中堅・中小市場における「プライム販社/SIerとしてのシェア」を左右する3つの要因

ノークリサーチは中堅・中小市場においてIT商材を提供する販社/SIerが社数シェアの維持/拡大を図る上で重視すべき3つの要因に関する分析例を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2019-01-28 12:30

<プライム販社/SIerとしての社数シェアに影響を与える要因は何か?をまず理解することが出発点> ■「商材ポートフォリオ」 「導入効果と費用の目標達成」 「提案~保守に至る評価」が3大要因 ■基幹系システムは今後も重要な要素だが、その他の商材も幅広くカバーすることが不可欠 ■「導入効果の改善」が社数シェア拡大に繋がるには時間が必要、継続的な取り組みも大切 ■「提案」「金額提示」「システム構築」「保守/サポート」の各段階に分けた強みの分析が有効
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2019年1月28日

中堅・中小市場における「プライム販社/SIerとしてのシェア」を左右する3つの要因

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小市場においてIT商材を提供する販社/SIerが社数シェアの維持/拡大を図る上で重視すべき3つの要因に関する分析例を発表した。本リリースは「2018年版 中堅・中小企業の業務システム購入先のサービス/サポート評価レポート」のサンプルおよびダイジェストである。


<プライム販社/SIerとしての社数シェアに影響を与える要因は何か?をまず理解することが出発点>
■「商材ポートフォリオ」 「導入効果と費用の目標達成」 「提案~保守に至る評価」が3大要因
■基幹系システムは今後も重要な要素だが、その他の商材も幅広くカバーすることが不可欠
■「導入効果の改善」が社数シェア拡大に繋がるには時間が必要、継続的な取り組みも大切
■「提案」「金額提示」「システム構築」「保守/サポート」の各段階に分けた強みの分析が有効


■「商材ポートフォリオ」 「導入効果と費用の目標達成」 「提案~保守に至る評価」が3大要因
シェアリングやサブスクリプションの影響もあり、中堅・中小企業においてもIT商材の選択肢が広がってきている。IT商材を提供する販社やSIerとしては「ユーザ企業から見た時のIT活用における主要な委託先/購入先」(=プライムの販社/SIer)としての位置付けを如何に維持/拡大するか?が重要となってくる。下図が示すように、プライム販社/SIerとしての社数シェアを左右する要因としては、「商材ポートフォリオ」(ハードウェアのみに偏らず、クラウドなどもバランスよく取り入れているか)、「導入効果と費用の目標達成」(ユーザ企業の期待を満たす成果を得られたのか?)、「提案から保守までの各段階の評価」(合計76項目に渡る詳細な評価)といった3つの観点が重要となってくる。本リリースの元となる調査レポートでは、1300社の中堅・中小企業(規模や業種については本リリース末尾を参照)を対象とした調査結果を元に、これら3つの観点と社数シェアの関連を詳しく分析している。次頁以降では、その一部をサンプル/ダイジェストとして紹介する。

■基幹系システムは今後も重要な要素だが、その他の商材も幅広くカバーすることが不可欠
以下の2つのグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業全体を対象として、「プライム販社/SIerとしての社数シェア」の2017年から2018年にかけての経年変化(グラフ上段)ならびに「商材ポートフォリオ」(ユーザ企業がプライム販社/SIerから直近で導入したIT商材)の中から、基幹系システム/ハードウェア/事務機器/クラウドの割合をプロットした結果(グラフ下段)である。
(本リリースの元となる調査レポートでは60社超に及ぶ販社/SIerの社数シェアや25項目に渡るIT商材の導入割合を年商別や業種別などの様々な顧客属性別に集計したデータが含まれる)(商材ポートフォリオの詳細は本リリース5ページを参照) 上記では、独立系SIerの代表例として「オービック」(赤点線)と「富士ソフト」(青点線)の傾向を比較している。「オービック」と「富士ソフト」はいずれも2017年から2018年にかけてプライム販社/SIerとしての社数シェアを伸ばしているが、「富士ソフト」の方が伸び幅は大きい。一方、商材ポートフォリオを見ると、両社とも基幹系システムの割合が高いが、クラウドなどの基幹系システム以外の割合は「富士ソフト」の方が若干高い。こうした結果からも、プライム販社/SIerとしての社数シェアを維持/拡大するためには幅広い商材をカバーすることが重要であることが確認できる。調査レポートでは国産ベンダ系列のSIer(富士通マーケティング、NECネクサソリューションズ、日立システムズなど)や複合機ベンダ(リコー、富士ゼロックス、キヤノンマーケティングジャパンなど)などについても、25項目に渡る商材ポートフォリオと社数シェアとの関連性を集計/分析している。


