生産の現場は、めまぐるしく変わる市場ニーズ、生産拠点のグローバル化や国内回帰など、市場を取り巻く環境と数々の課題への対策を迫られています。また一方で、ドイツ発の新しいコンセプトであるIndustrie4.0や、アメリカ発のIndustrial Internetなどで提唱されている新しい取組みへの対応も求められています。
東芝ソリューションでは、工程進捗管理を中心としたMESソリューションであるLotViewer(R)を2003年よりご提供してきました。今回「次世代ものづくりに求められる機能」として、ダイナミックディスパッチ機能やOPC UAインタフェース*2、ビックデータ連携機能などを強化したMESソリューションをリリースします。これにより、より高度な自動化生産や製造装置/PLCとの連携等が行えるようになり“つながる工場“の実現が可能となります。
■次世代化を見据え実現した機能
・自動化機能(ダイナミックディスパッチ機能、自動搬送インタフェース機能)
自動化生産機能として、「ダイナミックディスパッチ機能」及び「自動搬送インタフェース機能」の強化を行いました。ダイナミックディスパッチ機能としては、各工程での装置処理待ち状態の場合に、どのロットを着工するかを判断し指示する着工ディスパッチ機能と、装置での加工完了時に次工程への搬送指示する搬送ディスパッチ機能を搭載しました。また、搬送ディスパッチと連携した自動搬送指示インタフェース機能により、自動搬送設備との連携が可能となりました。これら機能により、「自律的な自動化生産の実現」のベース機能を実現しました。本機能は、半導体製造や電子デバイス製造における自動化生産プロセスへの適用をはじめ、自動化生産を進める他の業種への適用が可能です。
・OPC UAインタフェースへの対応
装置連携・制御での国際規格インタフェースであるOPC UA規格への対応を行いました。OPC UAはセキュリティを担保しながら、グローバルでの水平・垂直方向への接続性を確保した標準インタフェースであり、”つながる工場”実現へ向け必要な機能を満たした標準インタフェースです。
今回、いち早くMESソリューションへOPC UAインタフェース対応を搭載し、MESと現場装置(PLC/CNC/ロボット/RFIDなど)との接続がセキュアな統一ネットワークにて構築可能となりました。将来的には、サイバーフィジカルシステム(Cyber Physical System)実現につながっていくものと考えております。
・ビックデータ連携機能
昨今、装置の稼働状況や周囲の温湿度や振動といった製造プロセスに関わるデータをM2M/IoT*3技術を活用して収集し、製品品質や生産性向上に反映させる『製造ビックデータ』の活用が検討されており、今回MESソリューションとビックデータ分析基盤とを連携させる機能を搭載しました。
MESと分析基盤が連携することにより、ビックデータ分析側では、MESが持っているイベント情報(着完工のデータや装置状態など)を使った分析が可能となり、またMESソリューション側では分析結果をフィードバックする(例えば異常検知した結果をMESが受け取り、現場操業に反映させる)ことが行えるようになり、ビックデータを駆使したより高度な自動化生産が可能となります。
東芝ソリューションは、MESソリューションを生産現場での中核となるソリューションとして据え、今後、さらに機能を充実させて行くことで、真の“つながる工場”の実現を目指していきます。また、今回発表するMESソリューションを含め他のMeisterシリーズ(PLMMeister(R)、ProcureMeister(R)など)とともに、次世代ものづくりのバリューチェーンを支えるICTソリューションとして展開していきます。
※PLMMeister、ProcureMeister、LotViewerは、東芝ソリューション株式会社の登録商標です。
※本文中の商品名または会社名は、各社の商標または登録商標の場合があります。
このプレスリリースの付帯情報
用語解説
*1 MES(製造実行システム)=Manufacturing Execution System
*2 OPC UA=OPC Unified Architecture
(OPC=Object Linking and Embedding for Process Control )
OPC UAは、国際業界標準化団体であるOPC協議会(OPC Foundation)がSOAP/XML/Webサービスを基盤として開発した標準インタフェース。産業オートメーション分野やその他業界における安全で信頼性あるデータ交換を目的としており、プラットフォームに依存せず、セキュリティレベルが高くかつ情報モデル構造を持つ汎用性の高い通信規格。
*3 M2M/IoT M2M=Machine to Machine/IoT(モノのインターネット)=Internet of Things
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