2022年 中堅・中小企業から見たベンダや販社/SIerの評価点および不満点

ノークリサーチは中堅・中小企業から見た時のベンダや販社/SIerに対する利点/評価点や課題/不満点に関する調査を行い、その結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2022-11-09 12:30

<ユーザ企業から見た評価の結果を紐解くことで、注力すべき分野や競合の強み/弱みが見えてくる> ■人材育成には費用/期間が必要、まずは新たなIT商材を活かして管理/運用の負担を軽減 ■システム構築力の項目別評価では「ノーコード/ローコードやクラウド併用」 > 「RPAやIoT」 ■評価レーダーチャートでは富士通Japanが上に尖った三角型、リコーは右に伸びた三角型
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2022年11月9日

2022年 中堅・中小企業から見たベンダや販社/SIerの評価点および不満点

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業から見た時のベンダや販社/SIerに対する利点/評価点や課題/不満点に関する調査を行い、その結果を発表した。本リリースは「2022年版中堅・中小企業のIT支出と業務システム購入先の実態レポート」のサンプル/ダイジェストを掲載したものである。


<ユーザ企業から見た評価の結果を紐解くことで、注力すべき分野や競合の強み/弱みが見えてくる>
■人材育成には費用/期間が必要、まずは新たなIT商材を活かして管理/運用の負担を軽減
■システム構築力の項目別評価では「ノーコード/ローコードやクラウド併用」 > 「RPAやIoT」
■評価レーダーチャートでは富士通Japanが上に尖った三角型、リコーは右に伸びた三角型

対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 (リンク »)


■人材育成には費用/期間が必要、まずは新たなIT商材を活かして管理/運用の負担を軽減
本リリースの元となる調査レポート「2022年版中堅・中小企業のIT支出と業務システム購入先の実態レポート」では、有効回答件数1300社のユーザ企業に対してベンダや販社/SIerの利点/評価点ならびに課題/不満点を尋ねた結果を分析し、ユーザ企業が何を求めており、IT企業はそれに応えるために何をすべきか?の提言を述べている。
以下のグラフは、その中から「A.<<DX関連の提案や支援に関する項目>>」のカテゴリに該当する4つの利点/評価点に関する結果を抜粋したものだ。 グラフが示すように、A4(DX人材の育成)は他の項目と比べて低い。DX人材の育成は極めて重要だが、中堅・中小企業がIT企業に望む支援という点での優先度は高くないことがわかる。大企業のように相応の費用と期間をかけて人材育成に取り組むことは容易ではないことが主な要因だ。そのため、IT企業としてはA1(DXの抽象論ではなく、業績改善につながる具体的な提案)、A2(DX推進に寄与する新しいIT商材の提案)、A3(業務理解とDXに必要な社内改革の推進)といった支援策を通じて、まずは「小さな成果」を積み上げることが重要となってくる。
例えば、昨今ではセキュリティ対策やネットワーク設定の管理機能をクラウドサービスに任せることができる。IT担当者の負担が軽減できれば、DXに取り組む余裕も出てくる。しかし、管理用の社内サーバが不要になることを懸念して、IT企業がこうした新たなIT商材の提案を躊躇していると、現状からの脱却も難しくなってしまう。IT企業としては自身の商材構成を必要に応じて変えていくことも視野に入れながら、ユーザ企業が新たなIT活用に踏み出すための環境作りを進めることが重要となってくる。
次頁以降では、その他の利点/評価点と課題/不満点、およびベンダや販社/SIer別に見た時の分析結果について述べている。


■システム構築力の項目別評価では「ノーコード/ローコードやクラウド併用」 > 「RPAやIoT」
本リリースの元となる調査レポートでは、以下のようにA~Dの4カテゴリ、計36項目に渡る選択肢を提示して、ユーザ企業から見た時のベンダや販社/SIerに対する利点/評価点や課題/不満点を尋ねている。利点/評価点と課題/不満点の選択肢は互いに対となっており、両者を比較することによって「既に改善策が提示されつつある課題なのか、まだ解決策が示されていない課題なのか?」などを把握することができる。
S4-1.最も主要な委託先/購入先に関する利点または評価点
A <<DX関連の提案や支援に関する項目>>
A1 DXとは何か?を具体的に示し、業績改善につながる提案を行ってくれる
A2 DXを適切に推進していくための新しいIT商材を積極的に提案してくれる
A3 自社の業務を理解し、DXに必要な社内の改革を一緒に推進してくれる
A4 DXを推進するための自社の人材育成にも積極的に協力してくれる
B <<課金体系や費用面の支援に関する項目>>
B1データ量や処理量に応じた従量課金の体系を提案してくれる
B2 講読型/サブスクリプション型の課金体系を提案してくれる
B3 金融機関と連携して、IT活用の資金調達も支援してくれる
B4 IT活用に適用できる補助金制度の利用を支援してくれる
C <<システム構築力や最新技術への対応力に関する項目>>
C1 ノーコード/ローコードの仕組みなどを用いて、カスタマイズを抑制できる
C2 オンプレミスとクラウドの使い分けが適切であり、両者が連携できている
C3 RPAを用いた業務の自動化など、人材不足への対策も考慮されている
C4 IoTや5Gなど、IT以外のエンジニアリングに近い領域もカバーできている
D <<保守/サポートに関する項目>>
D1 複合機やLED照明など、IT以外のオフィス全体を保守/サポートしてくれる
D2 装置/機器などのエンジニアリング領域も保守/サポートしてくれる
D3 複数メーカの製品/サービスを一括で保守/サポートしてくれる
D4 状況に応じて保守/サポートの費用を定期的に見直してくれる
D5 セキュリティ対策やトラブル復旧の対応も一括して対応してくれる
D6 サポート期限切れとなったシステムの延命策も提供してくれる

