アプリケーションの性能をリアルタイムに監視するAppDynamics
続いて、アップダイナミクス ジャパンの日本代表カントリーマネージャー内田雅彦氏が登壇。「デジタル変革を支えるアプリケーション性能監視 AppDynamicsのご紹介」と題し、AppDynamicsがどのようにデジタル変革を進める企業に貢献するのかを解説した。
内田氏はまず、UberやTesla、Appleといった企業に触れながら、ビジネスがソフトウェアなしには成り立たなくなってきたこと、その中でも、アプリケーションのパフォーマンスがビジネスに大きな影響を与えるようになったと指摘した。実際、ロンドン大学の調査によると、74%のユーザーは5秒以内に画面が表示されなければWebサイトから去ってしまうという。また、86%のユーザーはアプリケーションのパフォーマンスが悪ければ一度使っただけでそのアプリケーションをアンインストールするという。
アップダイナミクス ジャパン
カントリーマネージャー
内田 雅彦氏
「アプリケーションは爆発的に複雑になってきています。調査してもシステム障害の原因が分からないことすらあります。障害によりユーザーの体験が損なわれると、ビジネスにも大きな損害が発生します。そこで重要になってきたのが、顧客視点でビジネスのトランザクションを監視するというアプローチです。それを実現するのがAppDynamicsです」(内田氏)
AppDynamicsは世界100カ国で2,000社以上に採用されているアプリケーションパフォーマンス管理(APM)製品だ。一般的なAPMがITシステムの監視ツールとしての役割が大きいのに対し、AppDynamicsは、ビジネスのトランザクションをリアルタイムに監視し、障害対応の迅速化やユーザー体験の向上に役立つことが特徴だ。オンプレミス環境とクラウド環境の両方に対応し、ビジネス部門、開発部門、運用部門のそれぞれが利用できるツールとして提供される。そのため「BizDevOpsが協業し、デジタル変革の取り組みを支援するツール」としても高く評価されているという。
例えば、米ナスダックでは、オンプレミスとクラウドを俯瞰的に監視するツールがなかった。そこで、DevOpsを推進するための「共通語」としてAppDynamicsを採用。クラウド移行の際に移行前後の性能を比較したり、既存・新規のアプリを開発する際に全体像や関連性を把握したりする際に用いるようにした。
また、米ユナイテッド航空では、大規模障害時にエンドツーエンドの可視化が求められたが、既存ツールでは要件を満たせなかった。そこでAppDynamicsを採用し、125種のミッションクリティカルなアプリケーションについて性能監視を行った。その結果、障害時のトラブルシューティングが日時単位から分単位に短縮され、従業員満足度と顧客満足度が大きく向上したという。いまでは、タブレット上のダッシュボードから、売上、性能監視、顧客の動向を一覧できるようになっている。
「監視エージェントを使って、全ユーザー、全トランザクションを監視します。エージェントから得られるデータは、監視基盤となるApp iQプラットフォームで分析、可視化されます。具体的には、マップiQ、ベースラインiQ、ダイアグノスティックiQ、ビジネスiQという機能を使います」(同氏)
ビジネス、開発、運用それぞれの部門は、App iQで提供されるグラフィカルなインタフェース上でシステムやアプリケーション、顧客の動向をすぐに確認できる。これらの情報を「共通言語」にして、Biz、Dev、Opsがコミュニケーションを取り合い、連携していくことになる。内田氏は、実際の画面を示しながら、AppDynamicsの導入効果が大きいことを解説した。