■「導入効果の改善」が社数シェア拡大に繋がるには時間が必要、継続的な取り組みも大切
以下の2つのグラフは年商500億件未満の中堅・中小企業全体を対象として、「プライム販社/SIerとしての社数シェア」の2017年から2018年にかけての経年変化(グラフ上段)、ならびに「導入効果に関する評価」(プライム販社/SIerから直近で導入したIT商材の売上改善と経費削減の効果が共に期待通りだったと回答した割合)の2017年~2018年の経年変化(グラフ下段)をプロットしたものだ。(本リリースの元となる調査レポートでは60社超に及ぶ具体的な販社/SIerの社数シェアと社数シェア上位の販社/SIerにおける導入効果や費用に関する評価結果を集計/分析した結果が含まれる)
上記では、「富士通マーケティング」と「リコー」を具体例として挙げている。導入効果に関する評価では「富士通マーケティング」が2017年から2018年にかけて評価を高めているのに対し、「リコー」では逆に低くなっている。だが、プライム販社/SIerとしての社数シェアを見ると、「リコー」は2017年から2018年にかけて微増となっているのに対して、「富士通マーケティング」では微減となっていることがわかる。したがって、「直近で導入したIT商材の売上改善や経費削減の効果が期待通りだったか?」の評価を改善しても、プライム販社/SIerとしての社数シェア拡大にすぐ寄与するとは限らない。大手ベンダ系列のSIerや複合機ベンダの場合はグループ全体の方針や戦略が影響することもある。だが、ユーザ企業と良好な関係を保つためには導入効果の改善に向けた継続的な取り組みが重要となってくる。 調査レポートでは他にも様々な販社/SIerにおける社数シェアと導入効果や費用に関する評価の関連性について集計/分析を行っている。


■「提案」「金額提示」「システム構築」「保守/サポート」の各段階に分けた強みの分析が有効
本リリースの元となる調査レポートでは 「提案/販売時の活動」、「金額提示」、「システム構築力」、「保守/サポート」の4つの観点からプライム販社/SIerを評価した結果を代表的な販社/SIer別にレーダーチャートの形で集計/分析している。(評価結果の算出方法については本リリースの6ページを参照)
以下の2つのグラフは、「日立システムズ」と「NECネクサソリューションズ」のレーダーチャートを全体平均の結果と合わせてプロットしたものだ。(調査レポートには代表的なIT企業18社のレーダーチャートが含まれる) 「日立システムズ」が概ね全体平均と近い傾向を示している一方で、「NECネクサソリューションズ」は「提案/販売時の活動」と「システム構築力」の評価が高くなっている。ここでは分析例の一つとして、「NECネクサソリューションズ」において「提案/販売時の活動」の評価が高くなっている要因を見ていくことにする。本リリース6ページに記載しているように 「提案/販売時の活動」に関する評価数値は12項目の肯定的な選択肢と12項目の否定的な選択肢を合わせた合計24の評価項目を元に算出される。(12項目の肯定的な選択肢と否定的な選択肢はそれぞれペアになっている) そこで、「NECネクサソリューションズ」の「提案/販売時の評価において 「肯定的な選択肢の回答割合」と「否定的な選択肢の回答割合」の差分が全体平均と比較して20ポイント以上高い選択肢(=「NECネクサソリューションズ」に関する「提案/販売時の評価」を高めている要因)をプロットしたものが以下のグラフである。グラフでは「項目1」と書かれた選択肢が2つある。そのうち「項目1:肯定的」が肯定的な選択肢、「項目1:否定的」が否定的な選択肢である。(項目2と項目10も同様)項目1、項目2、項目10の選択肢の持つ意味を整理すると以下のようになる。
[項目1]
「経営視点を持ったIT活用提案」に関する評価
[項目2]
「業種や規模を意識した助言」に関する評価
[項目10]
「業種や業態に関連するスキル」に関する評価
したがって、「NECネクサソリューションズ」の場合には「経営視点を持ち、業種/業態や規模を意識した提案が行えるか?」という点で肯定的な評価が否定的な評価を上回っており、その結果「提案/販売時の活動」のレーダーチャートで他の販社/SIerよりも高い数値を獲得していることがわかる。このように、導入社数シェアを維持/拡大するには「提案/販売時の活動」、「金額提示」、「システム構築力」、「保守/サポート」の各段階における評価をレーダーチャートで確認し、さらに各段階での評価要因を細かく分析する必要がある。ここでは一つの分析例を紹介したが、本リリースの元となる調査レポートには主要な販社/SIerに関して同様のレーダーチャートと評価ポイント算出を行ったデータが含まれる。


