2020年 「新型コロナ×働き方改革」で求められるRPAの果たすべき役割

ノークリサーチは新型コロナ感染拡大および働き方改革に伴う残業時間規制とRPA活用提案の関連を考察した。

株式会社ノークリサーチ

2020-04-20 12:30

<緊急時の提案を適切に行えば、テレワークとRPAの双方の市場を活性化させることができる> ■「テレワーク導入」「働き方改革対応」「RPA市場の再活性化」は同時並行で進めていくべき ■ フォロワー向けのRPA導入では「テレワークに関連する業務システム課題」の訴求が有効 ■「領収書の読み取り」や「給与明細書の発行/配布」もRPAが解決すべきテレワークの障壁
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2020年4月20日

2020年 「新型コロナ×働き方改革」で求められるRPAの果たすべき役割

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は新型コロナ感染拡大および働き方改革に伴う残業時間規制とRPA活用提案の関連を考察した。本リリースは「2019年版 中堅・中小企業におけるRPA活用の実態と展望レポート」を元に今後の提言をまとめたものである。


<緊急時の提案を適切に行えば、テレワークとRPAの双方の市場を活性化させることができる>
■「テレワーク導入」「働き方改革対応」「RPA市場の再活性化」は同時並行で進めていくべき
■ フォロワー向けのRPA導入では「テレワークに関連する業務システム課題」の訴求が有効
■「領収書の読み取り」や「給与明細書の発行/配布」もRPAが解決すべきテレワークの障壁


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については本リリース末尾を参照

■「テレワーク導入」「働き方改革対応」「RPA市場の再活性化」は同時並行で進めていくべき
新型コロナウイルスに起因する緊急事態宣言の拡大を受けて、中堅・中小企業においてもテレワークに対する注目が一段と高まりつつある。 しかし、テレワークの取り組みを始めたユーザ企業からは「紙面の確認/捺印が妨げになっている」といった声も少なからず聞こえてきている。 ここで単にペーパレス化を訴求しても、ユーザ企業は『緊急対策に更なる費用は捻出できない』のが実情だ。こうした状況を踏まえてIT企業 が着目すべき点が、2020年4月から中小企業も適用対象となった働き方改革に伴う残業時間規制である。OCRも含めたRPAを活用すること によって事務作業の効率化とペーパレス化を進めれば、
・テレワーク対象となる従業員の拡大
・働き方改革で求められる業務効率化
を両立できる。RPAによる自動化の効果は継続性があるため、ユーザ企業にとっては「緊急対策としてのテレワーク&ペーパレス化」とは 異なる予算の捻出/確保も選択肢となってくる。一方、中堅・中小企業におけるRPA活用はアーリアダプタによる導入が一巡し、フォロワー への市場拡大に向けたニーズの再活性化が求められている。「新型コロナウイルスに起因するテレワーク導入」、「働き方改革への対応」、 「RPA市場の再活性化」を同時並行かつ恒常的に進めるにはIT企業によるRPA活用提案の工夫が不可欠だ。次頁でその要点を解説する。


■ フォロワー向けのRPA導入では「テレワークに関連する業務システム課題」の訴求が有効
以下に掲載した関連リリースでも述べたように、中堅・中小企業全体で見た場合にはテレワークの導入が難しい業種/業態も 多く、IT企業としてはパンデミック収束後も含めた幅広い事業継続の視点から今後の支援策を検討することが不可欠となる。 しかしながら、緊急事態宣言の早期収束を実現するためにはテレワーク可能な企業における実践を促進することも大切だ。
「2020年 中堅・中小企業におけるテレワーク導入とその他のIT活用との関連」
(リンク »)
「2020年 テレワーク導入を一過性に終わらせないためにIT企業が取り組むべき事柄」
(リンク »)
そこで、前頁ではテレワーク導入を阻む障壁の一つである紙面の確認/捺印に着目し、それを解決する手段としてのRPA導入 提案との関わりを述べた。実は、こうした取り組みはRPA市場の観点から見た場合にも重要な意味を持っている。
左記のグラフは年商5~50億円の中小 企業における「RPA導入済み」の回答 割合を2018年と2019年で比較し、3つの 年商区分に詳細化して集計したものだ。
年商10~20億円と年商20~50億円では 2018年から2019年にかけて回答割合が 減少している。つまり、これらの年商帯に おいては「RPAを一旦は導入したが利用 が続かなかった」といったユーザ企業が 少なからず存在していることになる。
2018年~2019年の中堅・中小企業におけるRPA市場はアーリーアダプタが一巡しつつあった時期に該当する。その間、同市場 に対する注目と期待は急速に高まり、IT企業以外の業種によるRPA導入提案への参入も少なからずあった。だが、その中には RPAを「中堅・中小企業が自力で手軽に業務の自動化を実現できるツール」として喧伝する動きも見られた。実際はRPAも業務 アプリケーションの一種であり、導入や運用には然るべき知識とスキルが求められてくる。その結果、上記のグラフが示すように 一旦は導入したが利用が続かないという状況が生じた。
こうした経緯を経て、現在の中堅・中小企業は以前と比較してRPA導入にはやや慎重な姿勢を示している。この状況を打破する 契機となり得るのが、冒頭にも述べた「パンデミック対策に起因するテレワーク導入の課題解決」をRPAが担うという取り組みだ。
パンデミック対策に起因するテレワーク導入でユーザ企業が直面する課題のうち、RPA活用によって解決/改善が可能なものは 他にもある。本リリースの元となる調査レポート「2019年版 中堅・中小企業におけるRPA活用の実態と展望レポート」ではERP、 会計、人事給与といった既存の業務システムにおける課題とRPA導入意向との関連を分析している。
テレワーク導入と関連する業務システムの課題があった時、その課題を抱えるユーザ企業における「RPA導入予定」の割合が 「RPA導入済み」の割合を上回っていたとする。すると、アーリアダプタが一巡した後のフォロワー向けの訴求においても、その 課題と絡めたRPA導入提案は効果が期待できる。
上記の考え方に基いて、次頁では業務システム分野毎に「テレワーク導入で直面しやすく、RPA導入によって解決が期待できる 課題とは何か?」を見ていくことにする。


