2022年 中堅・中小企業におけるノーコード/ローコード開発ツールの社数シェアと用途

ノークリサーチは中堅・中小企業におけるノーコード/ローコード開発ツールの導入済み/導入予定の社数シェアや用途に関する調査を実施し、分析結果を発表した。

株式会社ノークリサーチ

2022-11-28 12:30

<ノーコード/ローコード開発ツールを6つの分野に整理し、有望な用途を分野別に把握する> ■超高速開発ツールでは、「PaaS展開」と「ソースコード非生成型」の動向を注視しておくべき ■どの業務システム領域から派生したツールか?によって年商別の導入傾向も変わってくる ■新規開発の用途は減少、今後は機能追加/再構築/マイグレーション/クラウド連携が有望
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2022年11月28日

2022年 中堅・中小企業におけるノーコード/ローコード開発ツールの社数シェアと用途

調査設計/分析/執筆:岩上由高


ノークリサーチ(本社〒160-0022東京都新宿区新宿2-13-10武蔵野ビル5階23号室 代表:伊嶋謙ニ TEL:03-5361-7880URL:http//www.norkresearch.co.jp)は中堅・中小企業におけるノーコード/ローコード開発ツールの導入済み/導入予定の社数シェアや用途に関する調査を実施し、分析結果を発表した。本リリースは「2022年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」のサンプル/ダイジェストである。


<ノーコード/ローコード開発ツールを6つの分野に整理し、有望な用途を分野別に把握する>
■超高速開発ツールでは、「PaaS展開」と「ソースコード非生成型」の動向を注視しておくべき
■どの業務システム領域から派生したツールか?によって年商別の導入傾向も変わってくる
■新規開発の用途は減少、今後は機能追加/再構築/マイグレーション/クラウド連携が有望


対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業1300社(日本全国、全業種)(有効回答件数)
対象職責: 情報システムの導入や運用/管理または製品/サービスの選定/決済の権限を有する職責
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照 (リンク »)


■超高速開発ツールでは、「PaaS展開」と「ソースコード非生成型」の動向を注視しておくべき
本リリースの元となる調査レポート「2022年版中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート」ではノーコード/ローコード開発ツールを6つの分野に整理し、計33項目に渡る具体的なツールを列挙して、導入済み/導入予定の社数シェアを集計/分析している。以下のグラフは6分野の中から「超高速開発ツール」の社数シェアを年商500億円未満の中堅・中小企業全体で集計した結果である。(6分野の詳細や33項目のツール一覧は次頁を参照)
「超高速開発ツール」はノーコード/ローコード開発ツールの代表格と言える分野であり、大企業の基幹業務を担うシステム用途での実績も多い。「導入済み」で比較的高い値を示しているのは「GeneXus」と「intra-mart Accel Platform」(※1)である。 前者はレガシーマイグレーションで強みを発揮しており、後者は業務フローやビジネスプロセスの基盤としても高い評価を得ている。
一方、「導入済み」と比較した時の「導入予定」の伸びでは「Web Performer」、「AppSQUARE」(※2)、「楽々Framework3」(※3)が比較的高い値を示している。旧来、超高速開発ツールはオンプレミスかつソースコード生成型が主流だったが、昨今は※1の「Accel-Mart Quick/Plus」などのようにPaaSに展開する動きも活発となっている。その結果、次頁で述べるノーコード/ローコードの6分野の1つである「PaaSとして提供されているもの(PaaSを出自とするもの)」との差異も少なくなりつつある。また、※2や※3といったように今後の伸びが予想されるツールにはソースコード非生成型がやや目立つ。そのため「ソースコードを自動生成し、細かい箇所はコーディングする」だけに留まらない新たな「超高速開発ツール」の活用スタイルも視野に入れておく必要がある。次頁では「超高速開発ツール」以外のノーコード/ローコード開発ツールも含めた全体像について俯瞰していく。

