2018年 IBMによるRed Hat買収が中堅・中小のサーバ市場やIaaS/PaaSシェアに及ぼす影響

ノークリサーチはIBMによるRed Hat買収がサーバ市場やIaaS/PaaSシェアに及ぼす影響に冠する分析結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2018-10-31 13:00

<Linux OSの領域だけでなく、IaaS/PaaSも含めた広い視点で今後の動向を注視すべき> ■「RHEL」を導入しているユーザ企業は「仮想化/コンテナ活用」や「クラウド移行」に前向き ■ Linux系およびUNIX系において中堅・中小企業の導入社数シェアが最も高いのは「RHEL」 ■「RHEL」導入企業のクラウド移行を誰が支援するのか?が今後のIaaS/PaaSシェアを左右
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2018年10月31日

2018年 IBMによるRed Hat買収が中堅・中小のサーバ市場やIaaS/PaaSシェアに及ぼす影響

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)はIBMによるRed Hat買収がサーバ市場やIaaS/PaaSシェアに及ぼす影響に冠する分析結果を発表した。本リリースは「2018年版 中堅・中小企業におけるサーバ/ストレージ活用の実態/予測レポート」および「2018年版 中堅・中小IT活用シーン別クラウド導入の実態/予測レポート」に基づく考察を記述したものである。


<Linux OSの領域だけでなく、IaaS/PaaSも含めた広い視点で今後の動向を注視すべき>
■「RHEL」を導入しているユーザ企業は「仮想化/コンテナ活用」や「クラウド移行」に前向き
■ Linux系およびUNIX系において中堅・中小企業の導入社数シェアが最も高いのは「RHEL」
■「RHEL」導入企業のクラウド移行を誰が支援するのか?が今後のIaaS/PaaSシェアを左右


本リリースの元となる調査レポート
「2018年版 中堅・中小企業におけるサーバ/ストレージ活用の実態/予測レポート」
(リンク »)
「2018年版 中堅・中小IT活用シーン別クラウド導入の実態/予測レポート」
(リンク »)


■「RHEL」を導入しているユーザ企業は「仮想化/コンテナ活用」や「クラウド移行」に前向き
2018年10月29日(日本時間)、IBMがRed Hatの買収を発表した。Red Hatは「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」などのLinuxディストリビューションで広く知られているが、クラウドプラットフォームの「OpenStack」、ミドルウェアの「JBOSS」、コンテナ管理の「OpenShift」など、オンプレミスとクラウドに跨る幅広いシステム基盤を提供している。 したがって、IBMがRed Hatのこうした資産を自社のIaaS/PaaS関連ビジネスにどう活かしていくのか?も注目される。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「オンプレミスのサーバ環境における今後の更新手段」を尋ねた結果を導入済みサーバOS別に集計したものである。本リリースの元となる調査レポートにはWindows、Linux、UNIX、メインフレーム、オフコンを含む18項目に渡るOS別の集計データが含まれるが、ここでは「全体平均」、「Windows Server 2008/R2」、「RHEL」に関する結果のみを抜粋している。
「全体平均」や「Windows Server 2008/R2」と比べると、「RHEL」では仮想化/コンテナ活用やクラウド移行に該当する項目の回答割合が高いことがわかる。したがって、今回の買収については「RHELを利用するユーザ企業がIaaS/PaaSとして何処を選ぶのか?」という視点も交えて、今後の動向を注視しておくことが重要となってくる。


■ Linux系およびUNIX系において中堅・中小企業の導入社数シェアが最も高いのは「RHEL」
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、「導入済みのサーバOS」を尋ねた結果のうち、Linux系およびUNIX系に関する数値を抜粋したものだ。 グラフでは割愛しているが、中堅・中小企業のサーバOSは「Windows OS」が大半を占めている。だが、以下のグラフが示すように、Linux系およびUNIX系の中では「RHEL」が最も多く導入されている。
したがって、「RHEL」を導入済みのユーザ企業において前頁に述べた「仮想化/コンテナ活用」や「クラウド移行」がどれだけ進むか?はLinux系やUNIX系のサーバ全体における今後の動向にも影響を与える可能性がある。 以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、導入済みまたは導入予定のIaaS/PaaS事業者名を尋ねた結果のうち、主要な外資系ベンダに関する数値を抜粋したものだ。(本リリースの元となる調査レポートでは、20項目に渡るIaaS/PaaS事業者の導入社数シェアを年商別や業種別などで集計したデータが含まれる) 日本国内の中堅・中小企業における導入社数シェアという点では、日本IBMはグーグル、日本マイクロソフト、アマゾンウェブサービスジャパン、セールスフォース・ドットコムといった他の外資系ベンダと比べてやや遅れをとっている。だが、もし今回の買収により、「RHEL」を導入済みのユーザ企業におけるクラウド移行をこれまで以上に支援できる体制を整えることができた場合には、日本IBMのIaaS/PaaSシェアにも変化が起きる可能性がある。

