こどもの肝臓難病の早期診断・治療を可能にする新たな診断法の開発 -- 東京大学

東京大学 2017年11月20日

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東京大学大学院薬学系研究科の林久允助教、直井壯太朗元大学院生を中心とした研究グループは、血液に含まれる細胞成分の機能の差異から、こどもの肝臓難病である進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型(PFIC1)を診断できる可能性を見出しました。現在、本疾患の確定診断には、臨床所見、遺伝子検査が利用されていますが、類似疾患との鑑別に難渋するケースが散見されています。林助教らは、現在の診断法では確定診断に至らなかった肝臓病の患児から、複数のPFIC1患児を見出すことに成功しました。本研究成果により、PFIC1の確定診断、適切な治療選択が発症早期に可能となり、患児及び、ご家族の救済に繋がるものと期待されます。




 PFIC1は、ATP8B1の遺伝子変異を原因として発症する最も重篤な小児肝臓病の1つであり、小児慢性特定疾病に指定されています。適切な治療指針の選択が本疾患児の予後に直結する一方で、本疾患とは治療指針の異なる類似疾患が複数存在するため、発症早期にPFIC1を正確に確定診断することが求められます。現在、本疾患は臨床診断の後、遺伝子検査による病因変異の同定を以って確定診断されていますが、病因変異の同定に難渋し、確定診断に至らない症例が散見されています。

 以上の背景から、林助教、直井元大学院生らは、ATP8B1の遺伝子異常を直接検出するのではなく、ATP8B1遺伝子の機能発現の有無からPFIC1を鑑別する方法論の開発に着手しました。本研究では、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の難治性疾患実用化研究事業「進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型に対する新規医薬品開発に向けた確定診断法の確立」(研究開発代表者: 東京大学大学院薬学系研究科 助教 林 久允)の支援を受け、末梢血に含まれる細胞成分を用いた解析を行い、PFIC1の原因遺伝子であるATP8B1が、単球の分化誘導により調製したマクロファージで機能しており、本遺伝子の機能破綻により、マクロファージマーカーの発現が低下すること、細胞形態が異常を来たすことを見出しました。さらに、本細胞の特性の差異からPFIC1と類似疾患を鑑別し、現在の診断法では確定診断に至らなかった肝臓病の患児から、複数のPFIC1症例を見出すことに成功しました。

 本研究成果により、PFIC1の確定診断、適切な治療選択が発症早期に可能となり、患児及び、ご家族の救済に繋がるものと期待されます。また、診断法の確立に伴い、国内外の正確な症例数、疾患自然歴など、本疾患に関する客観的エビデンスを集積させることが可能となります。本研究グループは、尿素サイクル異常症の治療薬であるブフェニールが、PFIC1患児が呈する胆汁うっ滞性の難治性掻痒感に著効し、当該患児の睡眠障害を解消する可能性を見出しており、本薬効の薬事承認取得を目的とした医師主導治験を計画しています。本診断法に基づいて集積させた疾患情報をベースに試験プロトコルを立案し、次年度以降の治験開始を予定しています。

 お子さんの原因不明の長引く黄疸でお悩みの方、乳児の遷延する原因不明の黄疸を診た先生方、本治験の参加にご興味をお持ちの方は、確定診断のお手伝いなどをいたしますので、問い合わせ先までご連絡ください。


▼本件に関する問い合わせ先
東京大学 大学院薬学系研究科 薬学専攻医療薬学講座 分子薬物動態学教室
助教 林 久允(はやし ひさみつ)
住所:東京都文京区本郷7-3-1
TEL:03-5841-4771
FAX:03-5841-4766
メール:hayapi@mol.f.u-tokyo.ac.jp


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