■どの業務システム領域から派生したツールか?によって年商別の導入傾向も変わってくる
本リリースの元となる調査レポートでは、ノーコード/ローコード開発ツールを「プログラミングが全く不要または簡易なプログラミングによってアプリケーションを開発できるツール」と定義し、以下の6つの分野に分類している。各分野の具体的なツール名と合わせて列挙すると以下のようになる。(調査レポートでは、以下に記載されたツールが集計/分析の対象となっている)
<<1.超高速開発ツール>>
データ構図や画面レイアウトなどをツール上で設計/指定することで、 プログラムを自動生成するもの
・GeneXus ジェネクサス・ジャパン
・OutSystems OutSystems
・Magic xpa(dbMagic) マジックソフトウェア・ジャパン
・Web Performer キヤノンITソリューションズ
・AppSQUARE 日立ソリューションズ東日本
・楽々Framework3 住友電工情報システム
・Sapiens eMerge サピエンステクノロジー・ジャパン
・intra-mart Accel Platform(※1) NTTデータ イントラマート
・HCL Domino Volt HCL Software
<<2.PaaSとして提供されているもの>>
クラウド上に開発環境と実行環境が配備されており、月額/年額のサービスとして提供されているもの(PaaSを出自としているもの)
・Lightning Platform(Force.com) セールスフォース・ジャパン
・kintone サイボウズ
・Power Apps 日本マイクロソフト
<<3.カジュアルデータベース>>
Microsoft Accessのようにデータ構造を定義し、部品を組み合わせて操作/表示の画面を作成するもの(超高速開発ツールと比べて、やや簡易なもの) ・File Maker Apple Japan(クラリス・ジャパン)
・UnitBase ジャストシステム
・Zoho Creator ゾーホージャパン
・コンテキサー アプストウェブ
<<4.グループウェアと関連が深いもの>>
グループウェアベンダによって提供され、独自のアプリケーションを作成できる仕組みを備えたもの(グループウェアから派生した出自をもつもの) ・AppSuite ネオジャパン
・SmartDB ドリーム・アーツ
・POWER EGG Webデータベース ディサークル
・サイボウズデヂエ(※2) サイボウズ
<<5.CRMや基幹系システムと関連が深いもの>>
CRMや基幹系システムのベンダによって開発され、独自のアプリケーションを作成できる仕組みを備えたもの(CRMや基幹系システムから派生した出自をもつもの)
・SMILE V Custom AP Builder OSK(大塚商会)
・SMILE V CRM Quick Creator OSK(大塚商会)
・SPIRAL パイプドビッツ
<<6.iPaaS/データ連携ツール>>
複数のシステムやクラウドサービス間を連携することに重点を置いたもの
・DataSpider Cloud セゾン情報システムズ(HULFT)
・ASTERIA Warp アステリア
・Anypoint Platform MuleSoft
・Workato Workato
・Informatica Intelligent Cloud Services インフォマティカ
・Boomi Boomi
・Power Automate 日本マイクロソフト
・IFTTT IFTTT
・Zapier Zapier
・Anyflow Anyflow
※1 Accel-Mart Quick/Plusを含む
※2 2022年9月末販売終了、2023年9月末サポート終了
ノーコード/ローコード開発ツールを広義に捉えた場合には、ECサイト特化型(例. Shopify)、モバイル特化型(例. Yappli)、Webサイト特化型(例. WordPress)など様々なツールがあり、SIerからの注目を集めつつある海外ベンダのツール(例. Adalo)などもあるが、上記の分類では汎用的な業務アプリケーションの開発が可能であり、国内の中堅・中小企業において現在比較的多くの利用が見られるツールに着眼点を置いている。 だが、6分野の中で <<6. iPaaS/データ連携ツール>> は1~5の他の分野とは役割が異なる点に注意が必要だ。昨今は6.をノーコード/ローコード開発ツールとしてアピールする動きも見られるが、単独では完全な業務アプリケーションを構築することはできない点に注意する必要がある。しかしながら、ノーコード/ローコード開発では既存システムとの連携も不可欠であるため、6.の分野に関する動向を把握することも重要となる。 そのため、本リリースの元となる調査レポートでは6.もノーコード/ローコード開発ツールの1分野として含めている。 冒頭に掲載したグラフは、上記の中から1.の分野に該当するツールの導入済み/導入予定の社数シェアを集計した結果を抜粋したものだ。さらに、企業規模別に見た視点も大切だ。左記のグラフは4.と5.の分野の「導入予定」の回答割合を年商別に集計した結果だ。
4.では年商規模が小さくなるにつれて高い値を示しているが、5.では中小企業層における値が最も高い。このようにノーコード/ローコード開発ツールは「どの業務システム領域から派生してきたか?」によって導入状況が異なる点に注意が必要だ。調査レポートではこうした観点での詳しい分析と提言を述べている。