■「領収書の読み取り」や「給与明細書の発行/配布」もRPAが解決すべきテレワークの障壁
以下のグラフはERPを導入済みの中堅・中小企業(年商500億円未満)に対して、ERPにおける現状の課題を尋ねた結果をRPA の導入意向別に集計したものである。課題として尋ねた項目は多岐に渡るが、ここでは以下の2つの課題を比較している。
課題1: APIで実現可能なデータ連携方法が限られている
課題2: 紙面データの入力作業を自動化できない RPAを活用すればユーザが操作する画面を介したデータの授受が可能となる。そのため、課題1はRPA導入に結びつきやすい ERPにおける課題の一つだ。しかし、「RPA導入予定」における回答割合は「RPA導入済み」と変わらない。したがって、課題1を 起点としたRPA導入提案がフォロワー向けに有効か?については未知数といえる。一方で、課題2は「RPA導入提案」での回答 割合が「RPA導入済み」を上回っている。そして、課題2の内容はテレワーク導入において課題となりやすい紙面データとも深く 関連している。このように紙面の確認/捺印だけでなく、紙面データの入力作業についても冒頭で図示した「新型コロナウイルス に起因するテレワーク導入」、「働き方改革への対応」、「RPA市場の再活性化」を同時並行かつ恒常的に進めるために有効な RPA活用ポイントであることがわかる。
同様に、以下の2つのグラフは会計システムと人事給与システムを導入済みの中堅・中小企業(年商500億円未満)に対して、 各々における現状の課題を尋ねた結果をRPAの導入意向別に集計したものである。課題として尋ねた項目は多岐に渡るが、 それぞれ以下に記載した2つの課題を比較している。
会計システムで比較している課題項目:
課題1:決算が年1回のみで経営判断が遅れがちである
課題2:出張交通費の精算業務が煩雑で非効率である
人事給与システムで比較している課題項目:
課題1:行政手続きを電子化または自動化できていない
課題2:給与明細書の発行/配布が非効率で負担である
「RPA導入予定」と「RPA導入済み」の差が相対的に大きくなっているのは、会計システムと人事給与システムのいずれにおいて も課題2である。課題2は「出張交通費の精算業務」や「給与明細書の発行/配布」といったように共に紙面データの処理に関する 内容となっており、テレワーク導入の障壁にもなりやすい項目であることが確認できる。
このようにERP、会計システム、人事給与システムのいずれにおいても、フォロワー向けのRPA導入提案に結びつきやすい 現状の課題はテレワーク導入の障壁となりやすい紙面の処理に関連した内容となっていることがわかる。したがって、冒頭 に述べたようにパンデミック対策としてのテレワーク導入と並行して、働き方改革への対応を含めたRPA導入提案を訴求し、 緊急時の対応に留まらないペーパレス化を進めていくことが重要となってくる。


本リリースの元となる調査レポート(本リリースは下記の調査レポートに基づく追加の分析/提言を述べたものです)


『2019年版 中堅・中小企業におけるRPA活用の実態と展望レポート』
中堅・中小企業1300社を対象とした調査結果を元に、「どの部門にどんな用途でRPAを提案すべきか?」「注力すべき機能や支援/サポートは何か?」「今後の伸びが期待できる企業層はどこか?」を徹底分析
【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリの概要】
第1章:本ドキュメントの構成
第2章:RPAの導入状況/主導部門/用途
第3章:RPA活用における課題
第4章:RPA活用における方針とニーズ
第5章:RPAツールの導入社数シェア
第6章:RPAツールと業務システムとの関連
第7章:RPA導入に許容できる費用とRPAツールの市場規模
【価格】 180,000円(税別) 【発刊日】 2020年1月15日
【レポート案内】サンプル属性、設問項目、試読版など (リンク »)


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株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
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