はじめに
前回に続いて、2023年に公開された論文「A Model-based, Quality Attribute-guided Architecture Re-Design Process at Google」を紹介します。この論文では、Monarchのアーキテクチャーをリファクタリングする際に、3種類のモデル図を用いて、新しいアーキテクチャーの品質を分析した事例が報告されています。
リファクタリング後のアーキテクチャー
前回の記事では、下記のユーザーシナリオを例にして、この処理に関連するコンポーネント図とシーケンス図を現行のMonarchのアーキテクチャーに対して示しました。
時系列データ検索:ユーザーは、Monarchにクエリーを送信する。システムは、複数の場所から時系列データを読み込んで、計算処理を行い、正常かつ低遅延で、結果をユーザーに送信する。
一般的な「箱と線」による説明図とは異なり、これらの図には、品質属性の評価に必要な情報が曖昧さの無い形で示されています。具体的な評価の例はこの後で説明することにして、その前に、リファクタリング後の新しいアーキテクチャーについて、同じ図を示しておきましょう。まず、次の図1がコンポーネント図です。
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