金融、運輸、小売、電力、ガス、情報通信、農林水産、石油、化学、製造など、さまざまな業界でさまざまなサービスが提供されている。現在これらサービスは「いつでも使えて当たり前」という品質を求められている。実現するには、いわゆる高可用性システムが必要となる。
この「当たり前の現実」を維持し続けるのは、今後ますます困難なものになる。Unisphere Researchの調査報告書IOUG (Indipendent Oracle Users Group) Database Availability Surveyによれば、企業が保持している構造化データ/非構造化データはますます増えており、大半の企業がテラバイトクラスのデータ、上位10%の企業はペタバイトクラスのデータを処理している。増え続けるデータと、高まり続けるリアルタイムデータアクセスの欲求。企業は現状の品質維持すら難しい状況に直面している。
加えて、東日本大震災以降、国内の企業は事業継続そのものの困難性を再認識し、早急な対策を迫られている。しかし、高い性能を維持し続けながら高い可用性も実現するには、莫大なコストがかかる。対処すべき内容を適切に切り分け、もっとも効果的な対策を練らなければ、現実的な対策は不可能だ。
そこで注目したいのがOracle Maximum Availability Architecture (Oracle MAA)だ。これは高可用システム構築のベストプラクティスをまとめたもので、設計思想から、成功した高可用システム構築のノウハウや技術までが整理されている。最新版は随時ウェブに公開されている。
高可用システムの構築にOracleのプロダクトを採用する企業は多い。同社の高可用性システムに関連するプロダクトは、主要なものだけに絞ってもOracle RAC、Oracle ASM、Oracle Active Data Guard、Oracle Recovery Manager、Flashback Database、Oracle Exadata、Oracle GoldenGate、Oracle Data Integratorなど、その数は少なくない。これらプロダクトの特徴を抑え、問題に対して最も費用対効果が優れたシステムを構築する作業は、多くの技術者にとって至難と言える。
しかし、Oracle MAAのようにベストプラクティスから類似したケースを見つけ出し、それを土台として高可用システムを構築するというのは、もっとも効果的で失敗しにくいやり方といえるだろう。公開されているデータは最大限に活用すべきだ。効率良く高可用システムを構築して「いつでも使えて当たり前」という要求に応えたい。