2010年中堅・中小企業のワークフロー利用シェアと評価調査報告

ノークリサーチは2010年の国内中堅・中小市場におけるワークフローの利用シェアと評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した

株式会社ノークリサーチ

2010-11-08 14:10

<パッケージは業務フロー基盤強化、ASP/SaaS形態は特定用途で有効> ■多数の製品でシェアを分ける状態が続くが、業務フロー基盤を意識する製品がやや優勢 ■パッケージ移行が引き続き緩やかに進む中、一部業務場面でのASP/SaaS活用が伸びる ■「豊富な機能を揃えているかどうか?」は製品のシェアを大きく左右する評価項目の一つ ■今後は「システム連携性」と「柔軟な申請/承認フロー」をバランス良く強化することが重要
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2010年11月8日

2010年中堅・中小企業のワークフロー利用シェアと評価調査報告

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2010年の国内中堅・中小市場におけるワークフローの利用シェアと評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2010年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」のワークフローカテゴリに関する速報である。
※グラフにつきましては下記URLをご参照ください
(リンク »)


<パッケージは業務フロー基盤強化、ASP/SaaS形態は特定用途で有効>
■多数の製品でシェアを分ける状態が続くが、業務フロー基盤を意識する製品がやや優勢
■パッケージ移行が引き続き緩やかに進む中、一部業務場面でのASP/SaaS活用が伸びる
■「豊富な機能を揃えているかどうか?」は製品のシェアを大きく左右する評価項目の一つ
■今後は「システム連携性」と「柔軟な申請/承認フロー」をバランス良く強化することが重要


調査対象: 日本全国の年商500億円未満の中堅・中小企業(1400件)に属し、以下いずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/仮の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2010年8月


■多数の製品でシェアを分ける状態が続くが、業務フロー基盤を意識する製品がやや優勢

以下グラフは年商500億円未満の国内中堅・中小企業全体における導入済のワークフロー製品/サービスの導入社数シェアを示したものである。ワークフローは以前から多くの製品/サービスで少しずつシェアを分け合う状態が続き、互いのシェアは僅差である。そのため、シェア上位も変動しやすい傾向がある。そうした中、パッケージ製品では経費精算など限られた稟議/申請の用途から、業務フロー全般を対象とした利用へと用途が徐々に拡大してきており、業務フロー基盤としての活用を意識したパッケージ製品がシェア上位に入りやすい状況になっていると推測される。


■パッケージ移行が引き続き緩やかに進む中、一部業務場面でのASP/SaaS活用が伸びる

以下のグラフは導入済のワークフロー製品/サービスの利用形態について尋ねた結果である。パッケージが69.8%と七割近くを占めるものの、独自開発システムも24.9%と三割弱存在している。ASP/SaaS形態は3.1%であり、他の業務システムと比べるとやや高い比率となっている。旅費申請/経費精算といった一部の定型業務はサービス形態とも相性が良いため、用途を限定した場面でのASP/SaaS形態の活用は今後も進むと予想される。
以下のグラフは導入済のワークフロー製品/サービスを今後も利用するかどうか?を尋ねた結果である。何らかの形で製品/サービスの変更を予定するユーザ企業は34.0%に達しており、今後もシェアの変動が起きる可能性は十分にある。
以下のグラフは今後新たにワークフロー製品/サービスを導入する際にどういった形態を採用するか?を尋ねた結果である。導入済の利用形態と比べると、独自開発からパッケージへの移行が引き続き進んではいるもののスピードはやや緩やかであるといえる。導入済の利用形態でも述べたように、ASP/SaaS形態は限定された業務場面では利用が活発になる可能性があり、初期のIT投資を極力抑えたい新興企業とMROの調達/購買に伴うプロセス全般の効率化を求める大企業を中心に導入が進むものと考えられる。