■「RHEL」導入企業のクラウド移行を誰が支援するのか?が今後のIaaS/PaaSシェアを左右
さらに、本リリースの元となる調査レポートでは、サーバ更新における様々な課題を以下のような選択肢を列挙して尋ねている。
<<更新時の作業負担に関連する項目>>
・最新のOSに変更するためには複数回のバージョンアップ作業が必要になる
・業務アプリケーションやミドルウェアの設定を移行する作業の負担が大きい
・サーバ仮想化やコンテナ仮想化の環境を移行する作業の負担が大きい
・アカウント(ID/パスワード)や権限設定を移行する作業の負担が大きい
・サーバ更新を行うための計画を自社で上手く作成することができない
<<データやシステム環境に関連する項目>>
・使用されていない無駄なファイルを廃棄したいが、良い方法が見つからない
・要注意データ(機密情報や個人情報)を特定する良い方法が見つからない
・既存の業務アプリケーションが新しいサーバ機器やOSに対応していない
・既存の周辺機器(プリンタなど)が新しいサーバ機器やOSに対応していない
<<更新に伴う仮想化導入に関連する項目>>
・サーバ仮想化やコンテナ仮想化を導入したいが、管理/運用ができない
・サーバ仮想化やコンテナ仮想化を導入したいが、費用を捻出できない
<<更新に伴うクラウド移行に関連する項目>>
・クラウドへ移行したいが、移行計画を推進できる人材が社内にいない
・クラウドへ移行したいが、移行時に必要となる費用を捻出できない
・クラウドへ移行したいが、移行後の管理/運用を担うことができない
<<更新に伴うID管理やデータ管理に関連する項目>>
・ID管理(Active Directoryなど)を行いたいが、管理/運用ができない
・ID管理(Active Directoryなど)を行いたいが、費用を捻出できない
・データの圧縮や容量管理を行いたいが、管理/運用ができない
・データの圧縮や容量管理を行いたいが、費用を捻出できない
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、上記に列挙した課題の中から※1、※2、※3、※4、※5の結果を導入済みのサーバOS別(「全体平均」 「Windows Server 2008/R2」 「RHEL」)に集計したものだ。(本リリースの元となる調査レポートではWindows、Linux、UNIX、メインフレーム、オフコンを含む18項目に渡るOS別の集計データが含まれる)
仮想化/コンテナ活用における費用面の課題(※2)については 「RHEL」と「全体平均」 および「Windows Server 2008/R2」の間に大きな差が見られないが、仮想化/コンテナ活用の管理/運用(※1)、クラウド移行における計画推進(※3)、費用(※4)、管理/運用(※5)を課題として挙げる割合は「全体平均」や「Windows Server 2008/R2」と比べて「RHEL」が高くなっている。
したがって、「RHEL」を導入済みのユーザ企業は仮想化/コンテナ活用やクラウド移行に前向きではあるものの、管理/運用などにおけるIT企業の支援が必要な状況にある。今回の買収によって日本IBMがこの支援を提供し、IaaS/PaaS移行までを一気通貫で担うのか?それとも、レッドハットとしてはこれまでと同様に様々なIaaS/PaaS事業者と等距離を保つのか?などの今後の動向によって、今後のIaaS/PaaS導入社数シェアにも少なからず影響が及ぶと予想される。


本リリースの元となる調査レポート(各冊 180,000円税別)
本リリースに掲載している集計データは以下の2冊の調査レポートに収録されている。
『2018年版 中堅・中小企業におけるサーバ/ストレージ活用の実態/予測レポート』
クラウドが普及し、OSサポート終了が迫る中、サーバ/ストレージ機器の拡販を図るために必要な施策とは何か?
【サンプル/ダイジェスト】
「2018年 Windows Server 2008サポート終了に伴う中堅・中小企業の課題と対策」
(リンク »)
「2018年 中堅・中小企業におけるサーバ環境(オンプレミス&クラウド)の今後」
(リンク »)
「2018年 中堅・中小企業におけるサーバ環境(オンプレミス)の導入シェア動向」
(リンク »)
「2018年 中堅・中小企業におけるハイパーコンバージドインフラ(HCI)のシェアと活用実態」
(リンク »)
「2018年 中堅・中小企業におけるストレージ活用の最新動向と今後の展望」
(リンク »)
【レポート案内(サンプル属性、設問項目、試読版など)】
(リンク »)


『2018年版中堅・中小IT活用シーン別クラウド導入の実態/予測レポート』
中堅・中小企業がクラウドに期待する事柄の変化やクラウド導入に繫がるIT活用場面(ITソリューション)を徹底分析
【サンプル/ダイジェスト】
「2018年 中堅・中小企業におけるクラウド種別(IaaS/PaaS/SaaS)と課題&ニーズの変化動向」
(リンク »)
「2018年 中堅・中小企業における間接業務のオンライン化/ペーパレス化とクラウドとの関係」
(リンク »)
「2018年 中堅・中小企業におけるクラウド型RPAに対するニーズ傾向と今後の課題」
(リンク »)
【レポート案内(サンプル属性、設問項目、試読版など)】 (リンク »)


ご好評いただいているその他の調査レポート(各冊 180,000円税別)

『2018年版中堅・中小企業のPC活用とOS更新に関する実態/予測レポート』
ユーザ企業は新たなOSやPC環境に何を期待し、何を課題と考えているのか?WaaSによってPC環境はどう変わっていくのか?
【レポート案内(サンプル属性、設問項目、試読版など)】
(リンク »)
『2018年版 中堅・中小向け通信/ネットワーク関連サービスのニーズ予測レポート』
19項目に渡る通信/ネットワーク関連サービスを分析し、DX時代を見据えたIT活用場面(ITソリューション)との関連ニーズも網羅
【レポート案内(サンプル属性、設問項目、試読版など)】
(リンク »)


本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
引用・転載のポリシー: (リンク »)

当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp
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