「オリンピック1000日前」を迎える今、本当に考えるべきは何か? 2020年はビッグチャンス!芸術文化を社会のエンジンに

公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京

From: Digital PR Platform

2017-10-13 16:16


2020年五輪の開催地が東京に決定して以降、最近の五輪報道で目立つのは、会場、予算、エンブレム等ネガティブな話題ばかり。世の中で巻き起こっている議論の焦点が負の側面に集中し、五輪の開催自体への批判すら生まれています。
一方、今月10月28日には「オリンピック1000日前」を迎え、五輪に向け益々気運が高まりつつあります。これを機に、「東京五輪に向けて本当に必要なことは何なのか」、ポジティブな議論をしていくべきなのではないでしょうか。

■五輪における文化プログラムの重要性 ~都市の発展につなげたロンドン大会の成功~
オリンピック・パラリンピックといえば、スポーツの祭典というイメージが強いですが、「文化の祭典」でもあります。開催国の日本が誇る文化を世界に発信し、また世界各国と文化で交流し、五輪後にも残るレガシーとする、またとないチャンスなのです。それは、4年間で約17万件の文化プログラムを展開し五輪成功の一翼を担ったといわれる2012年ロンドン五輪が証明しています。
例えば、ロンドン五輪における文化プログラム約17万件は、ロンドンだけでなく、イギリス全土の中小都市約1000ヶ所で行われ、204の国と地域から、4万人を超えるアーティストが参加。4年間で4340万人が文化プログラムに参加したといわれています。英国は、大規模で先進的な文化プログラムの展開により、都市としての価値を大きく向上させたのです。

■「芸術文化体験についての実態調査」~東京都民の「文化・交流」レベルはどれくらい?~
世界各国の人々、メディアが東京に集結する2020年は、ホスト国として日本が誇る芸術文化を世界に発信するまたとないチャンス。開催都市となる東京に住む人々は、どれほど芸術文化に親しんでいるのでしょうか。アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)は、2017年8月に、都内在住の18歳~69歳の男女1100人に対し、「芸術文化体験についての実態調査」を実施いたしました。

〈調査結果サマリー〉
1. 8割以上が、「芸術文化を“ライブ”で体験・鑑賞することは大切」と回答
10代~60代の男女の78.2%が「芸術文化に興味がある」と回答しており、その理由としては、「好きだから(79.8%)」が最も多く、次いで「知識や教養を養うことができるから(28.1%)」となりました。また84.4%が、「芸術文化を“ライブ”で体験・鑑賞することは大切」と回答。関心度の高さが明らかになりました。

2. 一方、過去1年間の芸術文化体験の頻度は? 「月1回」以上は、約2割程度
過去1年間の芸術文化体験の頻度を見てみると、文化体験への関心に反して、月に1回以上、ホール、映画館、美術館などに直接足を運んで芸術文化を体験・鑑賞している人は、23.4%という低い結果に。体験・鑑賞をしない/しないと思う理由としては、「お金がかかるから(48.5%)」、「時間がなかなかとれないから(35.5%)」などが挙げられました。

3. 芸術文化体験の中身を見てみると・・・? “ライブ”体験の機会が圧倒的に少ない
過去1年間に足を運んで体験・鑑賞したものを問うと、「舞踊(バレエ、ダンス等)」、「伝統芸能(歌舞伎、能・狂言等)」、「芸能(お笑い、漫才等)」など、“ライブ”で楽しむ分野の体験機会が圧倒的に少なく、年代によっては1割にも満たないほど。「映画」は約7割で体験機会が多く、それに次ぐのが「美術(絵画、彫刻等)」、「音楽(オーケストラ、ロックフェス等)」などで、ともに4割程度という結果でした。

4. 都民が求めているのは、「無料」「街中で開催」のアートイベント!
日常的に芸術文化に触れている人は少なかったものの、関心度自体は高い。「どのようなアートイベントなら足を運んで体験・鑑賞したくなると思うか?」という問いに対しては、「無料であること(49.9%)」、「街の広場などで開催され、予約が必要ない(35.5%)」が目立つ結果となりました。

