オートバックスは、カー用品店最大手のチェーンとして業界を牽引してきました。全国に整備した販売網の充実とともに、近年ではECサイトの充実やSNSを活用した情報発信などデジタルチャネルの強化にも注力して来ました。一方で、顧客のライフスタイルやカー用品へのニーズポイントの多様化が進んだことにより、取り扱い製品の増加や、決済手段の多様化にも対応する必要がありました。加えて、カー用品の取り扱いには、通販専業事業者も参入し、競争環境は激化しています。そこで、同社としてもデジタルチャネルの一層の充実が重要な課題となり、2019年発表の同社経営計画「「5ヵ年ローリングプラン2019」でも、注力ポイントの一つとして「お客様とのリレーションを高めるオンラインネットワーク」を挙げています。
【新しいオートバックスドットコム】
新ECサイトリニューアルは、「一人ひとりのお客さまが抱えている課題を解決するために最適な価値(商品、シーン、タイミング)を提案しつづけるECサイト」というゴールイメージが設定され、プロジェクト化されました。新しいオートバックスドットコムで実現できることは以下の通りです。
サイトデザインのリニューアル・・・多様な商品の検索性が大幅に向上するとともに、利用顧客の過去の購買履歴や製品嗜好を踏まえた、パーソナライズされた画面設計を実現しました
決済はすべてオンライン上で完結・・・店頭受け取りを含む全ての購買についてオンライン事前決済を実現しました
ポイントカード連動・・・オンライン決済時に、Tポイントカードで蓄積したポイントを決済に充当する機能を実装しました
スマートフォンを使用した電子スタンプを導入・・・電子スタンプ『DIGISHOT®』を導入し、店頭では受取確認画面を提示するだけで受け取りが完結できるようにしました
【開発プロジェクトについて】
プロジェクト開始は2019年3月に開始されました。新ECサイトのコアとなるシステム基盤は、グローバル規模の大手小売・流通業で多数導入実績のあるSAP Commerce Cloudが選定されました。選定理由として、「オムニチャネルコマースで実績がある」、 「お客様が抱えている課題を解決するために最適なタイミングで最適なコミュニケーションを提供することができる」、 「一つのプラットフォームでB2CだけでなくB2Bも対応可能で拡張性と将来性がある点」、が評価されました。新ECサイトのフロント部分にあたるユーザーインターフェースやユーザーエクスペリエンス(UI/UX)の設計・開発はパクテラが担当。パクテラは国内ECサイトにおけるSAP Commerce Cloudの構築経験や豊富なノウハウをもとに、グローバルリソース(中国、モンゴル、ミャンマー)を活用して、短期間での機能要件実装を実現。JSOLは長年にわたるオートバックスとのプロジェクト実績を知見として、受け付けた購買を円滑に処理するバックオフィス機能の開発支援をABSSと連携して実施し、さらにプロジェクト全体のマネジメント支援(PMO)を担当しました。この役割分担のもと、開発プロジェクトが進められ、本年8月の稼働が実現しています。
パクテラ・JSOL・SAPはこれまで、SAP Customer Experienceを活用して、企業のビジネスプロセスのデジタルトランスフォーメーションを推進してきました。今後も、SAP Customer Experienceの各種クラウドソリューションを活用し、お客さまのビジネス変革に貢献していきます。
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