2023年 中堅・中小企業のIT支出を左右する経常利益の増減見通しとその要因

ノークリサーチは中堅・中小企業のIT支出に影響を与える重要な要素である経常利益の増減見通しとその要因に関する調査を行い、その結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2023-05-29 12:00

<IT活用提案に際しては、ユーザ企業が置かれているビジネス環境にも注意を払う必要がある> ■経常利益の増加を見込むユーザ企業ではIT支出の増加を予定する割合も48.6%に達する ■業種別の経常利益見通しでは、組立製造業 > 加工製造業、一般サービス業 > 小売業 ■「インバウンドの復調」や「コロナ禍の収束」によるプラス効果を過大評価しないように注意
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2023年5月29日

2023年 中堅・中小企業のIT支出を左右する経常利益の増減見通しとその要因

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社: 〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業のIT支出に影響を与える重要な要素である経常利益の増減見通しとその要因に関する調査を行い、その結果を発表した。本リリースは「2023年版 中堅・中小企業のDXおよびITソリューション選定の実態レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<IT活用提案に際しては、ユーザ企業が置かれているビジネス環境にも注意を払う必要がある>
■経常利益の増加を見込むユーザ企業ではIT支出の増加を予定する割合も48.6%に達する
■業種別の経常利益見通しでは、組立製造業 > 加工製造業、一般サービス業 > 小売業
■「インバウンドの復調」や「コロナ禍の収束」によるプラス効果を過大評価しないように注意


調査対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業700社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
調査対象職責: 経営層およびIT活用の導入/選定/運用に関わる立場
調査実施時期: 2023年4月~5月
※詳細は本リリースの4ページを参照


■経常利益の増加を見込むユーザ企業ではIT支出の増加を予定する割合も48.6%に達する
中堅・中小企業に対してIT活用提案を行う際には、製品/サービスがユーザ企業の課題/ニーズに合致しているか?だけでなく、「今、アプローチしようとしているユーザ企業はIT支出を行うだけの収益を上げられているのか?」を把握しておくことが大切だ。
「2023年版中堅・中小企業のDXおよびITソリューション選定の実態レポート」では、年商500億円未満の中堅・中小企業(有効回答件数:700社)に対して、「2023年におけるIT支出の増減見通し」(※1)ならびに「2023年の経常利益の増減見通し」(※2)を尋ねた結果を分析し、中堅・中小企業におけるIT支出と業績の関連を踏まえたIT活提案のポイントを提言している。(※1と※2の設問に関する詳細は次頁を参照) 以下のグラフは上記の調査レポートの中から、2023年の経常利益の増減見通しとして「減少」および「増加」と回答したユーザ企業における2023年のIT支出の増減見通しを尋ねた結果を集計したものだ。
経常利益の見通しで「減少」と回答したユーザ企業(左側のグラフ)では、IT支出の見通しが「減少」=42.8%、「増加」=17.2%となっており、4割強が2022年と比べて2023年のIT支出を減額すると回答している。一方、経常利益の見通しで「増加」と回答したユーザ企業(右側のグラフ)を見ると、IT支出の見通しが「増加」=48.6%、「減少」=7.3%となっており、半数弱がIT支出を増額すると回答している。そのためIT企業がIT活用提案を行う上では、経常利益の増加を見込んでいるのはどのようなユーザ企業か?その要因とは何か?を把握しておくことが極めて重要だ。次頁以降では、こうした観点での分析結果の一部を調査レポートのサンプル/ダイジェストとして紹介している。


