グローバルにおけるクラウドの業務活用に必須となるミドルマイル高速化
国内企業のクラウドサービス活用が加速している。国内のICT総需要が伸び悩む中、クラウド分野だけは例外的に今後も急速に伸びると予測されている。企業のグローバル展開に伴う既存システムの運用コスト低減や運用負荷軽減、新規システムの安価な構築などを理由にクラウド導入を検討する企業が多いという。
クラウド活用が進む中、課題となるのはグローバル拠点間のパフォーマンスの確保だ。オンプレミスとは違い、クラウドの通信は基本的にインターネット経由になる。そしてインターネットの特性により通信距離に比例してパフォーマンスが悪化する。パフォーマンスが悪ければ、1つ1つの動作で遅延が発生し、業務効率に悪影響を与え、利用者にとってのストレスとなる。
しかし、クラウドサービス利用の速度を高速かつ安定したものにするのは難しい。一般的にはインフラの増強が手段として用いられるが、十分な速度は期待できない。インターネットを利用する際の一番のボトルネックは海外拠点間のミドルマイル区間だからだ。サーバや回線の増強ではオリジンの処理能力とファーストマイル区間を高速化することしかできず、遅延の根本原因を解決できないのだ。つまりグローバル拠点間でクラウドを利用する際、インターネット通信そのものを改善することがパフォーマンスの向上に大きく貢献するということだ。そのために有効なのは、ミドルマイルの高速化だ。
特にコンテンツデリバリネットワーク(以下、CDN)の活用は、ミドルマイルの高速化にも有効であるとされている。そして、クラウド時代のビジネスにおける必須ツールともいえるCDNを、国内のみならずグローバルに提供しているのがCDNetworksだ。特に、遠隔地からクラウドサービスを利用する上では、国際的なウェブアプリケーション配信のパフォーマンス向上に取り組んできた実績のある「ダイナミック・ウェブ・アクセラレーション(以下、DWA)」が注目されている。
インターネットの高速化といえば、一般的に考えられるのがキャッシュサーバの活用だ。配信されるコンテンツをキャッシュサーバに蓄積して代理配信することで、エンドユーザからのアクセスを分散させる。動画などのコンテンツ配信に対する高速化としては十分有効なもので、この仕組みのみで作られているCDNもある。
しかし、クラウドの業務利用という点から見るとこれでは力不足だ。業務アプリケーションをクラウド化した場合、ユーザのリクエストに応じて動的に処理したコンテンツを配信することが求められる。元のサーバに処理させる必要があるため、キャッシュでは太刀打ちできないのだ。
一方、CDNetworksのDWAはキャッシュに加えてミドルマイルの高速化を行うことで、クラウドアプリケーションの利用にも対応する。