■新規開発の用途は減少、今後は機能追加/再構築/マイグレーション/クラウド連携が有望
さらに本リリースの元となる調査レポートでは、以下のような選択肢を列挙して、中堅・中小企業が実際に活用している(導入済みの場合)または想定している(導入予定の場合)ノーコード/ローコード開発ツールの用途についても尋ねている。
・新規の業務システム開発 (※) 例) OutSystemsで自社向けの独自CRMを開発する
・既存システムの機能追加 (※) 例) 既存システムにLightning Platformでスマートフォン向け画面を追加する
・既存システムの再構築 (※) 例) Lotus Notes/Dominoの独自データベースをHCL Domino Voltで作り直す
・レガシーマイグレーション (※) 例) COBOLで構築されたシステムと同じ仕様のものをGeneXusで再構築する
・クラウドサービス間の連携 (※) 例) Power AutomateでDropboxとSlackを連携させる
・オンプレミス/クラウド連携 例) Boomiで社内システムとクラウドを連携する
・オンプレミス同士の連携 例) ASTERIA Warpで異なるデータベースを連携する
・簡易な業務ツールの作成 例) 部署内の工程管理ツールをFile Makerで作成する
・Excel代替のシステム開発 (※) 例) Excelのマクロで作成したシステムをkintoneに移行する
・ヒトによる手作業の自動化 (※) 例) AppSuiteで週次の売上計算処理を自動化する
以下のグラフは(※)の付いた用途について、中堅・中小企業全体における導入済み/導入予定の回答割合を集計したものだ。
「導入済み」と比較した「導入予定」の増減を見ると、「既存システムの機能追加」や「既存システムの再構築」は引き続き高い値を維持することがわかる。一方、「新規業務システム開発」は減少し、「レガシーマイグレーション」や「クラウドサービス間の連携」は増加が予想される。また、「Excel代替のシステム開発」は実際にはピークを過ぎた可能性があり、「ヒトによる手作業の自動化」もRPAとの使い分けが意識され、今後は減少すると予想される。 ただし、上記の傾向はノーコード/ローコード開発ツールの分野によっても変わってくる。以下のグラフは「超高速開発ツール」と「PaaSとして提供されているもの」の2つの分野について同様の分析を行った結果の一部を抜粋したものだ。
「既存システムの機能追加」を見ると、「超高速開発ツール」(※1)では全体傾向と同様に減少している一方、「PaaSとして提供されているもの」(※2)では大きく増加している。したがって、(※2)では「既存システムの機能追加」が有望な用途となってくる。逆に「レガシーマイグレーション」については(※1)が増加、(※2)が減少となっており、「レガシーマイグレーション」が(※1)の強みである状況が依然として続いていることが確認できる。さらに注意すべき点が「クラウドサービス間の連携」だ。クラウドである(※2)が高い値を示すのは当然だが、(※1)も今後は増加する傾向を示している。冒頭で述べたように、昨今では(※1)もPaaSとして提供されるものが少なくない。 「クラウドサービス間の連携」は6番目の分野である「iPaaS/データ連携ツール」だけでなく、「超高速開発ツール」や「PaaSとして提供されているもの」でもカバーされる用途である点に留意しておく必要がある。ここでは分析結果の一部を抜粋したが、調査レポートでは用途と分野の関連をさらに詳細に分析している。


本リリースの元となる調査レポート

『2022年版 中堅・中小企業におけるRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用実態レポート』