【調査結果】
今回の調査結果から、全ての年代において芸術文化体験への興味・関心度は高いものの、日常的に直接足を運んで体験・鑑賞をする人は少ないということが明らかになりました。原因として多く挙げられたのは、交通費やチケット代などのお金がかかることや、時間が中々とれないこと。だからこそ、「無料である」、「街の広場などで開催され、予約が必要ない」といったアートイベントであれば足と運びたくなると回答した人が多いという結果になりました。

<調査概要>
調査名:芸術文化体験についての実態調査
調査主体:アーツカウンシル東京
調査方法:インターネット調査
調査対象:東京都の18歳~69歳の男女 1100人
調査期間:2017年8月10日~8月15日

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■「文化プログラム」とは?
IOCが定めるオリンピック憲章に、「オリンピズムはスポーツを文化、 教育と融合させ、 生き方の創造を探求するものである」と明記されています。この精神に基づき、アーツカウンシル東京は、文化面のレガシーを2020年以降に継承し、文化都市東京として、映画、音楽、美術、演劇、伝統芸能等、現在様々なジャンルの「文化プログラム」を、街中の広場など、野外での開催を中心に展開しています。「文化プログラム」が盛り上がれば、日本が誇る芸術文化の魅力を世界に発信する機会が増加します。2020年に向けて、今、東京のいたるところで行われる趣向を凝らした多彩な「文化プログラム」に足を運んでもらい、オリンピック・パラリンピックの「参加者」として開催気運を高めていただきたいと思っております。

■アーツカウンシル東京が推進する、2020年に向けた「文化プログラム」
現在2020年に向けてアーツカウンシル東京が展開している文化プログラムの代表事例が、「東京キャラバン」「TURN」という2つのプロジェクト。

「東京キャラバン」は、劇作家・演出家・役者である野田秀樹氏の発案により、多種多様なアーティストが出会い、“文化混流”することで新しい表現が生まれるというコンセプトを掲げ、日本各地に出現し繰り広げられる「文化サーカス」。3年目となる今年は、京都、東京・八王子、熊本で開催しました。「TURN」は、異なる背景や習慣を持った人々が関わり合い、さまざまな「個」の出会いと表現を生み出すアートプロジェクト。一人ひとりの”その人らしさ”を尊重することのできる、より豊かな関係性の創造を目指し、アーティストの日比野克彦氏監修の下プロジェクトを推進し、今年5月に年間プログラムを発表。8月には「TURNフェス3」も実施しました。

また、「東京文化プログラム助成」という助成事業、「東京文化プログラム公募事業」という委託事業を積極的に展開し、2020年に向けた文化プログラムの推進に寄与しています。いわゆる芸術文化のジャンルである音楽や演劇、美術などに限らず、テクノロジー分野との融合など、新しい表現の創造、新しい技術開発などの未来に向けたチャレンジも、五輪後のレガシーになりうる文化プログラムとして、積極的に支援を行っています。

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●2020年は日本の芸術文化にとって大きなチャンス。この機会をどう活かすかが重要
アーツカウンシル東京 オリンピック・パラリンピック文化戦略担当課長 石綿 祐子
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■2020年をきっかけに、日本の文化をどう進化させるか
「2020年は、芸術文化にとって大きなチャンスであり分岐点であると捉えています。まず、次世代のアーティストが文化プログラムの創造にチャレンジできる機会であること。若いアーティストたちには、ぜひこのチャンスを掴んでステップアップしてほしいと思っています。また、演劇、音楽、美術、伝統芸能など日本が誇る魅力的な芸術文化を世界に発信する機会であること。まだまだ世界に知られていない日本や東京の魅力を、芸術文化を通して世の中に発信していくことができるでしょう。
普段芸術文化にあまり触れない人や、国内だけでなく海外にも積極的に情報発信し、その魅力を知っていただきたいです。この機会をどう活かせるか、しっかり考え実行していくことがアーツカウンシル東京の役割だと考えています。」