■業種別の経常利益見通しでは、組立製造業 > 加工製造業、一般サービス業 > 小売業
本リリースの元となる調査レポートでは、以下の選択肢を列挙して2022年と比較した場合の2023年における「I1.経常利益の増減見通し」ならびに「I3.IT支出の増減見通し」を尋ねている。ここでの経常利益およびIT支出の定義は下記の通りである。
【経常利益】の定義:
年間の売上高から
・原価(仕入れ額や原材料費)
・販管費/一般管理費(給与、広告宣伝費、運送費、地代/家賃)
を差し引き、
・営業外損益(為替や株の売買などによる利益または損失)
を加味した金額
【IT支出】の定義:
業務においてITを活用する際に必要となる以下の製品/サービスに対して拠出する費用の年間合計額
・ハードウェア(サーバ、ストレージ、PC、スマートデバイス、ネットワーク)
・ソフトウェア(OS、ミドルウェア、業務アプリケーション)
・サービス(SaaS/PaaS/IaaS、コンサルティング、アウトソーシング、システム開発/運用)
「I1.経常利益の増減見通し」と「I3.IT支出の増減見通し」の選択肢
・20%以上減少 ・10%以上~20%未満減少 ・5%以上~10%未満減少 ・5%未満減少
→減少(※1)
・20%以上増加 ・10%以上~20%未満増加 ・5%以上~10%未満増加 ・5%未満増加
→増加(※2)
・ほとんど変化なし(※3)
・判断できない(※4)
本リリースでは選択肢を※1~※4にまとめた集計結果のみを掲載。
さらに調査レポートの中では、経常利益やIT支出の増減見通しを以下のような企業属性別に集計している。
年商区分:
・5億円未満
・5億円以上~50億円未満
・50億円以上~100億円未満
・100億円以上~300億円未満
・300億円以上~500億円未満
業種区分:
・組立製造業 ・小売業
・加工製造業 ・運輸業
・建設業 ・IT関連サービス業
・卸売業 ・一般サービス業
地域区分:
・北海道地方 ・中部地方 ・九州/沖縄
・東北地方 ・近畿地方 地方
・関東地方 ・中国地方
・北陸地方 ・四国四方
上記に加えて、従業員数、職責、IT管理/運用の人員規模、ビジネス拠点(オフィス、営業所、工場など)の状況といった属性別の集計を行っている。
例えば、以下のグラフは「I1.経常利益の増減見通し」を業種別に集計した結果から、組立製造業/加工製造業/小売業/一般サービス業の4業種を抜粋したものだ。同じ製造業においても、「減少」の割合は加工製造業の方が組立製造業よりも高いことがわかる。また、小売業と一般サービス業は共にコロナ禍の収束やインバウンドの復調などによって業績が改善すると捉えがちだが、「減少」や「増加」の傾向は必ずしも同じではない。したがって、経常利益の増減に影響する要因を業種別に集計した結果も確認していく必要がある。次頁ではその点について述べていく。


■「インバウンドの復調」や「コロナ禍の収束」によるプラス効果を過大評価しないように注意
本リリースの元となる調査レポートでは以下の選択肢を列挙して、経常利益の増減に影響すると考えられる要因は何か?についても分析を行っている。具体例に示したように、同じ要因が経常利益の増加と減少の双方に影響する点に注意が必要だ。 調査レポートでは上記に列挙した様々な要因が経常利益の増加と減少のどちらに強く影響を与えているか?を詳しく分析している。左記のグラフはその中から小売業と一般サービス業における結果の一部を抜粋したものだ。
両業種共に「エネルギーの不足や価格上昇」(店舗での光熱費負担増など)が大きな減少要因となっており、コスト削減に寄与するIT活用提案の重要性が高まると予想される。
小売業では「インバウンドの復調」や「コロナ禍の収束」が増加要因となっているが、一般サービス業における効果は小売業と比べて小さい。実際、宿泊業や飲食店からは外国人観光客の対応負担が大きいという意見を耳にすることも少なくない。また、小売業では前頁のグラフに記載した増加と減少のポイント差がマイナスとなっており、小売業全般がインバウンドの恩恵を受けているわけではない点に注意が必要だ。 一般サービス業では「国際情勢(米中対立など)」が増加要因となっている。中国からの投資(不動産など)が減少する一方で、今後は海外企業の日本への誘致が盛んになるという見方も少なくない。こうした動きを踏まえて、設備面や人材面のサービス需要が高まるという期待があるものと考えられる。ただし、一般サービス業では「人材不足」が比較的大きな減少要因となっているため、少ない人材で業務を回す取り組みが求められてくる。このようにIT活用提案に際してはユーザ企業のビジネス環境を意識しておくことも大切だ。

