2022年 メタバースやブロックチェーンなどの最新技術に対する企業の受容性動向

ノークリサーチはメタバースやブロックチェーンなどの最新技術に対する企業の受容性動向に関する調査を行い、その分析結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2022-07-13 12:30

<間接的な影響も加味しながら、最新技術を訴求できる業種を幅広く捉えることが重要> ■最新技術では「自社は利用しないが、普及が予想される」といった社会的な受容性も大切 ■メタバースには地域の集客とIT活用を活性化するショールームとしての役割も期待される ■ブロックチェーン応用は調達プロセスの不正防止/品質担保や分散認証基盤なども有望
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2022年7月13日

2022年 メタバースやブロックチェーンなどの最新技術に対する企業の受容性動向

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社: 〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室:代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)はメタバースやブロックチェーンなどの最新技術に対する企業の受容性動向に関する調査を行い、その分析結果を発表した。本リリースは「2022年版 中堅・中小企業のDXソリューション導入実態と展望レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<間接的な影響も加味しながら、最新技術を訴求できる業種を幅広く捉えることが重要>
■最新技術では「自社は利用しないが、普及が予想される」といった社会的な受容性も大切
■メタバースには地域の集客とIT活用を活性化するショールームとしての役割も期待される
■ブロックチェーン応用は調達プロセスの不正防止/品質担保や分散認証基盤なども有望


調査対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業700社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
調査対象職責: 経営層およびIT活用の導入/選定/運用に関わる立場
調査実施時期: 2022年5月
※詳細は右記の調査レポート案内を参照 (リンク »)


■最新技術では「自社は利用しないが、普及が予想される」といった社会的な受容性も大切
ベンダや販社/SIerが製品/サービスの開発やITソリューションの構築に取り組む際には、社会的な観点も踏まえながら、「今後の普及が期待される最新技術は何か?」を知っておくことも大切だ。本リリースの元となる調査レポートでは有効回答件数700社の企業に対して13項目の最新技術を提示し、「既に利用している技術」「今後利用する予定の技術」「自社では利用しないが、普及すると予想される技術」は何か?を尋ねている。以下のグラフはそうした結果の一部を抜粋したものだ。(最新技術の項目一覧は次頁を参照) いずれの最新技術も「利用:有」と「利用:予定」の合計割合は2割以下に留まるが、「利用:無、普及:有」を加えた合計割合は概ね2割もしくは2割を超える値となっている。上記に列挙した「ITとOTの融合」、「VR/AR/MR」、「メタバース」、「デジタル通貨は個々のユーザ企業が直接導入していなくても、社会的な普及を通じて企業のIT活用に影響を及ぼす可能性がある。したがって、こうした最新技術の動向を把握する上では「自社では利用しないが、普及すると予想される」(上記グラフでは「利用:無、普及:有」)と考える企業の割合も含めた「社会的な受容性」を測ることも大切だ。次頁ではそうした観点からの分析結果の一部を調査レポートのサンプル/ダイジェストとして紹介している。