「RPAは機能重視と価格重視のどちらの方向に進むのか?」、「ノーコード/ローコードが適したシステム開発の用途は?」など、IT企業が直面する様々な疑問に1300社のユーザ企業を対象とした調査データに基づく分析で答えを示した一冊 【本調査レポートの背景】
中堅・中小企業においても基幹系、情報系、運用管理系、顧客管理系、分析など既に多種多様な業務アプリケーションが導入されており、その運用形態もパッケージの社内設置からSaaSに至るまで多岐に渡っている。だが、その一方で、
・紙面からの転記やシステム間のデータ加工/統合など、ヒトによる手作業が残っている
・プロジェクト単位の情報管理など、既存システムでカバーできない隙間の業務がある
・レガシー化した資産や過去に構築した業務システムを素早く刷新/再構築できない
といった課題を抱えるユーザ企業も少なくない。こうした課題を解決する手段として、中堅・中小企業においても注目を集めているのが、RPAとノーコード/ローコード開発ツールである。そこで、本調査レポートではこれら2つに関する導入状況、課題とニーズ、導入済み/導入予定の製品/サービスを尋ねた調査結果を元に、IT企業がRPAおよびノーコード/ローコード開発ツールの活用提案を成功させるためのポイントを分析/解説している。 【対象企業属性】(有効回答件数:1300社)
年商: 5億円未満 / 5億円以上~10億円未満 / 10億円以上~20億円未満 / 20億円以上~50億円未満 /50億円以上~100億円未満 / 100億円以上~300億円未満 / 300億円以上~500億円未満
従業員数: 10人未満 / 10人以上~20人未満 / 20人以上~50人未満 / 50人以上~100人未満 /100人以上~300人未満 / 300人以上~500人未満/ 500人以上~1,000人未満 /1,000人以上~3,000人未満 / 3,000人以上~5,000人未満 / 5,000人以上
業種: 組立製造業 / 加工製造業 / 建設業 / 卸売業 / 小売業 / 流通業(運輸業) /IT関連サービス業 / 一般サービス業 / その他(公共/自治体など)
地域: 北海道地方 / 東北地方 / 関東地方 / 北陸地方 / 中部地方 / 近畿地方 / 中国地方 /四国地方 / 九州・沖縄地方
その他の属性: 「IT管理/運用の人員規模」(12区分)、「ビジネス拠点の状況」(5区分)
【分析サマリ(調査結果の重要ポイントを述べたPDFドキュメント)の章構成】
第1章.RPAの導入割合と用途
RPAの導入状況を経年変化で確認した上で、14項目に渡るRPAの用途から今後有望なものはどれなのか?を提言
第2章.RPAの課題とニーズ
23項目に渡るRPAの「課題」、19項目に渡るRPA活用の「基本方針」、21項目に渡る「必須となる支援や仕組み」を分析
第3章.RPA製品/サービスのシェア
国内ベンダ、外資系ベンダ、各種の自動化ソリューションなど、42項目に渡る製品/サービスの社数シェアを集計/分析
第4章.ノーコード/ローコード開発ツールの導入割合と用途
ノーコード/ローコード開発ツールの導入状況を確認した上で、10項目に渡る用途から今後有望なものはどれか?を提言
第5章.ノーコード/ローコード開発ツールの利点と課題
ノーコード/ローコード開発ツールの活用における利点(16項目)および課題(13項目)を分析し、提案時のポイントを解説
第6章.ノーコード/ローコード開発ツールのシェア
ノーコード/ノーコード開発ツールを6分野に整理した上で、計33項目に渡る製品/サービスの社数シェアを集計/分析
第7章.ノーコード/ローコード開発ツールの分野別動向
ノーコード/ローコード開発ツールの6つの分野によって、用途/利点/課題の傾向がどのように異なるか?について分析
【レポート案内(設問項目、試読版など)】 (リンク »)
【発刊日】 2022年12月15日(予定)
【価格】 180,000円(税別) RPAのみ、またはノーコード/ローコード開発ツールのみの個別販売は行っておりません

本データの無断引用・転載を禁じます。引用・転載をご希望の場合は下記をご参照の上、担当窓口にお問い合わせください。
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当調査データに関するお問い合わせ

株式会社 ノークリサーチ 担当:岩上 由高
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-13-10 武蔵野ビル5階23号室
TEL 03-5361-7880 FAX 03-5361-7881
Mail: inform@norkresearch.co.jp
Web: www.norkresearch.co.jp
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