経営層が意識すべき「データドリブン 2つの課題」と 課題が明確化する「組織のアップデート術」 - (page 2)

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2019-07-01 11:00

[PR]データドリブンな意思決定が重要になってきている。では、経営アクションをデータ主導で起こすためにはどのような方法論が必要なのか。

データドリブンな体制を構築する3つのステップ

 人材やインフラの拡充だけでなく、全体的な組織戦略も欠かすことができないものだ。

 昨今ではスキルの高い人材を多くそろえることも困難になってきており、戦略を実行するうえでは、数少ない人材を集中し、効率的に対応する体制が必要になる。平井氏によると、データドリブンな意思決定を実現するための体制整備は3段階に分かれる。

データドリブンな意思決定を実現するための体制整備(出典:ITR)
データドリブンな意思決定を実現するための体制整備(出典:ITR)

 「第1段階は、データ分析に関連する人材を集めた専門組織を設置すること。これを『BIコンピテンシー・センター(BICC)』と呼んでいます。ですが、設置しただけでは人材をただ集めたに過ぎないため、長期的なモチベーションの維持やスキルの継承に問題がでます。

 そこで長期的な継続性を確保するため、職責としての『データスチュワード』の任命が第2段階になります。それでも、担当者や管理職レベルでの体制整備にとどまると、戦略的な判断が欠如し、十分な投資が行われない場合があります。

 これを解決するための最終段階が『CDO(最高データ責任者)』の任命となります」(平井氏)

CIOがいま取り組むべきこと、将来的に取り組むべきこと

 こうした3つのステップを踏まえつつ、CIOはいま何をすべきか。ITRでは、データ分析の高度化レベルを判定する5つのレベルと、次のレベルに上げるために解決すべき課題を定義している。平井氏はこう話す。

 「CIOはまず、自社の現状が『個人PCによる分析』から始まり、『定型的な分析』、『非定型な分析』『探索型の分析』を経て、『推論・予測』に至る5つのステップのどこにあるのかを正確に把握します。その上で、次のレベルに上げるために解決すべき課題に集中的な投資を行うことが求めらます」(平井氏)

 例えば、現在「定型的な分析」レベルにある企業が、次に目指すべきなのは「非定型分析」レベルだ。そのために解決すべき課題は、セルフサービスBIの導入や、分析担当者のリテラシー向上などとなる。もしここで、「ビッグデータ活用」「AI利用」というトレンドに乗った方針を立てて、「探索型の分析」あるいは「推論・予測」レベルのデータ活用を行おうとしたらどうなるか。

 「データの統合度合い、分析ツールの整備をはじめ、多数の課題を同時に解決しなければならなくなります。そのため実現は困難になるでしょう。繰り返しになりますが、全体的な戦略を考える場合は、自社の緊急課題がどこにあるかを正確に把握した上で、優先順位を決めることが重要なのです」(平井氏)

データ分析の高度化レベルと解決すべき課題(出典:ITR)
データ分析の高度化レベルと解決すべき課題(出典:ITR)

 このような形で状況と解決すべき課題がわかれば、次にどのようなテクノロジーが必要になるかも判然とするだろう。ストレージやデータベースなども、自社の取り組みとタイミングを見ながら必要に応じて導入していけばよい。結果として投資も最適化され、最新テクノロジーを導入しやすくなるというメリットも出てくるはずだ。

 データドリブンな意思決定はこれからの企業に不可欠な要素だ。IT部門が主導して自社の状況を正確に把握し、優先順位を決めながら取り組みを成功に導いていきたいところだ。

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