S4-2.最も主要な委託先/購入先に関する課題または不満点
A <<DX関連の提案や支援に関する項目>>
A1 DXとは何か?の説明が抽象的で、業績改善につながる提案になっていない
A2 DXの推進を謳っているが、提案されるIT商材は従来のものと何ら変わらない
A3 自社の業務を理解しておらず、DXに必要な社内の改革には非協力的である
A4 DXを推進するための自社の人材育成には無関心であり、非協力的である
B <<課金体系や費用面の支援に関する項目>>
B1データ量や処理量に応じた従量課金の体系に対応できていない
B2講読型/サブスクリプション型の課金体系に対応できていない
B3 IT活用に必要な資金の調達については支援してくれない
B4 IT活用に適用できる補助金制度の利用は支援してくれない
C <<システム構築力や最新技術への対応力に関する項目>>
C1ノーコード/ローコードなどの新技術に疎く、カスタマイズに頼りがちである
C2オンプレミスとクラウドの一方に偏りがちで、両者の連携もできていない
C3 RPAを用いた業務の自動化など、人材不足への対策を考慮していない
C4 IoTや5Gなど、IT以外のエンジニアリングに近い領域はカバーできない
D <<保守/サポートに関する項目>>
D1複合機やLED照明など、IT以外のオフィス全体は保守/サポートしない
D2装置/機器などのエンジニアリング領域は保守/サポートしない
D3保守/サポートが特定メーカの製品/サービスに限定される
D4保守/サポートの費用は常に固定額であり、割高になっている
D5セキュリティ対策やトラブル復旧の対応は自社で行う必要がある
D6サポート期限切れとなったシステムの延命策は提供してくれない
以下のグラフは、上記の中から「C.<<システム構築力や最新技術への対応力に関する項目>>」のカテゴリに該当するC1~C4の4つの観点について、利点/評価点(表の左側)と課題/不満点(表の右側)の回答割合を比較したものだ。 C1(ノーコード/ローコードによるカスタマイズ抑制)およびC2(オンプレミスとクラウドの使い分け)は利点/評価点の値が課題/不満点を上回っており、ベンダや販社/SIerによる改善策が講じられつつある状況と捉えることができる。一方で、C3(RPAを用いた業務の自動化)とC4(IoTや5Gなどのエンジニアリングに近い領域)では利点/評価点と課題/不満点の差が1ポイント未満となっており、課題を抱えるユーザ企業がまだ多い状況といえる。したがって、ベンダや販社/SIerとしてはRPAを用いた業務の自動化やIoTや5Gなどのエンジニアリングに近い領域におけるシステム構築力を高める取り組みを進めることが重要となってくる。次頁ではベンダや販社/SIer別に見た分析結果について述べる。

