CIOが再整理すべきストレージのトレンド--「サービス化」「高機能化」のインパクト

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2019-04-16 11:00

[PR]ビジネス環境とコンピューティング環境が変わるなか、ストレージにも新しい波が訪れた。CIOはいま、ストレージに求められる要件を再整理する必要に迫られている。

コンピューティング環境の変化とストレージの新しいトレンド

 ビジネス環境とコンピューティング環境が変わるなか、ストレージにも新しい波が訪れている。CIOは否応なしに、ストレージに求められる要件を再整理する必要に迫られる状況だ。

 ストレージに訪れた変化に触れる前にまず、コンピューティング環境とどのような変化が起こっているかを見ていこう。今日のコンピューティング環境を特徴づけている要素は大きく3つある。「データ」「AI」「マルチクラウド」だ。

 一点目のデータというのは、これまでのように企業のデータセンターに集約されるのではなく、さまざまな場所に分散し、性質や処理方法が変わってきたことを指している。例えばクラウドが典型的だ。SaaSで用いる顧客データや取引先データはクラウド上で管理されていることが多い。最近はエッジサーバなどにも部分的に残されていたり、オープンデータのような完全に外部のデータを利用するケースも増えている。

 二点目のAIだが、ポイントは、蓄積された膨大なデータを機械学習や深層学習などの技術を使って分析し、将来を予測できるようになったことがあげられる。これまでは、過去の傾向を分析して将来を見通すことは人が行っていた。しかしAIは、障害の予兆検知など人間には難しい予測もできるようになった。

 三点目のマルチクラウドは、1つのクラウドだけを使うのではなく、複数のクラウドを使い分けることが一般化したことを指している。クラウドによって保存方法や利用方法が異なる場合が多いため、クラウドをどう連携させるかが重要になってきた。こうした変化のなかで、企業ストレージのあり方も変わりつつあるのだ。

ストレージに求められる新たな役割

 データ、AI、マルチクラウドという3つの変化を指摘するのは、米国の調査会社Moor Insights & Strategy(MI&S)だ。MI&Sは、HPEストレージに関するレポート資料のなかで、こうした変化によってストレージが抱え始めた課題として「予測不能なデータの増大」と「不可欠な機能となったデータ保護」を挙げている。
(参照:ZDNet japanホワイトペーパー「ストレージの進化にヒトが対応するのはもう限界! アナリストが明かす新しいストレージの要件とは」)

 これまで企業ストレージに求められてきた主な役割は「データをいかに安全に保管するか」だった。だが、現在はそれだけにとどまらず、ビジネス環境やコンピューティング環境の「変化に対応できる要件を備えること」が求められるようになった。レポートは、予測不能なデータの増大について、以下のように指摘している。

 「情報処理を取り巻く環境では、いまだ分析、エッジコンピューティング、その他データ量の多い新たなワークロードの需要への対応が続いています。オーバープロビジョニングには無駄が多く、成長予測は正確でなければビジネス機運を低下させかねません」

 またデータ保護については、「コンプライアンス規制により厳しいデータバックアップ要件が課せられ、同時に、増え続けるセキュリティ脅威によりリアルタイムで迅速にデータを復旧できる機能が必要となります」と促す。そのうえで、「今日のデータセンターにおいては、オンサイトとクラウドベースのストレージをどちらもカバーするデータ保護が極めて重要です」「分析は組織の意思決定を支えるものですが、IT組織によるインフラストラクチャ制御への利用も増えています。データを管理するストレージソリューションを理想的に支えるのは、AI主導のインフラストラクチャです」と訴えている。

ストレージの「サービス化」と「高機能化」とは

 ストレージに求められる要件を整理すれば、「さまざまな場所に偏在するデータを効率よく統合すること」「AIなどで分析できるようなデータを蓄積できること」「複数のクラウドをまたがってデータを格納できること」などとなる。

 ストレージに求められる役割は、これら要件を満たしつつ、ビジネスにインパクトをもたらすことだ。ストレージはこれまでは単なるデータの入れ物だったが、これからはビジネス価値を生むデータを生成する泉のような役割が求められるようになったといっても言い。