■メタバースには地域の集客とIT活用を活性化するショールームとしての役割も期待される
本リリースの元となる調査レポートで調査対象となっている最新技術の一覧は以下の通りである。
I6-1. ローカル5G 高速/大容量、低遅延、多数同時接続の5Gネットワークを自社専用に構築できる仕組み
I6-2. デジタルツイン 収集したデータを元に、設備/建物/店舗などをコンピュータ上に仮想的に再現する技術
I6-3. ITとOTの融合 製造業に限らず、IT(情報技術)とOT(運用技術)を連動させて業務改善を図る取り組み
I6-4. VR/AR/MR 新たな体験/実感を創出するVR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)の技術
I6-5. メタバース アバター(分身)として様々な活動を行うことが可能な現実とは切り離された仮想空間
I6-6. デジタル通貨取引 円などの法定通貨と連動した「ステーブルコイン」と呼ばれる電子マネーによる取引
I6-7. デジタル資産取引 NFTと呼ばれる電子的な所有証明を元に画像などのデジタルコンテンツを売買する取引
I6-8. ブロックチェーン応用 分散台帳としてのブロックチェーンの特性を金融以外の用途(サプライチェーンなど)に活かす
I6-9. 量子コンピュータ 複雑かつ大人数のシフト管理など、計算量が膨大になる事案に量子コンピュータを適用する
I6-10. デジタルアダプション 業務システムの画面に補助的な吹き出しなどを表示し、ユーザのITスキル不足を補う仕組み
I6-11. オンラインホワイトボード 複数人が遠隔で1つの画面を共有し、文字や図を同時に編集できるコミュニケーション手段
I6-12. ニューロマーケティング 表情、視線、心拍、行動などから脳の活動を測定/推定して顧客ニーズを把握する取り組み
I6-13. バーチャルヒューマン 3DCGで作成されたリアルなキャラクターを顧客との対話や広告などに活用する取り組み
調査レポートでは上記に列挙した最新技術の各々について、以下の選択肢を設けて利用の有無や今後の展望を尋ねている。
利用:無、普及:有  自社では利用しないが、今後は普及する
利用:無、普及:無  自社では利用せず、普及することもない
利用:有  DXに伴って自社で既に利用している
利用:予定  DXに伴って自社で利用予定である
判断できない  現段階では判断できない
こうした最新技術が企業のIT活用に与える影響を理解するためには、業種別に見た大企業や行政の動きにも目を向けることが大切だ。例えば、以下のグラフは「メタバース」における「利用:予定」の回答割合を業種別に集計した結果である。
前頁の全体グラフにおける「メタバース」の「利用:予定」の値は8.4%となっており、「ITとOTの融合」や「VR/AR/MR」などと比べると低い。だが運輸業では11.6%と若干高い値となっていることがわかる。
運輸業とメタバースは一見縁遠いように思えるが、メタバースを「人々が交流する場を提供する手段」と捉えると、新たな展開が見えてくる。例えば、JR東日本が提供するメタバース「VirtualAKIBA World」はそうした具体例の1つだ。これは秋葉原駅および周辺街区を仮想空間上に再現し、アバターを用いた交流の場を提供する試みだ。
メタバース上で何らかの名所/モニュメントを設置して話題になれば、実際にそれを見るために多くの人々が訪れることになる。つまり、集客を喚起するショールームとしての役割をメタバースが担う可能性があるわけだ。中堅・中小規模のバス・タクシー会社が地域の観光協会などと協力してこうした体験の場を設ければ、実際に現地を訪問したいというニーズを喚起し、バス・タクシー会社の利用も増やすことができる。IT企業としては、このように一見すると接点がないように思える最新技術と業種との関係性にも常にアンテナを張っておくことが大切となってくる。次頁ではデジタル通貨取引、デジタル資産取引、ブロックチェーン応用に関する分析結果の一部を紹介する


■ブロックチェーン応用は調達プロセスの不正防止/品質担保や分散認証基盤なども有望
冒頭の全体グラフを見ると、「デジタル通貨取引」「デジタル資産取引」「ブロックチェーン応用」の「利用:有」の値はいずれも5%前後に留まっているが、ブロックチェーン応用の「利用:予定」は9.4%とメタバースを僅かながら上回っている。
ここでの「デジタル通貨取引」とはビットコインなどの仮想通貨とは異なり、円などの法定通貨と連動した「ステーブルコイン」と呼ばれる電子マネーによる取引を指す。キャシュレス決済が普及するにつれて、各国では現在の紙幣/硬貨と同じ位置付けとして中央銀行が発行するCBDC(Central Bank Digital Currency)の導入検討が進んでいる。ここでは詳細およびグラフは割愛するが、「デジタル通貨取引」の「利用:予定」の割合はキャシュレス決済と関わりが深い小売業での値が相対的に低い一方、組立製造業などで若干高い値となっている。デジタル通貨取引で企業が得られるメリットの1つが企業間における支払処理の
効率化だ。そのため、部品調達などで広範な企業間取引が必要となる業種ではデジタル通貨取引による効率化への期待が高まりやすいと考えられる。ベンダや販社/SIerとしては一般消費者のキャシュレス決済だけでなく、企業間取引におけるデジタル通貨取引の動向も目を向けておくことが大切だ。
また、ここでの「デジタル資産取引」とは、NFT(Non-Fungible Token)と呼ばれる電子的な所有証明を元に画像などのデジタルコンテンツを売買する取引を指し、昨今ではデジタルアート販売などで注目を集めている。ここでは詳細やグラフは割愛するが「デジタル資産取引」の「利用:予定」の割合は小売業や一般サービス業で高い値を示している。同技術をデジタルコンテンツの流通手段と捉えれば、これは当然の結果と言える。だが 「デジタルコンテンツの模倣/複製を防止し、所有権を明らかにする」というNFTの特性を踏まえると、他の業種におけるデータ保護/流通の手段としての応用も見えてくる。本リリースの元となる調査レポートでは業種別の集計データを分析し、そうした観点での提言を詳しく述べている。
さらに、ブロックチェーンは様々な技術の基盤として位置付けられており、上記の「デジタル通貨取引」や「デジタル資産取引」の仕組みにもブロックチェーンが使われている。ここでの「ブロックチェーン応用」とは、分散台帳としてのブロックチェーンの特性を通貨取引や資産取引といった金融以外の用途(サプライチェーンなど)に活かすことを指す。以下のグラフは「ブロックチェーン応用」における「利用:予定」の回答割合を業種別に集計したものだ。 改ざんできない分散台帳を構成できるブロックチェーンはサプライチェーンにおける不正の防止や品質の担保にも役立つ。例えば、タイの大手セメント/建材企業であるSiam Cement GroupはR3社の企業向けブロックチェーン基盤「Corda」を活用し、調達プロセスを改善している。右記のグラフでも建設業では「利用:予定」の回答割合が若干ながらも高いため、今後は国内でも同じような取り組みが増えていく可能性がある。 さらに、ブロックチェーンをヒトやモノの履歴/認証の管理などに適用すれば、応用の範囲はさらに拡大する。IT関連サービス業や一般サービス業において「ブロックチェーン応用」における「利用:予定」の値が比較的高い点はこうした動向を反映したものと考えられる。例えば、アイビーシーが実証実験を開始したIoT機器の認証基盤「kusabi」では 公開鍵をブロックチェーン上に登録することによって従来の認証局による集中管理とは異なる柔軟なシステム構成を実現している。ブロックチェーン応用はこうしたセキュリティ対策とも関連してくるため、IT企業としても動向を注視していく必要がある。 ここではメタバース、デジタル通貨取引、デジタル資産取引、ブロックチェーン応用に関する分析結果の一部を紹介しているが、本リリースの元となる調査レポートでは、量子コンピュータ、デジタルアダプション、ニューロマーケティング、デジタルツインなど13項目に渡る最新技術の動向を業種別の集計データや具体例を交えながら分析し、ベンダや販社/SIerが取り組むべきポイントを提言している。