■「豊富な機能を揃えているかどうか?」は製品のシェアを大きく左右する評価項目の一つ

本調査では
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
といった数多くの項目について五段階評価で製品/サービス別にユーザ企業による評価を行っている。
【評価ポイント算出方法】
五段階評価結果を「大変不満:-5ポイント」「多少不満:-3ポイント」「どちらでもない:0ポイント」「まあまあ満足:3ポイント」「大変満足:5ポイント」と重み付けし、ある評価項目「項目a」について、「A社の「大変不満」という回答件数= H1」「A社の「多少不満」という回答件数= H2」「A社の「どちらでもない」という回答件数= H3」「A社の「まあまあ満足」という回答件数= H4」「A社の「大変満足」という回答件数= H1」と定義した場合に、以下の計算式によって算出している。A社の項目aに関する評価ポイント= ( H1×(-5) + H2×(-3) + H3×0 + H4×3 + H5×5) ÷ A社の項目aに関する回答件数合計(各製品/サービスの利用件数自体が少ない場合には、その点に留意が必要である)
以下グラフはそのうちの「導入/サポートの価格は妥当か」についての主要な運用管理・資産管理製品/サービスの評価結果である。「機能の充足度」についての評価は導入社数シェアとの相関が強く、どれだけ多くの機能を備えているか?が製品/サービスの選定において重要な要素であることがわかる。日本の企業では申請/承認において複雑なロジックを要求されることも多いため、カスタマイズをすることなく多様な申請/承認ロジックに対応できるか?が大きなポイントになっていると考えられる。


■今後は「システム連携性」と「柔軟な申請/承認フロー」をバランス良く強化することが重要

以下グラフは主要なワークフロー製品/サービスにおける「他システムとの連携手段が整っているか」および「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」のユーザ企業評価を示したものである。業務フロー全般を対象としたワークフロー活用においては「他システム連携性」が重要な評価ポイントとなる。この点においてはERPのラインアップを構成する製品や、ミドルウェア的な性格の強い製品が高い評価を得る傾向にある。
一方、日本の企業文化を反映したきめ細かな申請/承認フローへの対応が重視される場合には「設定による機能の追加/更新」が重要な評価項目となる。この点においては中堅・中小向けにカスタマイズを伴わずに導入/運用されることを意図した製品が比較的高い評価を得る傾向にある。中堅企業を中心にワークフローの活用場面は業務全般に拡大しつつあるが、きめ細かな申請/承認フローへの対応も依然としてニーズは高い。「システム連携性」と「柔軟な申請/承認フロー」の双方をバランスよく強化することが今後のシェア獲得における重要なポイントと考えられる。


- レポート発刊のご案内-
『2010年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
「全17カテゴリに及ぶITアプリケーションのシェアと評価を網羅した必携の一冊」


価格: ¥95,000円(税別) CD-ROM版(17カテゴリの全てのITアプリケーションを含んだ価格)
発刊日: 2010年11月15日(購入予約受付中)

【対象となるITアプリケーションカテゴリ(17カテゴリ)】
「ERP」「生産管理システム」「会計管理システム」「販売管理システム」「仕入・在庫管理システム」
「給与管理システム」「人事管理システム」「ワークフロー」「グループウェア」「メール」「運用管理/資産管理」
「クライアントPCセキュリティ」「CRM」「CTI」「DWH/BI」「文書管理/ファイル管理」「帳票」

【集計/分析の対象となる項目】
年商別、業種別、所在地別、職責別の集計データを網羅
[ITアプリケーションの導入社数シェア]
・導入済のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・既存から変更する場合のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・全く新規に導入する場合のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
[ITアプリケーションの導入年と導入費用]
・既存ITアプリケーションの導入年(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・既存ITアプリケーションの導入費用(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
(ハードウェア費用/導入作業費用/カスタマイズ費用を除いたITアプリケーションに関する初期費用)
[ITアプリケーションの利用形態]
(「パッケージ」/「独自開発」/「サービス利用」の区分および、「社内運用」/「運用アウトソース」の区分)
・導入済、既存変更時、新規導入時のITアプリケーションの利用形態(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
[ITアプリケーションの評価]
以下の各項目に関する五段階評価(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」


当調査データに関するお問い合わせ

株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp
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