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事例からわかる「基幹システムのクラウド移行」のツボ

ZDNET Japan Ad Special

2017-09-08 16:00

 ZDNet JapanおよびTechRepublic Japan主催、AWS Partner Network協賛で、クラウドの中心的存在である「アマゾン ウェブ サービス(AWS)」をテーマにした5週連続セミナーが開催された。2017年7月13日に行われ第3回のテーマは「Enterprise Migration」。基調講演と特別講演では、実際に基幹システムをAWSへ移行した事例に基づき、さまざまな課題やそれを解決するためのノウハウが紹介された。ここではその内容をレポートする。

基調講演:情報システム部門の意識変化はAWS移行の大きな成果


ミサワホーム
情報システム部 部長
宮本眞一氏

 基調講演にはミサワホーム 情報システム部の宮本眞一氏が登壇。「ミサワホームの歩んだクラウドファーストの5年間」と題して、AWS移行の成果とポイントを振り返った。

 売上高3,998億円(平成28年度)、社員数8,964人(平成29年4月時点)のミサワホームが基幹系システムのAWS移行を決断したのは2011年のこと。システムの多くが一斉に更新時期を迎え、またそれまでのグループ会社単位のIT投資が大きな財務的な負担になっていた時期だった。そんな状況で、東日本大震災が発生。グループのIT一元化とBCPの必要性を痛感し、一連のシステム再構築を新しいIT戦略推進の千載一遇のチャンスととらえて、クラウドへの全面移行に踏み切った。

 顧客管理/営業支援、人事給与、文書・イメージ管理、データ分析、ワークフロー、会計など、主要システムを段階的にクラウドへ移行し、2013年から順次稼働。さらに、グループ41社で個別運用していた財務経理、人事給与、システム運用などの間接業務を統合し、シェアードサービス化を図った。

 「社内にはクラウドに対する不安の声やシステム部員の反対もありましたが、IT部門の目指すべき方向を明確にし、みんなが納得できる説明を心がけました」(宮本氏)

変革に向けたスモールスタートが容易に

 クラウドの国内での普及期前の2011年、移行は手探り状態で、社内、開発ベンダー、クラウド事業者が連携しながらの試行錯誤が続いた。「仮想マシンが再起動しない」「ロードバランサーのIPを固定できない」「データベース参照に時間がかかる」等、経験不足に起因する課題は出たが、それらを解決し、セキュリティ対策、可用性の向上を進めていった。

 現在は、360度パノラマ画像を使った営業プレゼンパースの作成や、「Amazon Workspaces」によるVDI環境構築等、AWS移行前には手掛けていなかった分野でのクラウド活用にも積極的に取り組んでいる。

 AWS移行の成果としては、TCO低減、可用性/セキュリティの向上、本来業務への集中、継続的な機能改善などがあるが、中でも大きかったのは情報システム部門の意識の変化だ。

 宮本氏は「クラウドを利用すると、インフラ調達プロセスが省略されるため、ビジネス部門のスピード感についていけるようになります。同時にシステム稼動後の試行錯誤にも対応しやすいため、事業変革に向けたスモールスタートがしやすくなる。この意味は大きいです」とメリットを強調。

 最後に「ビジネス部門との対等なパートナーシップ構築には私達自身のパワーアップが必要です。クラウドはその大きな武器になります」と情報システム部門にエールを贈った。

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