対談:海部美知×クラウディアン--クラウドをわかりやすく面白く語る - (page 2)

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2013-05-08 11:00

[PR]クラウディアンの企業ブログ【海部美知 for Cloudian】「ビッグデータとクラウドストレージ」が昨年より好評連載中だ。執筆者の海部美知氏とクラウディアン経営陣が、企業を取り巻く新たなITインフラについて語った。

 ― しかし、「クラウドストレージ」というとWebサービスやその開発者向けというイメージが強く、一般企業や利用者からは縁遠いイメージもあります。また、どのようにクラウドを利用したら良いのかという意見も耳にすることもあります。一般企業がクラウドを利用するメリットはどこにあるのでしょう?

 海部:一例にはなりますが、連載第九回目のブログでバックアップ/リカバリーにクラウドを利用するメリットを紹介しました。一般企業や政府・各種団体でも、データが失われた場合の復旧時間短縮の必要性が増しています。伝統的なバックアップ手法であるテープ保存は低コストですが保存管理には手間がかかり、データを復旧するのに時間も手間もかかります。

 一方で、ネットサービスにおける「ビッグデータ」の規模の経済により、機器や部品のコストが全体的に下がり、提供されるサービスも増え、ニーズとコストの両面で企業が「クラウド・バックアップ/リカバリー」を活用するメリットが大きくなってきています。

太田氏

 太田:「クラウドストレージ」はクラウドのインフラなので、より多くのアプリケーションや利用者が等しく使えることが重要です。連載第六回目のブログでも紹介されていますが、いまやアマゾンS3がクラウドストレージの分野では事実上の標準とも言えます。このS3と互換することで、数百種類以上はあるというS3向けアプリケーションが大きな改修を施すことなく、国内外のクラウドサービスや、ストレージシステム、プライベートクラウドに、データの保存先を変更するだけで利用できるというメリットにつながります。

 本橋:実はすでにクラウドストレージとのインターフェースを提供している企業向けIT製品は数多くあります。Twinstrata社のCloudArrayなどのクラウドゲートウェイ製品、リバーベッドテクノロジー社のWhitewater、CommVault System社のSimpana、CA Technologies社のCA ARCserveなどのバックアップ/アーカイブ製品、企業版DropBoxとも言えるOxygen Cloud、シトリックス・システムズ社のShareFileなどのファイル共有製品が代表的ですし、オープンソース製品もたくさんあります。Cloudianは、これらの多くの製品との接続性を相互確認しています。

 ― それでは、対談のさいごに、「ビッグデータとクラウドストレージ」という点から、今後の業界の動向に関するお考えを聞かせてください。

海部氏

 海部:ビッグデータとクラウドストレージの両方において巨人であるアマゾンが引き続き台風の目になると思います。例えば、アマゾンはオンラインビデオ配信も手掛けている一方、最大のライバルでもあるネットフリックスは、そのインフラにS3をはじめとするAWSを使っていることは連載第四回目のブログでご紹介したとおりです。アマゾンが唯一最大のチョイスであるから仕方ないのですが、この状況はユーザーにとって必ずしもよいことではなく、オープンスタックやクラウドスタックなどの対抗陣営やグーグルなども頑張っています(連載第八回目のブログ)。

 ウェブ2.0以降のネットビジネスでは、端末やサービスそのものの機能だけでなく、開発者も含めた「エコシステム」が勝負を決するようになっており、その動きはこうしたクラウドのインフラにも及んでいます。米国ではあらゆるレイヤーでこの競争が激しくなるのは間違いないので、日本のプレイヤーも取り残されないようにして欲しいものです。

 太田:特に2013年に入り、当社の日米拠点同時に、お客様側からCloudianについてのお問い合わせや引き合いが増えてきています。これはアマゾンS3との互換性の高さと商用実績が豊富という点で注目されているからだと思います。また、お客様だけではなく、共同で製品展開をする技術アライアンスの機会も増えそうです。

 面白いのは、この問い合わせや引き合いがアジア圏にも広がっていることです。もしかすると、欧州よりも早く多くのビジネス機会が生まれるかもしれません。

本橋氏

 本橋:先ほど話題になった企業データのバックアップやアーカイブなどにクラウドを利用すれば、簡単に地域冗長、事業者分散、脱ベンダーロックインできるといった利点があります。そのため、経済性と安全性を両立させるため、企業内に構築されたストレージ、パブリッククラウド、さらには企業専用のプライベートクラウドを相互補完するメリットに注目する企業が増えていると思います。

 そして、連載第七回目のブログで、海部さんが「サーバー人」vs「ストレージ人」と表現されていましたが、これまでサーバーとストレージを別々に購入し担当も別々だったものが、いまではデータセンターで統合運用され、クラウド化されてゆくと言われています。これからは従来型の専用ストレージ装置に加え、Cloudianのようなソフトウェア製品で構築した企業専用のストレージシステムやパブリッククラウドサービスを使い分ける時代になると思います。

 ― Cloudianに関しては、最近名前を聞く機会が増えてきましたが、早い時期からクラウド、ビッグデータ、アマゾンS3といった、いままさに世の中の注目を集めている領域や市場に製品を開発投入してきたことが良くわかりました。海部さんのブログで分かりやすく解説しているように、この分野がさらに拡大することは間違いないでしょう。今後、さらに多くの発表が続くことを楽しみにしています。本日はありがとうございました。


総集編:【海部美知 for Cloudian】 ビッグデータとクラウドストレージ

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