本リリースの元となる調査レポート

『2023年版 中堅・中小企業のDXおよびITソリューション選定の実態レポート』
50項目に渡る具体的なソリューションの導入状況、ユーザ企業が抱える課題とニーズ、訴求手段(メディア、SNS、セミナー、展示会など)の選択までを網羅したIT活用提案における必携書。
【対象企業属性】(有効回答件数:700社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~50億円未満 / 50億円以上~100億円未満 /100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 / 100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満 /500人以上~1000人未満/ 1000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 運輸業 / IT関連サービス業 / 一般サービス業
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 / 四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリの章構成】
第1章.中堅・中小企業を取り巻くビジネス環境
2023年における経常利益の見通しと増減の要因(エネルギー/原材料の不足や価格上昇、国際情勢、ESGやSDGs、インバウンドの復調、長期化する円安、人材不足など、計10項目)を踏まえた上で、2023年のIT支出の増減見通しと増減の要因(キャッシュレス化、ペーパレス化、業務の自動化、人材のリスキリング、マルウェアの脅威、生活様式の変化、クラウドネイティブ、法改正など、計23項目)について分析。
第2章.DX/ITソリューションの導入状況(概況)
自動化/システム連携/開発ツール、コミュニケーション改善/データ共有、ペーパレス化、販売/マーケティングの改善や刷新、ジェネレーティブAI(生成AI)、センサ+AIによるデータ分析、クラウド活用/レガシー移行、既存の業務システムにおけるDX(xTech)、ドローンの活用、VR/AR/デジタルサイネージ、3Dプリンタの活用、ロボットの活用といった計50項目に渡る具体的なDX/ITソリューションの導入済み割合および初年度合計費用、今後の導入予定の割合を分析。
第3章. DX/ITソリューションの導入状況(年商別)
第2章で取り上げたDX/ITソリューションの導入状況(導入済み/導入予定の割合)の年商別傾向を分析。
第4章. DX/ITソリューションの導入状況(業種別)
第2章で取り上げたDX/ITソリューションの導入状況(導入済み/導入予定の割合)の業種別傾向を分析。
第5章.DX/IT導入においてユーザ企業が抱える課題とニーズ
DX/ITソリューション導入におけるユーザ企業の基本方針(クラウド事業者は集約/併用のどちらを選ぶか?DX人材の育成とは内製促進を意味するのか?など)、直面する課題(費用が最大の障壁なのか?、既存のシステムはどこまで足かせになっているのか?など)、IT企業に期待する支援(人材不足をどう克服するか?、最初にどの部門向けに提案をして欲しいか?など)を分析。 第6章.DX/IT導入の提案に際してIT企業が抱える課題
IT企業(IT関連サービス業)に対して、DX/ITソリューションを提案する際に直面する課題を尋ねた結果を分析し、ユーザ企業とIT企業の間に潜在する行き違いを明らかにし、DX/ITソリューション提案を成功させるための留意点を提言。
第7章.IT製品/サービスの導入検討時に利用する手段や情報源
Web検索、IT企業のWebサイト、比較サイト、展示会/セミナー(リアル/オンライン)、IT企業の営業担当との電話/メール/Web会議/チャット、新聞/雑誌、士業(会計士/税理士/社労士)など、23項目に渡る選択肢を列挙し、IT企業が認知向上や顧客接点の深化を測る際に選択すべき手段は何か?を分析/提言。
【価格】 180,000円(税別) 【発刊日】 2023年6月中旬予定

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当調査データに関するお問い合わせ
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〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室
TEL03-5361-7880FAX03-5361-7881
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