■評価レーダーチャートでは富士通Japanが上に尖った三角型、リコーは右に伸びた三角型 さらに本リリースの元となる調査レポートでは、IT商材/ソリューションの最も主要な委託先/購入先となっているIT企業別に見た場合に、前頁に列挙した利点/評価点および課題/不満点を尋ねた結果がどうなっているか?についても集計/分析している。(分析対象となっているベンダや販社/SIerの一覧は右記を参照 (リンク ») )
前頁で述べたように、DXに向けたIT活用提案では新しいIT商材を提案できる力が求められる。また、コロナ禍を経て変化した職場環境や円安下での光熱費などのコスト増への対応など、オフィス環境全体に目を向けた提案も欠かせない。さらに、保守/サポートの面ではオンプレミス/クラウドの双方を含む幅広い製品/サービスをカバーする必要がある。こうした観点では、前頁に列挙した利点/満足点の中でも、以下の3項目のバランスがとれているか?が重要なポイントとなってくる。
A2. DXを適切に推進していくための新しいIT商材を積極的に提案してくれる
(以下のグラフ中では「DX推進に向けたIT商材提案」と略記)
D1. 複合機やLED照明など、IT以外のオフィス全体を保守/サポートしてくれる
(以下のグラフ中では「オフィス全体の保守/サポート」と略記)
D3. 複数メーカの製品/サービスを一括で保守/サポートしてくれる
(以下のグラフ中では「複数メーカの保守/サポート」と略記)
以下のグラフはIT商材/ソリューションの委託先/購入先としての社数シェアで上位に位置する幾つかのベンダや販社/SIerについて、上記3つの利点/満足点の回答割合をレーダチャートで示したものだ。
上段には「富士通Japan」と「富士通(関連会社や子会社は除く)」が並んでいる。一般的に、業務システムを基盤としたシステムインテグレーションを主力とする場合は「複数メーカの保守/サポート」と「オフィス全体の保守/サポート」の2項目に比べて「DX推進に向けたIT商材提案」の値が高くなる(上に尖った三角型)。GLOVIAシリーズを擁する「富士通Japan」もこれに該当する。
一方、「富士通」は「複数メーカの保守/サポート」の値が相対的に低い。グループ再編による改革が進んでいるが、大手ベンダであることの制約が影響している可能性がある。このように同じグループ内であっても、利点/満足点の傾向が異なってくる点に注意する必要がある。 下段に目を移すと、「リコー(系列企業を含む)」のような複合機系のIT企業は右に伸びた三角型の形状をしており、「オフィス全体の保守/サポート」に強みを持っていることが改めて確認できる。「大塚商会」は3つの項目に偏りがなく、正三角形に近い。
こうしたバランスの良さが社数シェアの首位を堅持している要因の1つになっていると考えられる。 ここでは一部の分析結果を抜粋したが、調査レポートでは中堅・中小企業によるベンダや販社/SIerの評価結果を様々な観点で分析し、IT企業が取り組むべきことは何か?の提言を述べている。


本リリースの元となる調査レポート

『2022年版 中堅・中小企業のIT支出と業務システム購入先の実態レポート』
1300社の中堅・中小企業に”どの販社/SIer”から、”何のIT商材やソリューション”を”幾らの金額”で導入/購入しているか?を尋ねた結果を集計/分析し、IT支出と業務システム購入先の実態を明らかにした必携書
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の章構成】
本調査レポートは多数の集計データ(Microsoft Excel形式)と分析/提言の内容をまとめた「分析サマリ」(PDF形式)によって構成されている。本調査レポートで分析/提言の対象となっている内容やテーマは以下の分析サマリの章構成を見ることで確認できる。
第1章: 販社/SIerの導入社数シェア
中堅・中小企業がIT商材やソリューションを購入/導入する際の委託先/購入先となる販社/SIerの社数シェアを企業属性別年商、業種)およびプライム率(最も主要な委託先/購入先となっている割合)との関連性などの観点で分析している。社数シェアを尋ねる設問の選択肢(具体的な企業名+「その他」)は計69項目に及ぶ。
第2章: IT商材やソリューションの導入比率
中堅・中小企業が購入/導入するIT商材やソリューションを「DX関連ソリューション」「業務アプリケーション」「ハードウェア」「クラウドサービス」などの5カテゴリ、計25項目に渡って尋ね、どのようなIT商材やソリューションが多く導入されているのか?を年商別や業種別に分析している。
第3章: IT商材別/ソリューション別の年間平均支出額
第2章で導入比率を分析した5カテゴリ、25項目のIT商材やソリューションについて、1年間の平均支出額を年商別に算出した結果を分析している。
第4章: 中堅・中小企業における年間IT支出の市場規模
第2章と第3章の結果を元に、中堅・中小企業における年間IT支出の市場規模を5カテゴリ、25項目のIT商材/ソリューション毎に算出し、さらにそれらを年商別、業種別、地域別に集計している。
第5章: ユーザ企業から見た販社/SIerの評価
最も主要な販社/SIer(直近3年間で導入したIT商材やソリューションの合計額が最も高い委託先/購入先)について、利点/評価点および課題/不満点を尋ねた結果を集計し、ユーザ企業の評価を高めて社数シェアを拡大するために販社/SIerが取り組むべき事柄について提言している。
【レポート案内(設問項目、試読版など)】 (リンク »)
【発刊日】 2022年11月14日
【価格】 180,000円(税別) 本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
引用・転載のポリシー: (リンク »)
当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
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Web: www.norkresearch.co.jp
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