「AppJam 2016」レポート ―― デジタル変革を推進するのは「BizDevOps」

アップダイナミクス ジャパンは12月8日、プライベートセミナー「AppJam 2016 ~BizDevOpsでデジタル変革期を勝ち抜く為に~」を開催した。変化し続けるデジタルビジネス時代を勝ち抜くために、企業は何にどう取り組んでいけばいいのか。アップダイナミクスがそのキーワードとして挙げるのが、ビジネスオーナー(Biz)、開発技術者(Dev)、運用管理者(Ops)を連携させる「BizDevOps」だ。BizDevOpsに向けた考え方や実践方法をさまざな視点から解説したセミナーの模様をレポートする。

デジタル変革時代に求められるのは「創造性」
と「リーダーシップ」

 基調講演には、KPMGコンサルティング代表取締役副社長の椎名茂氏が登壇。「デジタルイノベーションの潮流 ~Disrupt or be disrupted~」と題して、デジタル変革の最新動向を説明しながら、日本企業がデジタル変革に対してどう取り組んでいくべきかについて処方箋を示した。

 メーカーの研究所のAI研究者出身である椎名氏はまず、デジタル変革の最新動向について、AI、IoT、AR、FinTechなど、新しいテクノロジーが創出され、さまざまな領域で新しい取り組みが始まっていることを紹介した。

 同氏は講演の中で2013年にオクスフォード大学のAI研究者マイケル・オズボーン准教授が発表し話題になった「10年後になくなる仕事」という論文を引用し、AIの応用が進んだ結果、人間の仕事は奪われる可能性も指摘されていることを紹介。同論文では、今後10年で消えそうな702業種の仕事を、手先の器用さ、交渉力、説得力、芸術性といった9つの特性から判定した。

椎名茂氏
KPMGコンサルティング
代表取締役副社長
椎名 茂氏

 「なくならない仕事は、芸術系や創造系の職種、心理的な要因が強い株の相場の判断、データが少ない中で行う地震予測、企業の経営などです。意外に思われるかもしれませんが、職人的な判断や複雑な作業が求められる料理のサーブ、テーブル拭き、マッサージ、介護などの高度な肉体労働系の仕事はなくならないと見られています。AI時代において人間に求められるのは付加価値を生み出す業務です。例えば、ルーティンワーク以外の判断や、人間関係や競合などとの複雑な交渉、クリエイティビティが求められる新規事業などです」(椎名氏)

 KPMGのグローバルCEO調査によると、今後3年間の戦略的優先事項として、「イノベーションの促進」「戦略的テクノロジーの導入」を挙げる経営層が増えている。国内ではまだイノベーションに対する意欲は低く、危機意識も低いが、取り組みへの関心は高まってきているという。

 では具体的にどのように取り組んでいけばいいのか。椎名氏が企業にアドバイスしているのは、物事を掛け算で組み合わせる発想だという。商品、顧客、目的、手段、変化ポイントなどから具体的な項目を拾い出し、それらをさまざまにかけ合わせて戦略を練っていく。例えば、「自社の製品×AI」「顧客×IoT」「経理業務×スマホ」などといった要素をさまざまに展開していく。

 「デジタル変革の世界では、動画配信サービスのNetflixがもともとは宅配レンタル会社であったように、新しいビジネスへの取り組みにより会社の業容そのものが変わってしまうことがよくあります。私は、こうしたディスラプションが続く時代で必要になるスキルは、創造性とリーダーシップの2つだと考えます。0から1を生み出すことはAIにはできません。また、優れたビジョンを掲げ、心を通じあわせるコミュニケーションにもAIには難しいことです」(同氏)

 椎名氏は最後に「未来を予測する最良の方法は、それを発明してしまうことだ」というアラン・ケイの言葉を紹介しながら「創造性とリーダーシップでデジタル変革の波を乗り越えていきましょう」と聴衆にエールを送った。

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