本リリースの元となる調査レポート

『2022年版 中堅・中小企業のDXソリューション導入実態と展望レポート』
DXソリューション導入を「一部の先進企業」から「中堅・中小の幅広い裾野」に広げるために必要な施策とは何か?
【対象企業属性】(有効回答件数:700社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~50億円未満 / 50億円以上~100億円未満 /100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 / 100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満 /500人以上~1000人未満/ 1000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 運輸業 / IT関連サービス業 / 一般サービス業
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 / 四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリの章構成】
第1章.DXに対する取り組み状況とその主導者
DXの取り組みがどこまで進んでおり、誰が主導しているのか?(経営層、業務部門、IT関連部門など)などの現状を解説。
第2章.導入済み/導入予定のDXソリューション
最新のDXソリューション事例を踏まえて、10カテゴリ、35項目に渡る具体的なDXソリューションを列挙した上で、IT企業が今後注力すべきDXソリューションを業種別に分析。
第3章.DXの成果とユーザ企業の方針/体制の関連
IT企業がユーザ企業に対して文化/慣習の変化を促す際に有効なアプローチを明らかにするため、DXで成果を出しているユーザ企業はどのような基本方針や組織体制で取り組んでいるかを分析。
第4章.DXを阻む課題とIT企業が提供すべき支援策
ユーザ企業がDXソリューション導入で直面している課題とIT企業側がDXソリューション提案で抱えている課題を照合し、課題を克服するためにIT企業が取り組むべきポイントを解説。
第5章.DXソリューションに対する支出額と市場規模
ユーザ企業がDXソリューションに拠出可能な費用を尋ねた結果を分析し、導入意向と単価の双方が高いカテゴリは何か?を明らかにすると共に、年商別/業種別/地域別のDXソリューション市場規模を算出。
第6章.DX関連の技術ならびにトレンドの展望
メタバース、ブロックチェーン応用、量子コンピュータ、ニューロマーケティングなど、13項目に渡る最新の技術やトレンドを中堅・中小企業がどのように捉えているのか?今後の普及が見込めるのはどれなのか?に関する展望を解説。
【価格】 180,000円(税別) 【発刊日】 2022年6月13日
詳細は右記の調査レポート案内をご参照ください (リンク »)

ご好評いただいている既刊の調査レポート 各冊180,000円(税別)

2021年版 中堅・中小企業のセキュリティ・運用管理・バックアップに関する今後のニーズとベンダ別導入意向レポート
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2021年版中堅・中小向け5G/ネットワーク関連サービスの展望レポート
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2021年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート
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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
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