求書や見積書などのファイルを安全かつ確実に相手に送るサービス。 例) コクヨS&Tの「@Tovas」など
「業務データ変換サービス」
海外の会計データを変換するなど、業務上必要なデータ変換を行うサービス。 例) 日立システムズの「明朗快計」など
以下のグラフは上記3つの代表例について、導入済みまたは導入予定のユーザ企業の割合を年商5億円未満の企業層を対象にプロットしたものだ。
低年商帯の企業層においてもこうした業務補完型サービスのニーズは高いことがわかる。
クラウド活用を訴求する際は業務アプリケーション本体だけでなく、その周辺にも目を向けることが重要と考えられる。
上記データの元となる「2014年版 中堅・中小ユーザ企業におけるクラウド活用の実態と展望レポート」 (レポート案内は5頁に記載)では上記以外の有望な業務補完型サービス分野などについて詳しい集計や分析を行っている。


■スマートデバイス活用の訴求では売上向上に直結する活用シーンを業種別に提示する
[カテゴリ3]においては「既存の操作画面をスマートデバイス対応しても、ユーザ企業側が投資意向を示さない」という悩みを耳にすることが多い。その理由を知るためのヒントとなるのが以下のグラフである。これはスマートデバイス活用に取り組み済み/取り組み予定の年商100億円未満のユーザ企業に対して、スマートデバイス導入/検討に至った目的や背景を尋ねた結果だ。「オフィス以外の場所で業務をこなせる場面を増やしたい」(=既存の操作画面をスマートデバイス対応することで満たせるニーズ)も27.0%と高い値を示している。だが、「スマートデバイスが普及しつつある状況をビジネスに活かしたい」は36.0%とさらに高くなっている。また、この項目は経営層においてより多く挙げられる傾向がある。つまり、ユーザ企業側は単なる利便性の改善だけでなく、売上向上などのプラス効果を期待していることになる。これが販売・仕入・在庫管理などの[カテゴリ3]に属する業務アプリケーションを単にスマートデバイス対応させただけでは十分ではない大きな要因の一つだ。
例えば、アパレル小売店において「販売する服飾のカタログをタブレットに格納し、それを店員が顧客に見せる」という活用シーンを考えてみる。カタログをタブレットで見せるだけでは単なる「ペーパレス化」で終わってしまうが、タブレットが備えるカメラ機能やタッチパネル機能を活用し、「顧客が持つ会員カードを読み取り、前回の購買履歴を踏まえた商品を表示する」「顧客がタッチした商品を記録しておき、次回以降の商品紹介などに役立てる」(ただし、事前のパーミッションは必要)などを行えば、クロスセル/アップセルの機会を生み出すことができる。このようにスマートデバイス活用の訴求においては業種毎の業務シーンを踏まえた上で、売上向上につながる活用シーンを提示することが不可欠といえる。
上記データの元となる「2014年版 中堅・中小ユーザ企業におけるスマートデバイス活用の実態と展望レポート」(レポート案内は5頁に記載)では様々な業種における有望な活用シーンなどについて詳しい分析を行っている。


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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
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