 では、こうした役割を果たすために、近年のストレージはどのような機能を備えはじめているのか。ここで良い例となるのが、HPEが提唱している「インテリジェントストレージ」だ。HPEでは、インテリジェントを、AIなどを使った予測的な分析や、オペレーションの効率化、自動化などを行うという意味で使っている。

 具体的には、自己管理、自己修復、自己最適化などの能力を備えたAIドリブンなストレージであること、データの生成から利用、廃棄までのライフサイクルにわたってクラウドを前提に設計されたストレージであること、As-a-Serviceモデルで利用できるストレージであることなどだ。

 つまりインテリジェントストレージとは、データを活用するためにAIを使って「高機能化」し、ストレージをクラウドのような従量課金モデルで利用する「サービス化」を実現していることが大きな特徴となる。

インテリジェントストレージによるビジネスインパクト

 では、こうしたインテリジェントストレージにおける高機能化やサービス化は、実際にどのようなビジネスインパクトをもたらすのだろうか。具体的なユースケースとしては、以下のようになる。

ビジネスリスクの軽減
AIを活用することで、需要の増加や季節的な需要の急増、ハードウェアやソフトウェアの変更、セキュリティ脅威などの変化を検出する。これにより対処が必要になる前にアクションを取ることができる。
クラウド間のデータの移動
稼働中のデータストアからの簡単にデータを抽出し、オンプレミスのデータセンターとクラウド間でスムーズにデータを移動させることができる。その際、AIのアドバイスを受けることで、最も効率的でアクセスが容易なデータ配置がわかる。
パフォーマンスの管理
機械学習を活用することで、どのような場所でパフォーマンスのボトルネックが発生するかを特定できる。
予測不可能な成長への対応
従量制で使用した分の料金を支払うだけで済み、需要に先立って容量を提供できる。オーバープロビジョニングを回避しインフラコストを削減できる。

 上記で最後に触れている「インフラコストの削減」については、ESG (Enterprise Strategy Group) がレポートで「ストレージ関連の運用コストを79%削減する」との見解を出すなど、実際の高い効果が期待されているところだ。
(アナリストホワイトペーパー「HPE InfoSight予測分析の経済効果の評価」より--顧客リサーチ担当ディレクターAdam DeMattia氏)

ストレージの新しい波を正しく乗りこなせ

 CIOは、こうしたストレージの新しい波を正しく乗りこなす必要がある。あらためて整理しておこう。

 ストレージをめぐる環境変化としては「データ」「AI」「マルチクラウド」のトレンドを押さえておくことが求められる。これに対するストレージ要件は「さまざまな場所に偏在するデータを効率よく統合すること」「AIなどで分析できるようなデータを蓄積できること」「複数のクラウドをまたがってデータを格納できる」だ。

 さらに、これらを満たすストレージ製品の技術とサービスで注目すべきポイントは「AIドリブン」「クラウド向け設計」「As-a-Servcie(従量制)での提供」だ。

 これらよって期待できるビジネスインパクトは「ビジネスリスクの軽減」「クラウド間のデータの移動によるコスト削減」「パフォーマンスの管理」「予測不可能な成長への対応」などだ。

 例えばイタリアの高級ファッションを展開するYOOX NET-A-PORTER GROUP(YNAP)のグローバルネットワーク/データセンターマネージャーは、HPEに対して以下の感想を述べている。

 「(従量課金モデルによる)フレキシブルキャパシティは、オンプレミスでクラウドの機能を使用できるようなものです。当社では、クラウドでいくつかのサービスを利用していますが、データセンターでも同じような柔軟性が必要です。フレキシブルキャパシティは、当社のハイブリッド戦略で重要な役割を果たしています」

 ここまで解説してきたように、ストレージの高機能化とサービス化は、企業に大きなインパクトをもたらす。こうした情報を参考にしながら新たなストレージ戦略を立案することが今後のカギを握るのは確実だ。

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