■2020年に向けて
「アーツカウンシル東京は、芸術団体への助成・アートプロジェクトの開催といった事業を通して、2020年に向けた文化プログラムの創造を推進しています。現在進行形の事例として、野田秀樹さん監修の『東京キャラバン』と、日比野克彦さん監修の『TURN』などのプログラムが進んでいます。2020年に向けて他にも様々なプロジェクトがこれから動き始めます。」

■その他にも、アーツカウンシル東京がこの秋展開する、街中で行われる「文化プログラム」
・「東京芸術祭2017」/日程:9月22日(金)~12月4日(月)/場所:池袋エリア
国内外の先鋭的な舞台作品や親しみやすい演劇作品などを上演、また街中でのプログラムも実施する国際舞台芸術祭です。(参加事業:フェスティバル/トーキョー、芸劇オータムセレクション、としま国際アートカルチャー都市発信プログラム、アジア舞台芸術人材育成部門)

・「MOTサテライト2017秋」/日程:10月7日(土)~11月12日(日)/
場所:清澄白河エリア、東京藝術大学・アーツ・アンド・サイエンス・ラボ
東京都現代美術館が改修のための休館中に、清澄白河地域周辺のギャラリーやカフェなどの協力を得て開催するアートプロジェクトです。作品展示だけでなく、ワークショップ、パフォーマンス、トークイベントなど多彩なプログラムを提供します。第2回目となる今回は、様々な視点からのプロジェクトを地域と連携して展開します。

・「アンサンブルズ東京2017」/日程:10月15日(日)/場所:東京タワー
音楽家・大友良英のディレクションのもと、「プロジェクトFUKUSHIMA!」と共に、参加したすべての人たちが、それぞれの立場やあり方を超えて、自分たちの手で音楽の場を作り上げる音楽祭です。今年のゲストはUA、坂本美雨等。

・「東京大茶会2017」/日程:10月21日(土)・22日(日)/場所:浜離宮恩賜庭園
都内の庭園において、様々な茶道の流派が一堂に会する大規模な茶会を催し、お茶の文化とそれを育んできた江戸・東京の文化を国内外へ紹介します。本格的な茶席をはじめ、秋空の下で楽しむ野点や初心者向けの茶道教室など、茶道に馴染みのない方や海外の方などが「お茶の文化」に親しみ、気軽に楽しめる茶会です。

・「神楽坂まち舞台・大江戸めぐり2017」/日程:11月11日(土)・12日(日)/場所:神楽坂エリア
伝統と現代が融合する神楽坂エリアの毘沙門天善國寺や赤城神社、神楽坂通り、石畳の路地などを舞台に、数々の粋でスタイリッシュな伝統芸能ライブを開催します。また、芸者衆とのお座敷遊び体験、スタンプラリーなど、外国の方や若い世代の方も、誰もが気軽に楽しく日本の伝統文化・芸能、そして“まち”と出逢える2日間です。

・「Shibuya StreetDance Week 2017」/日程:12月3日(日)/場所:渋谷
ストリートダンサーの聖地と言われる渋谷から、ストリートダンスの魅力や本質的な価値を様々な形で発信し、子供から大人まで幅広い層の方々が参加できるストリートダンスの祭典を開催します。

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■オリンピック1000日前~2020年に向けて
「オリンピック1000日前」を迎え、スポーツだけではなく文化を盛り上げていこうという動きが加速しています。その象徴ともいえるのが「文化プログラム」。東京のいたるところで多種多様なアートイベントが開催されています。しかし、アーツカウンシル東京が8月に実施した「芸術文化体験についての実態調査」の結果にも表れているように、人々は文化芸術に高い関心を持っている一方で、実際にはなかなかライブ体験する機会がない現状があります。2020年に向けて、これまでにない
ほど「文化」に注目が集まる今、文化芸術を社会の原動力としていくためには、誰もが自由に参加できる「文化プログラム」をもっと身近なものとして浸透させていく必要があるのではないでしょうか。
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