本リリースの元となる調査レポートで分析対象となっている販社/SIerの一覧

本リリースの元となる調査レポートでは以下に列挙した60社超に及ぶ販社/SIerの具体名を提示し、「業務システムの委託先/購入先となっているのはどこか?」を尋ね、その結果を集計/分析している。本リリースで紹介している「ユーザ評価ポイントのレーダーチャート」による集計対象となっているのは、社数シェア上位に位置している「*」のついた18社である。
(リンク »)  ※5ページ目を参照

本リリースの元となる調査レポートで分析対象となっている商材ポートフォリオの一覧

本リリースの元となる調査レポートでは以下のような選択肢を設けて「販社/SIerから購入したIT関連資産やサービスの内訳(商材ポートフォリオ)」を集計/分析している。
(リンク »)  ※5ページ目を参照


本リリースの元となる調査レポートにおける提案から保守に至るまでの評価項目の詳細

本リリースの元となる調査レポートではプライム販社/SIerに対する評価を「提案/販売時の活動」、「金額提示」、「システム構築力」、「保守/サポート」の4つの観点から尋ね、その結果に基づく「ユーザ評価ポイント」を算出している。4つの観点はそれぞれ「肯定的な選択肢」と「否定的な選択肢」がペアになっている。
(リンク »)  ※6ページ目を参照
4つの観点のそれぞれについて、「肯定的な選択肢の回答割合」から「否定的な選択肢の回答割合」を引き算して合算するとユーザ企業にどれだけ良い評価を得られているか?のポイント値が得られる。このポイント値を販社/SIer毎に算出し、比較を行いやすいように1~10の範囲にスケールを合わせてレーダーチャート化したものが、本リリース4ページのグラフである。
4つの観点の選択肢数は
提案販売時の活動: 12通りの選択肢 × 2(肯定的と否定的の対) = 24
金額提示: 6通りの選択肢 × 2(肯定的と否定的の対) = 12
システム構築力: 11通りの選択肢 × 2(肯定的と否定的の対) = 22
保守/サポート: 9通りの選択肢 × 2(肯定的と否定的の対) = 18
となっている。したがって、本リリース4ページに掲載したレーダーチャートは合計で76項目に及ぶ選択肢を元に算出されたユーザ評価ポイントに基づく結果となっている。
だが、「ある販社/SIerにおいて、販売/提案の活動に関する評価ポイントが非常に高い」という結果が出た場合、ポイント値を比較するだけでは「具体的にどのような対策を講じれば良いか?」が判断できない。そこで、上記に列挙した76項目の詳細をブレークダウンし、要因となっているのは具体的に何なのか?を探ることが重要となってくる。本リリース4ページの後半ではそうした分析例を紹介している。


本リリースの元となる調査レポート

『2018年版 中堅・中小企業の業務システム購入先のサービス/サポート評価レポート』
販社/SIerが中堅・中小市場における社数シェアを伸ばすために取り組むべき事柄を「商材ポートフォリオ」「導入効果と費用」、「提案/販売時の活動」、「金額提示」、「システム構築力」、「保守/サポート」といった様々な観点から集計/分析した必携書。
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリの概要】
第1章:本ドキュメントの構成
第2章:販社/SIerの社数シェアにおける経年変化
第3章:販社/SIerから導入したT商材の「導入効果」と「費用」に関するユーザ企業の評価
第4章:販社/SIer毎のユーザ企業からの評価をまとめたレーダーチャート
第5章:販社/SIerの「提案/販売時の活動」に関するユーザ企業の評価
第6章:販社/SIerの「金額提示」に関するユーザ企業の評価
第7章:販社/SIerの「システム構築力」に関するユーザ企業の評価
第8章:販社/SIerの「保守/サポート」に関するユーザ企業の評価
【レポート案内(設問項目、試読版など)】
(リンク »)
【価格】 180,000円(税別)

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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
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