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NAS市場の変化から見えてきたストレージにまつわるユーザーの新たな課題 -「データ爆発」時代を乗り切る企業内NASの「新常識」(第1回)

ZDNET Japan Ad Special

2016-06-24 11:15

ビジネスコンピューティングで扱われる「データ」の総量が増え続ける中、これまで主流とされてきた「NAS(Network Attached Storage)」にまつわる運用管理コストの増大が新たな課題として意識されつつある。そうした中で急速に市場でのプレゼンスを高めているのが「スケールアウト型NAS」と呼ばれる、拡張性の高いアーキテクチャを備えたNAS製品だ。なぜ、従来型のNASが抱える課題を「スケールアウト型NAS」であれば解決できるのか。市場状況の変化と合わせて紹介する。

システム管理者を悩ませ続ける「ストレージ」の課題

 企業情報システムが直面する直近の課題として「データ爆発」という言葉を聞くようになって久しい。人々の生活やビジネスと、ITとの関わりが広く、深くなるにつれ、その中で生みだされ、保存されるべきデジタルデータの総量は指数関数的な勢いで増え続けている。

 この「データ総量の急激な増加」には、扱うべきデータタイプの多様化も影響を与えている。一般的なデータベースで扱われるような数値を中心とした構造化データだけでなく、テキストのような非構造化データ、高精細な画像、映像、音声といったマルチメディアデータが、一般的な業務の中で「当たり前のもの」として扱われるようになっており、そのことが「データ爆発」のスピードをさらに加速させている。

 情報システム担当者は、将来的な予測が極めて難しくなっているデータ量の増加に配慮しながら、それらのデータを適切に保存・活用するためのストレージシステムをいかに調達し、運用管理していくかという問題に常に頭を悩ませ続けてきた。

 2000年代以降、企業に広く普及してきたデータストレージとして「NAS(Network Attached Storage)」がある。100Mbpsや1Gbpsといった広帯域の社内ネットワーク環境が一般的になる中で、ネットワークに接続するだけで容易にストレージを追加できるNASは急速に導入が進められた。その一方で、かつての予想をはるかに超えるスピードで増加し続ける企業内データを管理していく中で、一般的なNAS環境の多くで、新たな課題が生まれているという。

拡張性に乏しい従来型NASが直面する「運用管理」の課題

 中でも最も大きなものが、NASの拡張性が低いことに由来する「運用管理負荷の増大」だ。近年では、管理すべきデータ容量の増加に合わせて、ペタバイトクラスまでの容量に対応できるNAS製品も登場しているものの、現実的には1つのボリュームでカバーできる容量は数百テラバイト前後が限界といったところだ。運用をスタートする段階では、導入コスト面の課題もあり、1つのNASで管理するデータ容量を極端に多く見積もれないといった現実的な問題もある。

 従来型のNASでは、運用中に既存のストレージ容量が足りなくなってしまった場合、新たなNASを追加購入して新規のボリュームを作成し、用途に応じて既存データの一部を移しかえるといった作業が必要になっている。この作業そのものに手間と時間がかかることに加え、こうしたプロセスによって、ワークロードごとや部署ごとに新たに管理すべきNAS(そしてファイルシステム)が増えていくことも問題となる。NASの導入目的のひとつとして、ストレージを集約することで、管理効率を高めることが挙げられるが、当初の予想を超えたデータ容量の増加は、一度は削減できた管理コストを、結果的に再び増加させてしまうという状況を招いている。

 従来型のNASが増加することで引き起こされるデメリットは、管理コスト面だけにとどまらない。ストレージのボリュームをワークロードごと、部署ごとといった単位で切り分けることによって、それぞれの用途に適切な容量の予測はさらに難しくなる。結果的に、ある用途では再び容量が足りなくなって切り分けが発生し、ある用途では切り分けたボリュームが十分に活用されず「容量が余ってしまう」といった状況も発生しやすくなる。導入したストレージの容量全体に対する利用率が下がると言うことは、ストレージシステムそのものの「コストパフォーマンス」が低下していることを意味する。

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